正四面体を崩して
当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
(平成27年2月27日付け)
各辺の長さが同じaである正四面体の体積は、a3/12である。
そこで、6本ある各辺の長さ(ただし一桁の整数)が全て異なる四面体のものはどんなもの
が考えられるか、またその時の体積を求めて下さい。
(答) らすかるさんが考察されました。(平成27年2月27日付け)
ほとんど手作業なので計算が合っているかどうか自信がありませんが、鏡像を除いて全部
で97通りでしょうか。体積は公式にあてはめるだけなので省略します。
GAI さんからのコメントです。(平成27年2月27日付け)
3,5,6,7,8,9==>5√239/12 と 4,5,6,7,8,9==>√2711/3 を準備していました。ですから、97通
りが、これから組合わせて構成できるものなのか私にはわかりません。
ちなみに体積が整数になるものの異なる辺の組合せはどんなものが考えられるかは導か
れますか?
らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月27日付け)
3,5,6,7,8,9==>5√239/12
6辺の長さが決まっても辺の配置まで決めないと体積は決まりません。6辺の長さが3,5,6,7,
8,9である四面体は全部で11通りあり、体積は、
√3959/12 ≒ 5.243, 5√239/12 ≒ 6.442, √11231/12 ≒ 8.831,√20591/12 ≒ 11.958,
√22679/12 ≒ 12.550, 7√479/12 ≒ 12.767,√30239/12 ≒ 14.491, √31391/12 ≒ 14.765,
8√41/3 ≒ 17.075,√42479/12 ≒ 17.175
の10通りになります。(→ 探索結果の 61,62,64,65,67,69,70,72,74,76,78番です。)
4,5,6,7,8,9==>√2711/3
上記同様で、辺の長さが4,5,6,7,8,9である四面体は19通りあり、体積は、
√311/12 ≒ 1.470, √12311/12 ≒ 9.246, 5√815/12 ≒ 11.895,√23231/12 ≒ 12.701,
√33311/12 ≒ 15.209, √33431/12 ≒ 15.237,√35339/12 ≒ 15.666, √36959/12 ≒
16.021,
√2711/3 ≒ 17.356,√2879/3 ≒ 17.885, 3√39 ≒ 18.735, √5759/4 ≒ 18.972,
√53759/12 ≒ 19.322, 3√699/4 ≒ 19.829, 7√131/4 ≒ 20.030,5√2735/12 ≒ 21.791,
5√2999/12 ≒ 22.818, √76331/12 ≒ 23.023,√76991/12 ≒ 23.123
の19通りです。(→ 探索結果の 79番〜97番です。)
「97通りがこれから組合わせて構成できるものなのか」は、無理だと思います。
<体積が整数になるものの異なる辺の組合せ>
辺の長さが2〜9のうちの異なる6個の整数で体積も整数になるのは、四面体ABCDで、
AB=2、AC=5、AD=7、CD=4、DB=8、BC=6
の形(体積=6)だけでした。
あらためてプログラムを作って調査したところ、97通りで間違いありませんでした。全通りの
調査は以下のようにしました。
四面体ABCDにおいて、△ABCと△CDAの2面の展開図を考えます。四角形ABCDでACが
結ばれた図です。
ここで、AC=a,AB=b,BC=c,CD=d,DA=eとします。(a,b,c,d,eは辺または辺の長さを表します。)
aを6辺のうちの最短辺(2,3,4のいずれか)とし、bをb,c,d,eのうちの最短辺とします。そして、
c-b<a, |d-e|<a となるすべての組合せについて調査します。
a,b,c,d,eが決まれば、この2面を180°に開いた時のBDの距離が、
√{b^2+e^2-{(a^2+b^2-c^2)(a^2+e^2-d^2)
-√{(4a^2b^2-(a^2+b^2-c^2)^2)(4a^2e^2-(a^2+e^2-d^2)^2)}}/(2a^2)}
0°に閉じた時のBDの距離が、
√{b^2+e^2-{(a^2+b^2-c^2)(a^2+e^2-d^2)
+√{(4a^2b^2-(a^2+b^2-c^2)^2)(4a^2e^2-(a^2+e^2-d^2)^2)}}/(2a^2)}
と計算できて、残りの辺 BD=f の長さがこの二つの値の間であれば四面体が存在します。
これで全探索した97通りが、探索結果の通りです。
体積が最も小さいのは87番で約1.4696、最も大きいのは79番で約23.1227です。両方とも、
辺の長さ4,5,6,7,8,9で構成される四面体です。
体積が整数になる四面体は26番(体積6)だけなのは上に書いた通りです。最長辺が最も
短いのは辺の長さ2,3,4,5,6,7で構成される四面体で、4通り(一覧の1,3,6,16番)あります。こ
の4通りが(今回の条件と関係なく)「辺の長さが自然数で、最長辺が最も短い四面体」とな
ります。
GAI さんからのコメントです。(平成27年2月28日付け)
そうですよね。辺をどこで使うかによって形状は変わることになりますね。そこで自分のや
り方で、{3,5,6,7,8,9]の全ての順列にして、このそれぞれの体積を求め、実数の値を返した物
を集めてみました。
そして、その集計をしたら
体積 集計結果
(5*Sqrt[239])/12----->24個
Sqrt[42479]/12------>24
Sqrt[30239]/12------>24
(8*Sqrt[41])/3------->48
Sqrt[3959]/12------->24
Sqrt[22679]/12------>24
Sqrt[11231]/12------>24
(7*Sqrt[479])/12----->24
Sqrt[20591]/12------>24
Sqrt[31391]/12------>24
と10通り((8*Sqrt[41])/3のパターンだけ2倍存在)の異なる体積値が起こりました。私だっ
たらここで10種類とやってしまう。
また、多分{4,5,6,7,8,9}の全ての順列から実数体積を返すものを集計すると上記の結果が
でてくると思います。自分のやり方ではここまでが限界です。
また、たとえ他の組合せに気づいたとしても、それぞれのあらゆる順列で点検しなくてはな
らないので、全てのパターンを手に入れるまでには気の遠くなる作業になってしまいます。
手計算で、すでに97種類だと予想されていたのには驚きました。
体積が整数になるものの異なる辺の組合せについて、私なりの方法で探していたら、多く
のルートの付く体積の中に砂の中の砂金の様にポット整数になる物がいることに感動して探
し回っていました。ちょっとどこにその辺を使った場合かは今はわかりませんが一応
{8,10,12,16,17,19}---->21
{6,14,16,17,19,28}---->36
[4,10,11,12,14,16}---->42
{7,16,20,21,24,30}---->99
{8,9,10,11,12,16}----->105
{9,14,21,22,24,28}---->189
{9,18,20,24,25,29}---->330
{8,19,23,25,27,32}---->336
{9,19,24,25,27,37}---->420
{8,19,20,22,23,35}---->432
などで起こると思います。当然、上記の最小の組合わせには気づきませんでした。また、
{8,17,21,24,26,28} 、{8,18,20,23,27,28} 、{9,15,23,24,25,27}
の組合せでは平面にピタリと張り付き(体積=0)立体が構成できないものも面白いです。
これはたまたま、Cayley Menger Determinant という公式(n次元へ拡張可能)と出会って、
ー辺の長さだけの条件で体積や面積(ヘロンの公式も導き出せる)が出せるんだという感激
を元に考えてみたテーマでした。詳しく説明して頂きありがとうございました。
らすかるさんからのコメントです。(平成27年2月28日付け)
最短辺9以下、最長辺40以下の四面体は全部で2104804個ありますが、そのうち体積が整
数になるものは669個でした。
体積が6になるものは、(2,5,6,8,7,4)の他に(2,7,8,20,19,24)
体積が12になるものは、(2,5,6,14,13,16)、(8,11,15,31,35,29)
体積が18になるものは、(4,5,7,16,14,18)、(4,5,7,28,26,30)、(6,14,17,21,24,20)、(8,12,14,16,21,15)
以下、全部書くと多すぎますので体積だけ書くと、
6,12,18,21,24,30,36,42,48,54,60,63,69,72,75,78,84,90,93,96,99,105,108,120,126,132,135,144,147,
150,156,162,165,168,174,180,186,189,192,198,204,207,210,216,228,231,234,240,246,252,258,
264,270,273,279,288,294,300,306,315,324,330,336,342,348,360,378,384,390,396,399,405,408,
414,420,432,441,456,462,468,480,483,504,525,528,540,546,552,561,567,576,594,600,603,621,
624,630,648,672,693,696,720,726,735,756,765,840,864,924,945,960,1008,1056,1200,1296
体積は必ず3の倍数ですね。
また、{8,17,21,24,26,28}の入れ替えで四面体が構成されるものは10通り
{8,18,20,23,27,28}の入れ替えで四面体が構成されるものは11通り
{9,15,23,24,25,27}の入れ替えで四面体が構成されるものは10通り
GAI さんからのコメントです。(平成27年2月28日付け)
体積が3の倍数になるって面白いですね。