剰余の定理6                               戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                        (令和2年5月31日付け)

 x の多項式 x^3-3x^2-3(2a^2+18a+27)x-(34a^2+306a+477) が重根を持つように整数 a を
定める。当てはまる a とそのときの重根を答えよ。







































(答) スモークマンさんからのコメントです。(令和2年6月1日付け)

 畏友 たけちゃんさんからのものです ^^。

(解) f(x)=x^3-3x^2-3(2a^2+18a+27)x-(34a^2+306a+477) とおくと、

 f’(x)=3x^2-6x-3(2a^2+18a+27)=3(x^2-2x-(2a^2+18a+27))

であり、f(x)=(f’(x)/3)*(x-1)+(-4a^2-36a-56)x+(-36a^2-324a-504)
       =(f’(x)/3)*(x-1)-4(a+2)(a+7)(x+9).

 f(x)=0 がx=αを重解に持つならば、f(α)=f’(α)=0 であり、 4(a+2)(a+7)(α+9)=0

 a+2=0 ならば、 a=-2 (f'(x)=0 の解が必ず重解)

 a+7=0 ならば、 a=-7 (f'(x)=0 の解が必ず重解)

 α+9=0 ならば、 α=-9 であり、f’(-9)/3=0 から、81+18-(2a^2+18a+27)=0.

 すなわち、 2a^2+18a-72=0 から、a^2+9a-36=0 で、(a+12)(a-3)=0 より、 a=-12、3  (終)

 ちなみに、私は、.PC片手に...。

 f’(x)/3=x^2-2x-(2a^2+18a+27)=0 から、f”(x)/3=2x-2=0

so、3重根のとき、 f’(1)/3=1-2-2a^2-18a-27=-2a^2-18a-28=0

 すなわち、 a^2+9a+14=(a+2)(a+7)=0

(31) a=-2 のとき、 与式=(x-1)^3・・・三重根=1

(32) a=-7 のとき、 与式=(x-1)^3・・・三重根=1

2重根のとき、

f(x)=x^3-3x^2-3(2a^2+18a+27)x-(34a^2+306a+477)-x(x^2-2x-(2a^2+18a+27))

  =-x^2-2(2a^2+18a+27)x-(34a^2+306a+477)=0

 x^2-2x-(2a^2+18a+27)=0 なので、 -2x(2a^2+18a+28)=36a^2+324a+504

 よって、 x=-(36a^2+324a+504)/(4a^2+36a+56)=-9

 f’(-9)=9^2+18-(2a^2+18a+27)=0 より、a^2+9a-36=(a-3)(a+12)=0 なので、a=3 or -12

(21) a=3 のとき、 与式=(x-21)(x+9)^2・・・重根=-9

(22) a=-12 のとき、 与式=(x-21)(x+9)^2・・・重根=-9 でしたわ...^^;v


 スモークマンさんからのコメントです。(令和2年6月2日付け)

 同じく、畏友のやどかりさんの解法も紹介させていただきます。
(HPサイト:「ヤドカリの気ままな数学」を運営されておられます)

 微分しなくても、こんな方法もあります。

 x=X+1 とおけば、

x^3-3x^2-3(2a^2+18a+27)x-(34a^2+306a+477)
=(X+1)^3-3(X+1)^2-3(2a^2+18a+27)(X+1)-(34a^2+306a+477)
=X^3+3X^2+3X+1-3X^2-6X-3-3(2a^2+18a+27)X-3(2a^2+18a+27)-(34a^2+306a+477)
=X^3-3(2a^2+18a+28)X-(40a^2+360a+560)

となって、2次の項が消えます。根を p、p、q とすれば、根と係数の関係により、

 2p+q=0 、p^2+2pq=-3(2a^2+18a+28) 、p^2*q=40a^2+360a+560

になり、q=-2p を他の式に代入し、

  -3p^2=-3(2a^2+18a+28) 、-2p^3=40a^2+360a+560

 すなわち、 p^2=2a^2+18a+28=2(a^2+9a+14)

        p^3=-20a^2-180a-280=-20(a^2+9a+14)

 a^2+9a+14=0 のとき、p=0 、a^2+9a+14≠0 のとき、p=-10

 a^2+9a+14=0 のとき、a=-2,-7 であり、重根は、x=X+1=p+1=1

 a^2+9a+14≠0 のとき、a^2+9a+14=p^2/2 、a^2+9a+14=50 、a=-12、3 であり、
重根は、x=X+1=p+1=-9


(コメント) 私も微分を使わないで恒等式から攻めることを考えましたが、途中で挫折しまし
      た。また、終結式の活用も考えましたが、手計算では大変そうな雰囲気で断念し
      ました。