剰余の定理3                               戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                       (令和元年6月1日付け)

 n が2以上の自然数のとき、

   x^(n+1)-x^n-nx^2+(2n-1)x-(n-1)

は、(x-1)^3 で割り切れることを証明せよ。(出典:近畿大学)





































(答) 与式=(x-1)^2(x^(n-1)+x^n+・・・+1-n)=(x-1)^3((n-2)次の多項式) と書けるので
   明らか。

(別解) F(x)=x^(n+1)-x^n-nx^2+(2n-1)x-(n-1) とおくと、F(1)=0

    F’(x)=(n+1)x^n-nx^(n-1)-2nx+(2n-1) において、F’(1)=0

    F”(x)=n(n+1)x^(n-1)-n(n-1)x^(n-2)-2n において、F"(1)=0

  よって、F(x)は、(x-1)^3 で割り切れる。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年6月2日付け)

 f(x)=x^(n+1)-x^n-nx^2+(2n-1)x-(n-1) とおく。

 f(1)=1-1-n+(2n-1)-(n-1)=0 なので、f(x)は、(x-1)で割り切れ、f(x)=(x-1)g(x)とおける。

 恒等式 (x-1)g(x)=x^(n+1)-x^n-nx^2+(2n-1)x-(n-1) の両辺をxで微分すると、

 g(x)+(x-1)g’(x)=(n+1)x^n-nx^(n-1)-2nx+(2n-1)

 x=1を代入すると、 g(1)=(n+1)-n-2n+(2n-1)=0

 従って、g(x)は、(x-1)で割り切れるので、g(x)=(x-1)h(x) とおけて、f(x)={(x-1)^2}h(x) となる。

 恒等式 {(x-1)^2}h(x)=x^(n+1)-x^n-nx^2+(2n-1)x-(n-1) の両辺をxで微分すると、

 2(x-1)h(x)+{(x-1)^2}h’(x)=(n+1)x^n-nx^(n-1)-2nx+(2n-1)

 再度xで微分すると、

 2h(x)+2(x-1)h’(x)+2(x-1)h’(x)+{(x-1)^2}h”(x)=n(n+1)x^(n-1)-n(n-1)x^(n-2)-2n

 x=1を代入すると、 2h(1)=n(n+1)-n(n-1)-2n=0

 従って、h(x)は、(x-1)で割り切れるので、h(x)=(x-1)i(x) とおけて、f(x)={(x-1)^3}i(x) となる。

 よって、f(x)は、(x-1)^3で割り切れる。

# ちなみにもう一度同じことをやると、i(1)≠0 なので、(x-1)^4 では割り切れません。