さいころの目の和                             戻る

 nを自然数とし、正しいさいころをn回投げる。そのとき、出る目の和がmの倍数となる確
率をP(m)とおく。

(1) n=2のとき、P2(3)の値を求めよ。

(2) n=4のとき、P4(3)の値を求めよ。















































(答)(1) さいころを2回投げるので、目の和が3の倍数、すなわち、

  目の和が3となる場合の数は、(1,2)、(2,1)の2通り

  目の和が6となる場合の数は、(1,5)、・・・、(5,1)の5通り

  目の和が9となる場合の数は、(3,6)、・・・、(6,3)の4通り

  目の和が12となる場合の数は、(6,6)の1通り

 したがって、 P2(3)=(2+5+4+1)/36=1/3

(2) さいころを4回投げるので、目の和が3の倍数、すなわち、

 目の和が6となる場合の数は、(1,1,1,3)、・・・、(3,1,1,1)
    (1,1,2,2)、・・・、(2,2,1,1) の10通り
 目の和が9となる場合の数は、(1,1,1,6)、・・・、(6,1,1,1)
    (1,1,2,5)、・・・、(5,2,1,1)、(1,1,3,4)、・・・、(4,3,1,1)
    (1,2,2,4)、・・・、(4,2,2,1)、(1,2,3,3)、・・・、(3,3,2,1)
    (2,2,2,3)、・・・、(3,2,2,2) の56通り
 目の和が12となる場合の数は、(1,1,4,6)、・・・、(6,4,1,1)
    (1,1,5,5)、・・・、(5,5,1,1)、(1,2,3,6)、・・・、(6,3,2,1)
    (1,2,4,5)、・・・、(5,4,2,1)、(1,3,3,5)、・・・、(5,3,3,1)
    (1,3,4,4)、・・・、(4,4,3,1)、(2,2,2,6)、・・・、(6,2,2,2)
    (2,2,3,5)、・・・、(5,3,2,2)、(2,2,4,4)、・・・、(4,4,2,2)
    (2,3,3,4)、・・・、(4,3,3,2)、(3,3,3,3) の125通り
 目の和が15となる場合の数は、(1,2,6,6)、・・・、(6,6,2,1)
    (1,3,5,6)、・・・、(6,5,3,1)、(1,4,4,6)、・・・、(6,4,4,1)
    (1,4,5,5)、・・・、(5,5,4,1)、(2,2,5,6)、・・・、(6,5,2,2)
    (2,3,4,6)、・・・、(6,4,3,2)、(2,3,5,5)、・・・、(5,5,3,2)
    (2,4,4,5)、・・・、(5,4,4,2)、(3,3,3,6)、・・・、(6,3,3,3)
    (3,3,4,5)、・・・、(5,4,3,3)、(3,4,4,4)、・・・、(4,4,4,3) の140通り
 目の和が18となる場合の数は、(1,5,6,6)、・・・、(6,6,5,1)
    (2,4,6,6)、・・・、(6,6,4,2)、(2,5,5,6)、・・・、(6,5,5,2)
    (3,3,6,6)、・・・、(6,6,3,3)、(3,4,5,6)、・・・、(6,5,4,3)
    (3,5,5,5)、・・・、(5,5,5,3)、(4,4,4,6)、・・・、(6,4,4,4)
    (4,4,5,5)、・・・、(5,5,4,4) の80通り
 目の和が21となる場合の数は、(3,6,6,6)、・・・、(6,6,6,3)
    (4,5,6,6)、・・・、(6,6,5,4)、(5,5,5,6)、・・・、(6,5,5,5) の20通り
 目の和が24となる場合の数は、(6,6,6,6) の1通り

したがって、

 P4(3)=(10+56+125+140+80+20+1)/1296=432/1296=1/3


(コメント) n=2のときも、n=4のときも、確率が 1/3 と同じ値になるところが面白い。

 n=3のときも計算してみたくなった。

 さいころを3回投げるので、目の和が3の倍数、すなわち、

 目の和が3となる場合の数は、(1,1,1) の1通り
 目の和が6となる場合の数は、
  (1,1,4)、・・・、(4,1,1)、(1,2,3)、・・・、(3,2,1)、(2,2,2) の10通り
 目の和が9となる場合の数は、(1,2,6)、・・・、(6,2,1)、(1,3,5)、・・・、(5,3,1)
  (1,4,4)、・・・、(4,4,1)、(2,2,5)、・・・、(5,2,2)、(2,3,4)、・・・、(4,3,2)
  (3,3,3) の25通り
 目の和が12となる場合の数は、(1,5,6)、・・・、(6,5,1)、(2,4,6)、・・・、(6,4,2)
  (2,5,5)、・・・、(5,5,2)、(3,3,6)、・・・、(6,3,3)、(3,4,5)、・・・、(5,4,3)
  (4,4,4) の25通り
 目の和が15となる場合の数は、(3,6,6)、・・・、(6,6,3)、(4,5,6)、・・・、(6,5,4)
  (5,5,5) の10通り
 目の和が18となる場合の数は、(6,6,6) の1通り

したがって、 P3(3)=(1+10+25+25+10+1)/216=72/216=1/3

 やはり、n=3のときも、確率は 1/3 と同じ値になった!

 因みに、n=1のときは、P1(3)=2/6=1/3 で、やはり確率は 1/3

 もしかして、目の和が3の倍数になるのは、さいころを投げる回数に関係なく、常に、確率
は 1/3 なのかな?

 ここで興味ある解法がある。

 P2(3)=P3(3)=P4(3)=1/3 では、該当する場合を全て列挙して確率を求めたが、
次のように確率を計算してもよい。

 n−1回までの目の和が何であっても、n回目にさいころを投げて目の和が3の倍数になる
ためには、3を法として、

 n−1回までの目の和≡0 → n回目のさいころの目は、3 または 6の2通り

 n−1回までの目の和≡1 → n回目のさいころの目は、2 または 5の2通り

 n−1回までの目の和≡2 → n回目のさいころの目は、1 または 4の2通り

なので、上記のような大変な計算をしなくても、 P4(3)=2/6=1/3 であることが分かる。

 一般に、全ての自然数 n に対して、 P(3)=1/3 であることが言える。

ここで、1(2)=1/21(3)=1/3、P1(4)=1/6、P1(5)=1/6、1(6)=1/6
2(7)=6/36=1/6、P2(8)=5/36、2(9)=4/36=1/9、P2(10)=3/36=1/12、
2(11)=2/36=1/18、P2(12)=1/36、・・・

 さて、さいころを2回投げて、目の和が2の倍数となる場合は、

(1,1)、(1、,3)、(1,5)、(2,2)、(2,4)、(2,6)、(3,1)、(3、,3)、(3,5)、
(4,2)、(4,4)、(4,6)、(5,1)、(5、,3)、(5,5)、(6,2)、(6,4)、(6,6)

の18通りで、確率は、P2(2)=18/36=1/2 すなわち、 2(2)=1/2

 次に、さいころを2回投げて、目の和が6の倍数となる場合は、

(1,5)、(2,4)、(3,3)、(4,2)、(5,1)、(6,6) の6通りで、確率は、2(6)=1/6

などから、全ての自然数 n に対して、 P(2)=1/2 、P(6)=1/6 であることが

予想されるが、実際に正しい。

 n−1回までの目の和が何であっても、n回目にさいころを投げて目の和が2の倍数になる
ためには、2を法として、

 n−1回までの目の和≡0 → n回目のさいころの目は、2 、4 、6の3通り

 n−1回までの目の和≡1 → n回目のさいころの目は、1 、3 、5の3通り

なので、全ての自然数 n に対して、 P(2)=1/2 である

 同様に、n−1回までの目の和が何であっても、n回目にさいころを投げて目の和が6の倍
数になるためには、6を法として、

 n−1回までの目の和≡0 → n回目のさいころの目は、6の1通り

 n−1回までの目の和≡1 → n回目のさいころの目は、5の1通り

 n−1回までの目の和≡2 → n回目のさいころの目は、4の1通り

 n−1回までの目の和≡3 → n回目のさいころの目は、3の1通り

 n−1回までの目の和≡4 → n回目のさいころの目は、2の1通り

 n−1回までの目の和≡5 → n回目のさいころの目は、1の1通り

なので、全ての自然数 n に対して、 P(6)=1/6 である

 また、P1(4)=1/6、P1(5)=1/6 から、全ての自然数 n に対して、 P(4)=1/4、
(5)=1/5 は言えそうにないようだ。


 ksさんからのコメントです。(令和3年9月15日付け)

 目の和の倍数で考えると、サイコロの個数にかかわらず一定になることが、不思議で感激
しました。目の数を変えたり、四面体サイコロでも、同じような結果になるのでしょうか?


 ksさんからのコメントです。(令和3年9月16日付け)

 サイコロ三個の場合、目の和が4の倍数になるのは、55通りありますが、間違いですか?


(追記) 令和3年9月16日付け

 P1(4)=1/6で、全ての自然数 n に対して、 P(4)=1/4 は言えなさそうとなったが、
ある特定のnの値に対して、もしかしたら P(4)=1/4 となる場合があるのでは?と考え
いろいろ計算してみた。

 さいころを2回投げて、目の和が4の倍数になる場合は、

 (1,3)、(2,2)、(3,1)、(2,6)、(3,5)、(4,4)、(5,3)、(6,2)、(6,6) の9通り

あるので、確率は、P2(4)=9/36=1/4 となる。

 このことから、n=2の場合は、 P(4)=1/4 が成り立つ。他はどうだろうか?

 n=3のとき、さいころを3回投げるので、目の和が4の倍数、すなわち、

 目の和が4となる場合の数は、(1,1,2) ・・・ (2,1,1) の3通り
 目の和が8となる場合の数は、(1,1,6) ・・・ (6,1,1)、(1,2,5) ・・・ (5,2,1)、
  (1,3,4) ・・・ (4,3,1)、(2,2,4) ・・・ (4,2,2)、(2,3,3) ・・・ (3,3,2)
  の21通り
 目の和が12となる場合の数は、(1,5,6) ・・・ (6,5,1)、(2,4,6) ・・・ (6,4,2)、
  (2,5,5) ・・・ (5,5,2)、(3,3,6) ・・・ (6,3,3)、(3,4,5) ・・・ (5,4,3)、
  (4,4,4) の25通り
 目の和が16となる場合の数は、(4,6,6) ・・・ (6,6,4)、(5,5,6) ・・・ (6,5,5)
  の6通り

したがって、 P3(4)=(3+21+25+6)/216=55/216

 さいころを4回投げるので、目の和が4の倍数、すなわち、

 目の和が4となる場合の数は、(1,1,1,1) の1通り
 目の和が8となる場合の数は、(1,1,1,5)、・・・、(5,1,1,1)、
  (1,1,2,4)、・・・、(4,2,1,1)、(1,1,3,3)、・・・、(3,3,1,1)
  (1,2,2,3)、・・・、(3,2,2,1)、(2,2,2,2) の35通り
 目の和が12となる場合の数は、(1,1,4,6)、・・・、(6,4,1,1)、
  (1,1,5,5)、・・・、(5,5,1,1)、(1,2,3,6)、・・・、(6,3,2,1)、
  (1,2,4,5)、・・・、(5,4,2,1)、(1,3,3,5)、・・・、(5,3,3,1)、
  (1,3,4,4)、・・・、(4,4,3,1)、(2,2,2,6)、・・・、(6,2,2,2)、
  (2,2,3,5)、・・・、(5,3,2,2)、(2,2,4,4)、・・・、(4,4,2,2)、
  (2,3,3,4)、・・・、(4,3,3,2)、(3,3,3,3) の125通り
 目の和が16となる場合の数は、(1,3,6,6)、・・・、(6,6,3,1)、
  (1,4,5,6)、・・・、(6,5,4,1)、(1,5,5,5)、・・・、(5,5,5,1)、
  (2,2,6,6)、・・・、(6,6,2,2)、(2,3,5,6)、・・・、(6,5,3,2)、
  (2,4,4,6)、・・・、(6,4,4,2)、(2,4,5,5)、・・・、(5,5,4,2)、
  (3,3,4,6)、・・・、(6,4,3,3)、(3,3,5,5)、・・・、(5,5,3,3)、
  (3,4,4,5)、・・・、(5,4,4,3)、(4,4,4,4) の125通り
 目の和が20となる場合の数は、(2,6,6,6)、・・・、(6,6,6,2)、
  (3,5,6,6)、・・・、(6,6,5,3)、(4,4,6,6)、・・・、(6,6,4,4)、
  (4,5,5,6)、・・・、(6,5,5,4)、(5,5,5,5) の35通り
 目の和が24となる場合の数は、(6,6,6,6) の1通り

したがって、

 P4(4)=(1+35+125+125+35+1)/1296=322/1296=161/648

 n=3、4については、 P(4)=1/4 は成り立たない。


 別の見方でも再計算してみよう。

 n−1回までの目の和に対して、n回目にさいころを投げて目の和が4の倍数になる場合を
考えると、4を法として、

 n−1回までの目の和≡0 → n回目のさいころの目は、4の1通りで、確率は、1/6

 n−1回までの目の和≡1 → n回目のさいころの目は、3の1通りで、確率は、1/6

 n−1回までの目の和≡2 → n回目のさいころの目は、2、6の2通りで、確率は、1/3

 n−1回までの目の和≡3 → n回目のさいころの目は、1、5の2通りで、確率は、1/3

である。このとき、確率の乗法定理により、

 P2(4)=(1/6)(1/6)+(1/3)(1/6)+(1/3)(1/3)+(1/6)(1/3)=1/4

 P3(4)=(1/4)(1/6)+(2/9)(1/6)+(1/4)(1/3)+(5/18)(1/3)=55/216

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上から、3以上の自然数 n に対して、 P(4)≠1/4 であるような雰囲気である。


(追記) 令和3年9月18日付け

 さいころを2回投げて、目の和が5の倍数となる場合は、

(1,4)、(2,3)、(3,2)、(4,1)、(4,6)、(5,5)、(6,4) の7通りあるので、

確率は、P2(5)=7/36 で、P1(5)=1/6 と合わせて、やはり、全ての自然数nに対して
(5)=1/5 は言えなさそうである。


 実は、さいころをn回投げて、目の和が5の倍数となる確率P(5)は、

 nが5の倍数でないとき、 (1−(1/6)n)/5

 nが5の倍数のとき、 (1+4・(1/6)n)/5

であることが知られている。

 上記の公式を用いると、

 P1(5)=(1−(1/6))/5=1/6

 P2(5)=(1−(1/36))/5=7/36

と直ぐ求められる。これらは上記の計算結果と一致する。

 それでは、実際に、公式を証明してみよう。

(証明) さいころをn回投げたときの目の和を、S=a1+a2+・・・+a とおく。

 5を法として、 a1+a2+・・・+an-1≡0 のとき、S≡0となる確率は、1/6

 a1+a2+・・・+an-1≡1 のとき、S≡0となる確率は、1/6

 a1+a2+・・・+an-1≡2 のとき、S≡0となる確率は、1/6

 a1+a2+・・・+an-1≡3 のとき、S≡0となる確率は、1/6

 a1+a2+・・・+an-1≡4 のとき、S≡0となる確率は、1/6

なので、a<6 で、S≡0となる確率は、1/6

 次に、 a=6で、an-1<6のとき、Sn-1≡1となる確率は、1/6なので、S≡0 となる

確率は、(1/6)×(1/6)=(1/6)2 となる。

 以下同様にして、

 a=6、・・・、ak+1=6、a<6のとき、S≡0となる確率は、(1/6)n-k+1

したがって、これらをすべて加えて、1/6+(1/6)2+・・・+(1/6)n=(1−(1/6)n)/5

 また、a=6、・・・、a1=6のとき、S≡0となるのは、n≡0 のときで、確率は、(1/6)n

 以上から、nが5の倍数でないとき、S≡0となる確率は、(1−(1/6)n)/5

 nが5の倍数のとき、 (1−(1/6)n)/5+(1/6)n=(1+4・(1/6)n)/5  (証終)


 このことから、全ての自然数nに対して、 P(5)≠1/5 であると言える。


(追記) 令和3年9月19日付け

 さいころを2回投げて、目の和が7の倍数となる場合は、

 (1,6)、(6,1)、(2,5)、(5,2)、(3,4)、(4,3) の6通りで、

確率は、P2(7)=1/6 となる。

 さいころを3回投げて、目の和が7の倍数、すなわち、

 目の和が7となる場合の数は、(1,1,5) ・・・ (5,1,1)、(1,2,4) ・・・ (4,2,1)、
   (1,3,3) ・・・ (3,3,1)、(2,2,3) ・・・ (3,2,2) の15通り
 目の和が14となる場合の数は、(2,6,6) ・・・ (6,6,2)、(3,5,6) ・・・ (6,5,3)、
   (4,4,6) ・・・ (6,4,4)、(4,5,5) ・・・ (5,5,4) の15通り

よって、 P3(7)=(15+15)/216=5/36

 以上から、やはり、 P(7)=1/7 は言えそうにない雰囲気。


  実は、さいころをn回投げて、目の和が7の倍数となる確率P(7)は、

   (1−(−1/6)n-1)/7

であることが知られている。

 上記の公式を用いると、

 P2(7)=(1−(−1/6))/7=1/6 、P3(7)=(1−(1/36))/7=5/36

と直ぐ求められる。これらは上記の計算結果と一致する。

 それでは、実際に、公式を証明してみよう。

(証明) さいころをn回投げたときの目の和を、S=a1+a2+・・・+a とおく。

 7を法として、 a1+a2+・・・+an-1≡0 のときは、

が何であっても、S≡0とはなり得ない。

 a1+a2+・・・+an-1≡k (k=1、2、3、4、5、6) のときは、

 a=7−k であれば、S≡0となり得る。

よって、漸化式 P1(7)=0、 P(7)=(1−Pn-1(7))・(1/6) が成り立つ。

  これを解いて、 P(7)=(1−(−1/6)n-1)/7 が言える。  (証終)


 このことから、全ての自然数nに対して、 P(7)≠1/7 であると言える。


(追記) 令和3年9月25日付け

 さいころを2回投げて、目の和が8の倍数となる場合は、

 (2,6)、(3,5)、(4,4)、(5,3)、(6,2) の5通りで、

確率は、P2(8)=5/36 となる。

 さいころを3回投げて、目の和が8の倍数、すなわち、

 目の和が8となる場合の数は、(1,1,6) ・・・ (6,1,1)、(1,2,5) ・・・ (5,2,1)、
   (1,3,4) ・・・ (4,3,1)、(2,2,4) ・・・ (4,2,2)、(2,3,3) ・・・ (3,3,2)
   の21通り
 目の和が16となる場合の数は、(4,6,6) ・・・ (6,6,4)、(5,5,6) ・・・ (6,5,5)
   の6通り

よって、 P3(8)=27/216=1/8

 以上から、P(8)=1/8 となるnの値として、n=3が見いだされた。

 他にもあるのだろうか?


(追記) 令和3年12月31日付け

 上記の計算でから、

 全ての自然数 n に対して、 P(2)=1/2 である

 全ての自然数 n に対して、 P(3)=1/3 である

 全ての自然数 n に対して、 P(6)=1/6 である

 2(4)=1/4 で、3以上の自然数 n に対して、P(4)≠1/4(予想)

 全ての自然数nに対して、 P(5)≠1/5 である

 全ての自然数nに対して、 P(7)≠1/7 である

 3(8)=1/8

 このことについて、数学セミナー’22 1月号 「エレガントな解答を求む」(日本評論社)で、
次のように調べられている。

 m=2、3、6 に対して、 P(m)=1/m

 m=5、7 に対して、 P(m)≠1/m

 m=4 に対して、n≡2 (mod 4) のとき、 P(4)=1/4


(追記) 令和4年1月7日付け

 さいころを2回投げて目の和が4の倍数になる確率は、上記で計算したように 1/4 である。

それは、起こり得る場合が36通りあり、目の和が4の倍数になる場合が9通りあるからであ

る。目の和が4になる場合が3通り、目の和が8になる場合が5通り、目の和が12になる場

合が1通りという計算は、

 (1,3)、(2,2)、(3,1)、(2,6)、(3,5)、(4,4)、(5,3)、(6,2)、(6,6)

と、該当の場合を列挙してもよいが、母関数の考え方を用いても求められる。

 2つのさいころの目の和kは、母関数 (x+x2+x3+x4+x5+x6)2 の展開式のxkの係数で考察
される。

  (x+x2+x3+x4+x5+x6)2=x2+2x3+34+4x5+5x6+6x7+58+4x9+3x10+2x11+112

 一般に、n個のさいころを投げて、目の和がkとなる場合の数は、

  母関数 (x+x2+x3+x4+x5+x6) の展開式のxkの係数

を見ればよいのであるが、展開せずに求める方法が知られている。

 例えば、2つのさいころを投げて、目の和が4の倍数になる場合の数は、

 母関数 F(x)=(x+x2+x3+x4+x5+x6)2 において、虚数単位 i を用いて、

 F(1)=62=36

 F(−1)=0

 F(i)=(i−1−i+1+i−1)2=(i−1)2=−2i

 F(−i)=(−i−1+i+1−i−1)2=(−i−1)2=2i

から、 (F(1)+F(−1)+F(i)+F(−i))/4=36/4=9 と求められる。

 よって、n個のさいころを投げて、目の和が4の倍数となる場合の数は、

 母関数 F(x)=(x+x2+x3+x4+x5+x6) を用いて、

  (F(1)+F(−1)+F(i)+F(−i))/4

で求められる。ここで、

 F(1)=6

 F(−1)=0

 F(i)=(i−1−i+1+i−1)=(i−1)

   ={(cos(3π/4)+i・sin(3π/4)}=({cos(3nπ/4)+i・sin(3nπ/4)}

 F(−i)=(−i−1+i+1−i−1)=(−i−1)

   ={(cos(-3π/4)+i・sin(-3π/4)}=({cos(3nπ/4)-i・sin(3nπ/4)}

なので、

 (F(1)+F(−1)+F(i)+F(−i))/4={6+2(cos(3nπ/4)}/4

である。よって、求める確率は、

 P(4)={1+2(/6・cos(3nπ/4)}/4

 このとき、P(4)=1/4 となるためには、 cos(3nπ/4)=0 であることが必要十分で
ある。

 n=4k+2 のときのみ、cos(3nπ/4)=0 を満たすので、以上から、

 n=4k+2 のとき、 P(4)=1/4 が成り立つと言える。



  以下、工事中!