剰余の定理2                               戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                      (令和元年5月15日付け)

 多項式 F(x)=x^3+(a+4)x^2+2(a^2+11a+8)x+24 について、以下がそれぞれ成り立つように
整数 a の値を定めよ。

 (1) x-2 で割り切れる
 (2) 重根をもつ




































(答) S(H)さんからのコメントです。(令和元年5月15日付け)

 (1)  a∈{-10,-2}  [確認;(x-6) (x-2) (x+2),(x-2)^2 (x+6)]

 (2)  a=-2  [確認;(-2+x)^2 (6+x)]

 特に取り上げる所以は?


(コメント) (1)は、F(2)=8+4(a+4)+4(a^2+11a+8)+24=4(a^2+12a+20)=0 より、 a=-2、-10

 (2)の重解は、2重解と3重解の可能性があるが、計算が大変そう...。


 S(H)さんからのコメントです。(令和元年5月17日付け)

 F(x)= (x - x0)^2*(x - k) が恒等式になる x0 はたくさんあるが、そのうち、a が整数となる
のは、-2 のみ。

 a=-2のとき、F(x)=(-2+x)^2 (6+x) で、そのグラフは、x 軸と(2,0)で接し、(-6,0)で交わる。

 また、F(x)=(x-x0)^3 が恒等式になる x0 は存在しない。


 DD++さんからのコメントです。(令和元年5月17日付け)

 (2) 重根をもつ

って人力で20分以内くらい解く方法あるんでしょうかね。単純に重解条件を方程式にすると
5桁の係数がついた6次方程式になって、手詰まりですが...。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年5月17日付け)

 こういうのはどうでしょう。

 F(x)=x^3+(a+4)x^2+2(a^2+11a+8)x+24 について、F’(x)=3x^2+2(a+4)x+2(a^2+11a+8)

 F’(x)=0 が解を持たなければならないので、

D/4=(a+4)^2-6(a^2+11a+8)=-5a^2-58a-32≧0 より、 (-29-√681)/5≦a≦(-29+√681)/5

 aは整数で、26^2<681<27^2 なので、 -11≦a≦-1

 x^3+(a+4)x^2+2(a^2+11a+8)x+24=0 … (1) 、 3x^2+2(a+4)x+2(a^2+11a+8)=0 … (2)

このとき、{{(1)×3-(2)×x}×3-(2)×(a+4)}÷2 から、(5a^2+58a+32)x=a^3+15a^2+52a-76

 よって、 x=(a^3+15a^2+52a-76)/(5a^2+58a+32)
                    (∵上の計算から、a が整数の時、 5a^2+58a+32≠0)

 そこで、

F’((a^3+15a^2+52a-76)/(5a^2+58a+32))
=9(7a^6+234a^5+2767a^4+13056a^3+18152a^2+3488a+1584)/(5a^2+58a+32)^2

7a^6+234a^5+2767a^4+13056a^3+18152a^2+3488a+1584
                         ≡2a^6+4a^5+2a^4+a^3+2a^2+3a+4  (mod 5)

であり、G(a)=2a^6+4a^5+2a^4+a^3+2a^2+3a+4 とおくと、

 G(-2)=30 、G(-1)=2 、G(0)=4 、G(1)=18 、G(2)=314

となり、この中で、5で割り切れるものは、G(-2)のみなので、-11≦a≦-1 の中で、解になり

得るものは、 a=-2 、-7 の2つある。

 しかし、定数項の 1584 は、7で割り切れないので、明らかに、a=-7 は解ではない。

 a=-2 のとき、F(x)=(x+6)(x-2)^2 なので、重根をもつ整数 a は、a=-2 のみ。


 DD++さんからのコメントです。(令和元年5月17日付け)

 なるほど、判別式から範囲を絞ることが可能でしたか。先にmodで計算して、さらに候補を
減らすのも上手いですね。勉強になりました。