数の大きさ2019版
西暦2019年(平成31年)に因んだ問題。平成の世もあと4ヶ月。
問題 次の問いに答えよ。ただし、log102=0.3010 とする。必要があれば、
0.3010<log102<0.3020 を用いてもよい。
(1) 201931は何桁の数か?
(2) 201931の一の位はどんな数か?
(3) 201931の下3桁の数を求めよ。
(4) 201931の最高位の数は何か?
GAI さんから追加の問題をいただきました。(平成31年1月5日付け)
以前興味が出てこのサイトに質問していましたので懐かしく思い出したので...。
(5) 2019s を計算していくとき、最高位から2つまでが初めて31****** となるのは、s が
最小いくつの時か?
(6) 31t を計算していくとき、最高位から4つ目までが初めて2019****** となるのは、t が
最小いくつの時か?
(答) (1) 200031<201931<204831 より、
log10200031=102.331 、log10204831=102.641 なので、103桁の数
(2) 2019≡−1 (mod 10) なので、 201931≡(−1)31=−1≡9 (mod 10)
よって、 201931の一の位は、9
(コメント) 2019n の一の位は明らかに、9、1、9、1、・・・と循環するので、奇数番目は、
9 と直ぐ分かるかな...。
(3) 2019≡19 (mod 103) なので、 201931≡1931 (mod 103)
ここで、
1931=(20−1)31≡31C2202(−1)29+31C120(−1)30+(−1)31 (mod 103)
すなわち、 1931≡620−1=619 (mod 103)
よって、 201931の下3桁は、619 である。(※(2)の結果とも一致している)
(コメント) 因みに、下4桁は、6619 となる。読者のための練習問題にしておきましょう。
<下4桁が6619になること>
以下では、すべて10000を法として計算します。
201931=(2000+19)31≡1931+31・2000・1930=1931+62000・1930
1930の下1桁は、1なので、 201931≡1931+62000
ここで、
1931=(20-1)31≡(-1)31+31・20・(-1)30+31・15・(20)2・(-1)29+31・5・29・(20)3・(-1)28
=−1+620−186000+35960000=35776619
以上から、201931の下4桁は、6619 である。
(4) 常用対数表を用いて、 log102019=3.3051 より、
log10201931=3.3051×31=102.4581
ここで、常用対数表より、 log102.871=0.4581 なので、
201931=2.871×10102
よって、201931の最高位の数字は、2
(コメント) (4)では常用対数表を用いてしまったが、単に最高位の数字を求めるだけだっ
たら次のようにしてもよいのかな?
2項定理から、200031と201931の最高位の数字は同じ
log10200031=102.331 で、 log102<0.331<log103
よって、 200031の最高位の数字は2なので、201931の最高位の数字も2である。
DD++さんからのコメントです。(平成31年1月5日付け)
2項定理から、200031と201931の最高位の数字は同じ
これってそんなにさらっとわかるものですかね?
2019^31 ≒ 2000^31 + 31*2000^30*19 としたとしても、第2項が第1項の0.3倍くらいあるわ
けで、数値が1.3倍になっても先頭の桁が変わらないとは素直には思えない気がします。
何か他の考え方があるのでしょうか?
(コメント) ちょっと楽天的過ぎました...。少し精査してみました。
201931=(2000+19)31
=200031+31・200030・19+31・15・200029・192+・・・
=200030(2000+589+83.9325+7.7078012+0.512568783125+・・・)
ここで、 log10200030=30×3.301=99.03 なので、200030 の最高位の数は、
log10 x =0.03 となる x から分かる。
log10 x =0.03<0.0301<0.1*log10 2 <0.0302 から、 x<20.1
ここで、 1.0810=2.15・・・>2 より、 x<1.08
このとき、 2000+589+83.9325+7.7078012+0.512568783125+・・・ の上3桁の数は
268で、これに x を掛けても最高位の数が3となることはない。
GAI さんからのコメントです。(平成31年1月5日付け)
最高位を同じにする範囲を見てみました。
1972^31〜1995^31 までが最高位は同じ1
1996^31〜2021^31 までが最高位は同じ2
2022^31〜2040^31 までが最高位は同じ3
2041^31〜2055^31 までが最高位は同じ4
2056^31〜2067^31 までが最高位は同じ5
2068^31〜2077^31 までが最高位は同じ6
2078^31〜2086^31 までが最高位は同じ7
2087^31〜2094^31 までが最高位は同じ8
2095^31〜2101^31 までが最高位は同じ9
logを使う数値で判定するしか手が見当たりません。
DD++さんからのコメントです。(平成31年1月5日付け)
常用対数表を用いない方法を少し考えてみました。ln は自然対数、log は常用対数としま
す。
x>-1、x≠0 のとき、ln(1+x)<x であることを用いると、
ln(2019) = ln(2000) + ln(1+19/2000) < ln(2000) + 19/2000
ln(2019) = ln(2048) + ln(1-29/2048) < ln(2048) - 29/2048
ここで、2000=16×125、2048=16×128 なので、右辺の定数項を相殺するために、
上の式を 29×125=3625倍、下の式を 19×128=2432倍して加えると、
6057*ln(2019) < 3625*ln(2000) + 2432*ln(2048)
両辺 ln(10) で割って、 6057*log(2019) < 3625*log(2000) + 2432*log(2048)
すなわち、 6057*log(2019) < 10875 + 30377*log(2)
よって、 31*log(2019) < (10875 + 30377*0.3020)*31/6057 = 102.610……
問題文にある log(2)<0.3020 ではなく log(2)<0.3011 を使ってよいなら、最後が
31*log(2019) < (10875 + 30377*0.3011)*31/6057 = 102.471……
となるので、加えて、log(3)>0.4771 も使ってよければ、2019^31 < 3*10^102 が示せたこと
になります。……絶望的なまでに面倒ですが。
(5) s=18 かな?
(6)について、当HPがいつもお世話になっているHN「PB」さんが考察されました。
(平成31年1月5日付け)
「数の大きさ2019版」(6)の問いにコメントがないことをさびしく思いメールしました。
Excelで候補を絞り、WolframAlphaで確認するという方法で、ただ計算しただけなのです
が、
31^1759=2.0193…×10^2623
が最小のtの値です。
(コメント) 私も気になっていました。PBさんに感謝します。