数え上げ
当HPがいつもお世話になっているHN「攻略法」さんからの出題です。
(平成24年10月22日付け)
問題 a が2個、m が1個、z が1個、合計4個の文字があるとき、これら全部を一列に
並べてできる順列を列挙してください。
(答) (2+1+1)!/(2!1!1!)=12(通り)で、実際の並びは、
1 : a a m z
2 : a a z m
3 : a m a z
4 : a m z a
5 : a z a m
6 : a z m a
7 : m a a z
8 : m a z a
9 : m z a a
10 : z a a m
11 : z a m a
12 : z m a a
(終り)
攻略法さんからの続編です。(平成24年10月29日付け)
問題 文字列acomの部分文字列をすべて列挙してください。
(答) 空文字列、a、ac、aco、acom、c、co、com、o、om、m (終り)
これは、「2つに分割して、前側を採用する」。
acom → a.com、ac.om、aco.m、acom.
com → c.om、co.m、com.
om → o.m、om.
m → m.
と
空文字列
と考えればよい。
類題 長さnの文字列C1C2…Cnの中に、部分文字列は全部で幾つあるかを表す式を求
めよ。
ここで、空文字列(長さ0の文字列)とC1C2…Cn自身も部分文字列とみなす。
例えば、長さ3の文字列C1C2C3の中に、部分文字列は、
C1、C2、C3、C1C2、C2C3、C1C2C3 及び 空文字列
の7個がある。
(答) 長さnの文字列の中に長さ0の文字列(空文字列)の数は、1個
長さnの文字列の中に長さ1の文字列の数は、n個
長さnの文字列の中に長さ2の文字列の数は、n-1個
長さnの文字列の中に長さ3の文字列の数は、n-2個
・・・・・・・・・・
長さnの文字列の中に長さn-1の文字列の数は、2個
長さnの文字列の中に長さnの文字列の数は、1個
したがって、部分文字列の個数は、
1+n+(n-1)+(n-2)+ … +2+1=1+{n+(n-1)+(n-2)+ … +2+1}=1+n(n+1)/2
となる。(終り)
らすかるさんからのコメントです。(平成24年10月29日付け)
空文字列以外は、C1〜Cnから重複を許して2個選び、それを始点・終点とすればよいので
求める場合の数は、 1+nH2=1+n(n+1)/2 (個)
攻略法さんからの続編です。(平成24年10月31日付け)
問題 D、E、I、O、V の5個の異なったものを並べる順列を考え、それらを辞書式に並べ
る。このとき、109番目の文字列は何であろうか。また、文字列IODEVは何番目であ
ろうか。(ヒント:よく耳にする英単語です。)
(答) 5!=120通りの並びを列挙すると、
1:DEIOV 2:DEIVO 3:DEOIV 4:DEOVI 5:DEVIO 6:DEVOI 7:DIEOV 8:DIEVO 9:DIOEV 10:DIOVE
11:DIVEO 12:DIVOE 13:DOEIV 14:DOEVI 15:DOIEV 16:DOIVE 17:DOVEI 18:DOVIE 19:DVEIO 20:DVEOI
21:DVIEO 22:DVIOE 23:DVOEI 24:DVOIE 25:EDIOV 26:EDIVO 27:EDOIV 28:EDOVI 29:EDVIO 30:EDVOI
31:EIDOV 32:EIDVO 33:EIODV 34:EIOVD 35:EIVDO 36:EIVOD 37:EODIV 38:EODVI 39:EOIDV 40:EOIVD
41:EOVDI 42:EOVID 43:EVDIO 44:EVDOI 45:EVIDO 46:EVIOD 47:EVODI 48:EVOID 49:IDEOV 50:IDEVO
51:IDOEV 52:IDOVE 53:IDVEO 54:IDVOE 55:IEDOV 56:IEDVO 57:IEODV 58:IEOVD 59:IEVDO 60:IEVOD
61:IODEV 62:IODVE 63:IOEDV 64:IOEVD 65:IOVDE 66:IOVED 67:IVDEO 68:IVDOE 69:IVEDO 70:IVEOD
71:IVODE 72:IVOED 73:ODEIV 74:ODEVI 75:ODIEV 76:ODIVE 77:ODVEI 78:ODVIE 79:OEDIV 80:OEDVI
81:OEIDV 82:OEIVD 83:OEVDI 84:OEVID 85:OIDEV 86:OIDVE 87:OIEDV 88:OIEVD 89:OIVDE 90:OIVED
91:OVDEI 92:OVDIE 93:OVEDI 94:OVEID 95:OVIDE 96:OVIED 97:VDEIO 98:VDEOI 99:VDIEO
100:VDIOE
101:VDOEI 102:VDOIE 103:VEDIO 104:VEDOI 105:VEIDO 106:VEIOD
107:VEODI 108:VEOID 109:VIDEO
110:VIDOE 111:VIEDO 112:VIEOD 113:VIODE 114:VIOED 115:VODEI 116:VODIE 117:VOEDI 118:VOEID
119:VOIDE 120:VOIED (終り)
(コメント) 多少手計算の部分を加味した。
D**** 、E**** 、I**** 、O**** は、それぞれ 4!=24 (通り)ずつあるので、
あわせて 24×4=96 (通り)
したがって、109番目の文字列は、V**** のタイプである。
ところで、 VD*** 、VE*** は、それぞれ 3!=6 (通り)ずつあるので、
あわせて 6×2=12 (通り) ここまでで、96+12=108 (通り)
よって、109番目の文字列は、VI*** のうち、D、E、O を用いた最初の並びである。
従って、109番目の文字列は、VIDEO となる。
また、文字列IODEVについては、D**** 、E**** は、それぞれ 4!=24 (通り)ずつ
あるので、あわせて 24×2=48 (通り)
さらに、ID*** 、IE*** は、それぞれ 3!=6 (通り)ずつあるので、あわせて
6×2=12 (通り)
よって、文字列IODEVは、 48+12+1=61番目 となる。
数え上げについて、GAI さんからの出題です。(平成24年11月1日付け)
問題 A、A、E、E、I、I、L、L、M、N、O、P、S、S、T、V の同じものを含む16個のものを並
べる順列を考え、それらを辞書式に並べる。このとき、466458479240番目の文字列
は何であろうか。
(ヒント) よく耳にする英単語です。
空舟さんからのコメントです。(平成24年11月1日付け)
私が計算機を使いつつ考察すると、答は、plasmatelevision となりました。
らすかるさんからのコメントです。(平成24年11月1日付け)
A***************: 15!/16個
E***************: 15!/16個
I***************: 15!/16個
L***************: 15!/16個
M***************: 15!/32個
N***************: 15!/32個
O***************: 15!/32個
PA**************: 14!/16個
PE**************: 14!/16個
PI**************: 14!/16個
PLAA************: 12!/8個
PLAE************: 12!/4個
PLAI************: 12!/4個
PLAL************: 12!/8個
PLAM************: 12!/8個
PLAN************: 12!/8個
PLAO************: 12!/8個
PLASA***********: 11!/4個
PLASE***********: 11!/2個
PLASI***********: 11!/2個
PLASL***********: 11!/4個
PLASMAE*********: 9!/2個
PLASMAI*********: 9!/2個
PLASMAL*********: 9!/4個
PLASMAN*********: 9!/4個
PLASMAO*********: 9!/4個
PLASMAS*********: 9!/4個
PLASMATEE*******: 7!/2個
PLASMATEI*******: 7!個
PLASMATELEI*****: 5!個
PLASMATELEN*****: 5!/2個
PLASMATELEO*****: 5!/2個
PLASMATELES*****: 5!/2個
PLASMATELEVII***: 3!個
PLASMATELEVIN***: 3!個
PLASMATELEVIO***: 3!個
PLASMATELEVISINO: 1個
PLASMATELEVISION: 1個 計 466458479240個
よって、466458479240番目は、PLASMATELEVISIONですね。
GAI さんからの再出題です。(平成24年11月2日付け)
問題 a、a、e、e、i、i、l、l、m、n、o、p、s、s、t、v の16枚のカードを何枚でもよいから並
べ異なる単語を作るとする。さて何種類の単語を構成することが可能か?
(単に異なる順列がいくつできるかと考えて下さい。)
らすかるさんからのコメントです。(平成24年11月2日付け)
Σn=1〜16Σp=max(n-11,0)〜min(floor(n/2),5) 5Cp・11-pCn-2p・n!/2p=1814751099426(種類)
GAI さんからのコメントです。(平成24年11月2日付け)
ご明算です。イヤーすばらしい!!! 一つの式にされたのには驚きました。この式を追いかけ
てみると、単語の長さ別に作られる個数が
単語の長さ:1・・・11個
単語の長さ:2・・・115
単語の長さ:3・・・1140
単語の長さ:4・・・10680
単語の長さ:5・・・94140
単語の長さ:6・・・776340
単語の長さ:7・・・5947200
単語の長さ:8・・・41945400
単語の長さ:9・・・269325000
単語の長さ:10・・1551652200
単語の長さ:11・・7868599200
単語の長さ:12・・34203708000
単語の長さ:13・・122594472000
単語の長さ:14・・340540200000
単語の長さ:15・・653837184000
単語の長さ:16・・653837184000
の内分けが見えてきました。
攻略法さんからの続編です。(平成24年11月2日付け)
問題 g、i、r、l の4文字を使って、長さ 0、1、2、3、4 の文字列をつくる。何通りあるか。
例 g、i、gr、rg、gir、gri、rgi、 ...など。
(答) 長さ0は、空文字の1通り
長さ1は、g、i、r、lと選んで、1+1+1+1=4通り
長さ2は、gi、gr、gl、ir、il、rlと選び、その並べ方を考慮して、2!+2!+2!+2!+2!+2!=12通り
長さ3は、gir、gil、grl、irlと選んで、3!+3!+3!+3!=24通り
長さ4は、girlと選んで、4!=24通り
よって、1+4+12+24+24=65通り (終り)
(別解) (1+x)nのxkの係数に着目して、二項展開から、Σk=0〜n nCk・k!
n=4として、1・0!+4・1!+6・2!+4・3!+1・4!=65通り (終り)
らすかるさんからのコメントです。(平成24年11月2日付け)
長さkのとき、4文字からk文字とって並べる順列なので、Σk=0〜4 4Pk=65
一般の文字数nで、
Σk=0〜n nPk=Σk=0〜n n!/(n-k)!=Σk=0〜n n!/k!=n!Σk=0〜n 1/k!=[e*n!]
攻略法さんからの続報です。(平成24年11月3日付け)
(別解) 長さ0は、空文字列の1通り
次に、4文字を1列に並べる順列から、それぞれの部分文字列を考える。
長さ1、2、3、4は、
1: gilr → g,gi,gil
2: girl → gir
3: glir → gl,gli
4:
glri → glr
5: gril → gr,gri
6: grli → grl
7: iglr →
i,ig,igl
8: igrl → igr
9: ilgr → il,ilg
10:
ilrg → ilr
11: irgl → ir,irg
12: irlg → irl
13: lgir →
l,lg,lgi
14: lgri → lgr
15: ligr → li,lig
16:
lirg → lir
17: lrgi → lr,lri
18: lrig → lrg
19: rgil →
r,rg,rgi
20: rgli → rgl
21: rigl → ri,rig
22:
rilg → ril
23: rlgi → rl,rlg
24:
rlig → rli
よって、1+4+12+24+24=65通り (終り)
(別解) 順列 F(g,i,r,l)=(g+i+r+l)! として、
Σg=0〜1Σi=0〜1Σr=0〜1Σl=0〜1F(g,i,r,l)=65(通り)
(g、i、r、lの値は、2*2*2*2=16通り(=1+4+6+4+1)を計算する) (終り)
類題 a、a、m、zの4文字を使って、長さ0,1,2,3,4の文字列をつくる。何通りあるか。
(答) 長さ0は、空文字列の1通り
長さ1、a、m、zと選んで、1+1+1=3通り
長さ2、aa、am、az、mzと選んで、1+2!+2!+2!=7通り
長さ3、aam、aaz、amzと選んで、3!/(2!1!)+3!/(2!1!)+3!=3+3+6=12通り
長さ4、aamzと選んで、4!/(2!1!1!)=12通り
よって、1+3+7+12+12=35通り (終り)
(別解) 長さ0は、空文字列の1通り
長さ1,2,3,4は、
1 : aamz → a,aa,aam
2 : aazm → aaz
3 : amaz → am,ama
4 :
amza → amz
5 : azam → az,aza
6 : azma → azm
7 :
maaz → m,ma,maa
8 : maza → maz
9 : mzaa → mz,mza
10 :
zaam → z,za,zaa
11 : zama → zam
12 : zmaa →
zm,zma
よって、1+3+7+12+12=35通り (終り)
(別解) 同じものを含む順列 F(a,m,z)=(a+m+z)!/(a!m!z!) として、
Σa=0〜2Σm=0〜1Σz=0〜1F(a,m,z)=35通り
(a,m,zの値は、3*2*2=12通りを計算する) (終り)
攻略法さんからの続報です。(平成24年11月7日付け)
I like” ピラミッド算”
1 2 3 4 3 5 7 8 12 20 |
左図のように、n個の数を1列に並べて、隣り合う数の和を下の段に記入して いく。最初の数の順番を入れ替えることによって、1番下の数が変わる。 |
マジック編 3個の数1,2,3として、1番下の数8を当てる。
1 2 3 3 5 8 |
(考察) n-a n n+a 2n-a 2n+a 4n (終り) |
バトル編 4個の数の場合、1から4までの数とする。
2 1 4 3 3 5 7 8 12 20 |
対 | 1 4 2 3 5 6 5 11 11 22 |
の場合、1423の勝ち |
(考察) 高校生のお兄さん、お姉さんに聞いてみよう。最大値、最小値が解るかも!?おねえ
さんなら、4!通りを検証してみるね♪ (終り)
攻略法さんからの続報です。(平成24年11月8日付け)
いくつか特別の並びについて、高校生のお兄さん、お姉さんに聞いてみた。
等差数列 初項a、公差d、項数nの数列を考える。具体的に見てみると、
a a+d a+2d a+3d a+4d
2a+d 2a+3d 2a+5d 2a+7d
4a+4d 4a+8d 4a+12d
8a+12d 8a+20d
16a+32d
となる。1番下の数は、16a+32d=8{a+(a+4d)} と初項と末項を使って表すことができる。
また、項数nにおける1番下の数は、上記の三角形の1列目に現れる。
すなわち、 n=1なら、a=a n=2なら、2a+d=1{a+(a+d)}
n=3なら、4a+4d=2{a+(a+2d)} n=4なら、8a+12d=4{a+(a+3d)}
である。一般的に、初項a、公差d、項数nの数列を考えると、並びは、
a a+d a+2d a+3d … a+(n-2)d a+(n-1)d
となる。1番下の数は、初項と末項を使って、(a+{a+(n-1)d})・2n-2 と表せる。
すなわち、並びを、 a[1] a[2] a[3] a[4] … a[n-1] a[n] と表現すれば、1番下の数は
(a[1]+a[n])・2n-2
となる。nが奇数の場合、真ん中の数a[(n+1)/2]は、{a+(a+(n-1)d)}/2=a+d(n-1)/2 なので、
{a+d(n-1)/2}・2n-1=a[(n+1)/2]・2n-1
等比数列 初項a、公比r、項数nの数列を考える。具体的に見てみると、
a ar ar^2 ar^3 ar^4 ar^5
a(1+r) ar(1+r) ar^2(1+r) ar^3(1+r) ar^4(1+r)
a(1+r)^2 ar(1+r)^2 ar^2(1+r)^2 ar^3(1+r)^2
a(1+r)^3 ar(1+r)^3 ar^2(1+r)^3
a(1+r)^4 ar(1+r)^4
a(1+r)^5
となる。また、項数nにおける1番下の数は、上記の三角形の1列目に現れる。
すなわち、 n=1なら、a n=2なら、a(1+r) n=3なら、a(1+r)^2
n=4なら、a(1+r)^3 n=5なら、a(1+r)^4
である。一般的に、初項a、公比r、項数nの数列を考えと、並びは、
a ar ar^2 ar^3 … ar^(n-2) ar^(n-1)
となる。1番下の数は、a(1+r)^(n-1) と表せる。
フィボナッチ数列
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,… の場合、項数nなら、F[2n-1]
攻略法さんからの続報です。(平成24年11月14日付け)
4つの数が、「1、2、3、4」 なら、
1 3 4 2
4 7 6
11 13
24
が最大値となる。他に、「1432」、「2341」、「2431」がある。
3 1 2 4
4 3 6
7 9
16
が最小値となる。他に、「3214」、「4123」、「4213」 がある。
4つの数を「L、I、K、E」とすると、
L I K ∈
L+I I+K K+E
L+2I+K I+2K+E
L+3I+3K+E
なので、最大(最小)にするには係数が大きいところに大きな数(小さな数)を入れればよい。
(閑話休題)
格子状の経路の道順を考える。
L I K ∈
\/\/\/
\/\/
\/
T
(1) 地点Lから地点Tへの最短経路は何通り?
(2) 地点Iから地点Tへの最短経路は何通り?
(3) 地点Kから地点Tへの最短経路は何通り?
(4) 地点Eから地点Tへの最短経路は何通り?
答え それぞれ 1、3、3、1通り (終り)
L+3I+3K+E の係数の並びは上記の値と一致している。それはパスカルの三角形である。
1
1 1
1 2 1
1 3 3 1