平行四辺形(2)                            戻る

 下図のように同じ大きさの立方体が8個積まれていて、5頂点 O、A、B、C、D を考える。

     

 これらの頂点を結ぶ4本の直線 OA、OB、OC、OD の上に1点ずつ 4点を上手くとると、

平行四辺形が作れるという。 どのように4点を選んだらいいのだろうか? 























(答) 線分OA、OC、ODの中点をそれぞれ A’、C’、D’ とすると、四角形 A’BC’D’ が
   求める平行四辺形となる。
            

 中点連結の定理を意識すれば、それほどの困難さもなく平行四辺形を見つけることはで
きるだろう。

 上記の問題では5点を指定しているが、もっと一般的に次の事実が成り立つ。

 空間の1点 O を通る4直線で、どの3直線も同一平面上にはないものとする。

このとき、4直線の何れにも点 O 以外の点で交わる平面で、4つの交点が平行四辺

形の頂点になるものが存在する。


 この事実を証明する問題が、平成20年度入試 京都大学 理系(理・乙)で出題された。

 ベクトルを用いて、上記の問題は次のように機械的に解かれる。

     OA=( 1 , 0 , 0 )     、  OB=( 1 , −1 , 0 ) 、

     OC
=( 0 , −1 , −1 )  、  OD=( −1 , 1 , −1 )

 とおくと、 OA=2OBOCOD が成り立つので、

     OA=2OA’  、  OC=2OC’  、  OD=2OD’

となるように、点A’、C’、D’ を定めると、  2OA’=2OB−2OC’+2OD’ から

 D’A’C’B が成り立ち、四角形 A’BC’D’ は平行四辺形となる。


 京都大学の入試問題も、1次独立な3つのベクトルで、残りのベクトルが線形結合で表さ
れることから同様に示される。解答は読者にまかせよう。