クイズ番組のクイズ                           戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                      (平成27年6月28日付け)

 クイズ番組大盛況の中、高学歴と言われる人達がテレビのブラウン管(今はないか!)を
賑わしている。出場を狙う希望者が予選突破をかけて局が準備したペーパーテストの問題
に挑戦した。集計結果を見たら流石全国から集まったいろいろな分野に精通した猛者達で、
どの挑戦者も出題数のちょうど半数に正解を出しており、各設問に対する正解数の集計は
なんと全て等しかったという。更に、どの2人の挑戦者の人も共通に正解した問題が3問ず
つであったという。

 さて、希望者は何人で、ペーパーテストの設問数は何個あったでしょう?

































(答) DD++さんが考察されました。(平成27年6月28日付け)

 簡単かと思いきや後半がなかなかハードでした。

(解答) 2N 問にそれぞれ M 人が正答したとすると、延べ正答数は 2MN なので、延べ解答
    数は 4MN。よって、人数は 2M 人である。

 ある一人に着目し、その人が正答した N 問の他人の延べ正答数を考える。

 各問 M 人の正答者がいたのだから当人を除けば延べ正答数は N(M-1) であり、一方で
他の 2M-1 人と3問ずつ同時正答したのだから、これは 3(2M-1) でもある。

 よって、 N(M-1) = 3(2M-1) を自然数範囲で解いて、(M,N) = (2,9)、(4,7)

 つまり、可能性があるのは、「4人で18問」、「8人で14問」のみ。それぞれが実際にありえる
ことを確認する。

「4人で18問」

 4人のうち3人が輪になり、順に赤、青、青の帽子をかぶる。残り1人は輪の中心でぽつねん
と赤い帽子をかぶる。

 赤い帽子の人だけ正答する問題を1問、青い帽子の人だけ正答する問題を1問用意する。
輪になっている人たち全員、帽子を右隣の人に渡す。

 赤い帽子の人だけ正答する問題を1問、青い帽子の人だけ正答する問題を1問用意する。
再び輪になっている人たち全員、帽子を右隣の人に渡す。

 赤い帽子の人だけ正答する問題を1問、青い帽子の人だけ正答する問題を1問用意する。

 この時点で6問でき、全員が3問正答し、どの2人も1回同時正答し、各問の正答者は全て2
人である。

 これを帽子が3周するまで繰り返せば、18問でき、全員9回正答し、どの2人も3回同時正答
し、各問の正答者は全て2人である。

「8人で14問」

 8人のうち7人が輪になり、順に赤、赤、青、赤、青、青、青の帽子をかぶる。残り1人は輪
の中心でぽつねんと赤い帽子をかぶる。先ほどと同じことを帽子が1周するまで繰り返せば、
14問でき、全員7回正答し、どの2人も3回同時正答し、各問の正答者は全て4人である。

 どちらも実際にあり得ることが示されたので、答えは「4人で18問」または「8人で14問」。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年6月29日付け)

 実際の構成方法まで編み出されたのにはびっくりしました。自分も具体的例を作っていまし
たが、8人14問はあちらを立てればこちらが立たずの繰り返しで、一つも見つけることができ
ませんでした。

 そこである方にプログラムをお願いして検索しましたら、思った以上にたくさんのパターンが
存在できることに驚きました。

その例
00000001111111
00011110000111
00101110111000
01110011001001
10110101010010
11000111100100
11011000101010
11101000010101

00000001111111
00011110000111
00101110111000
01110011001001
10110101010010
11001011100010
11010100101100
11101000010101

00000001111111
00011110000111
00101110111000
01110011001001
10110101010010
11001101100001
11010010110100
11101000001110

・・・・・・・・・・
などその他多数

 なお、どの2人も共通する正解数を4問に変更して探すと、

  4(人)24(問) 、6(人)20(問) 、10(人)18(問)

の3パターンが可能となり、それぞれの具体的配列を探すのも超難関パズルになりそうです。

 これらの組合せに関して数学の分野でSteiner Systems やデザイン、散在群(特にMathieu
group)の世界が広がっているみたいでさらに勉強してみたいです。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年6月29日付け)

 「4(人)24(問)」は、同時正答3問で4人18問のパターンを4周にすればいいだけなので簡単。

 「6(人)20(問)」も「赤、赤、青、青、青」で1周の後「赤、青、赤、青、青」でもう1周やればOK

 「10(人)18(問)」は単純な帽子法では無理ですね。正九角形は対角線(ここでは辺も含む
とします)の長さが4種類あるので、頂点を赤4つ青5つに分けた時、同色を結んだ42+52
=16本の線分が各長さを4つずつ含んでいなければなりませんが、同じ長さのところを9回通っ
てくるルートで同色4回すなわち異色5回(奇数)ということはありえません。

 もう少し捻る必要があるのか、それともそもそも不可能なのか。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年6月30日付け)

 やっとできました。

 9人を円形に並べ、順に「赤赤赤青赤青青青青」で中心が赤、順に「赤赤青赤青赤赤青青」
で中心が青の2パターンについて、帽子を1周させながら「赤帽子の人だけが正答する問題だ
け」を作っていくと、18問でき、全員9回正答し、どの2人も4回同時正答し、各問の正答者は全
て5人である状況を作れます。

 2つの正九角形で、頂点をこのように配色したとき、赤同士を結ぶ対角線16本が4種の長さ
それぞれ4本ずつになるので。

 必然的に青もそうなるので同じ配色で青基準に作ることもできます(パターンが変わります)。