剰余の定理7                               戻る

 整式f(x)をg(x)=x3+7x2+14x+8 で割ると、余りが (2/3)x2+3x+7/3である。
 h(x)=22x3+32x2+3 に対して、h(f(x))をg(x)で割った余りをr(x)とする。

 下の問いに答えよ。

(1) 方程式r(x)=0は異なる2つの解をもつことを示せ。
(2) (1)の2つの解をα、βとするとき、α10+β10の値を求めよ。

(出典:東京学芸大学 前期教育学部(2020))




































(答) g(x)=x3+7x2+14x+8=(x+1)(x+2)(x+4) より、

  f(−1)=0、f(−2)=−1、f(−4)=1

 よって、 r(−1)=h(f(−1))=h(0)=3

      r(−2)=h(f(−2))=h(−1)=13

      r(−4)=h(f(−4))=h(1)=57

 r(x)は高々2次式なので、 r(x)=ax2+bx+c とおける。

 このとき、 a−b+c=3 、 4a−2b+c=13 、 16a−4b+c=57 より、

  3a−b=10 、6a−b=22 を解いて、 a=4 、b=2 、c=1

よって、 r(x)=4x2+2x+1=0 を解くと、 x=(−1±(√3)i)/4 で、

確かに異なる2つの解をもつ。

(2) α=(−1+(√3)i)/4=(1/2)(cos(2π/3)+i・sin(2π/3))

   β=(−1−(√3)i)/4=(1/2)(cos(4π/3)+i・sin(4π/3))

 とおくと、ド・モアブルの定理より、

α10=(1/2)10(cos(2π/3)+i・sin(2π/3))

β10=(1/2)10(cos(4π/3)+i・sin(4π/3))

 よって、

α10+β10

=(1/2)10(−1+(√3)i)/2+(1/2)10(−1−(√3)i)/2=−(1/2)10=−1/1024