2数の和                                   戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんからの出題です。
                                      (平成23年8月18日付け)

(1) 5個の数がある。そのうちの2個を取って和をつくると、10通りの和ができる。
   (10通りの中に同じものがある可能性はある)

  10通りの和が、次の通りであったとき、5個の数を求めよ。

    7、10、11、11、12、14、15、15、18、19

(2) 4個の数がある。そのうちの2個を取って和をつくると、6通りの和ができる。
   (6通りの中に同じものがある可能性はある)

  6通りの和が、次の通りであったとき、4個の数を求めよ。

    5、7、8、10、11、13

(0) 3個の数がある。そのうちの2個を取って和をつくると、3通りの和ができる。
   (3通りの中に同じものがある可能性はある)

  3通りの和が、次の通りであったとき、3個の数を求めよ。

    a、b、c

 (1)(2)はパズルです。考えてみてください。(0)は(1)(2)との比較のためのもので、ご
く易しい数学です。





























(答え)(0)は3元1次連立方程式です。

  3数を、x 、y 、z とおくと、題意より、 x+y=a 、y+z=b 、z+x=c

 これより、 x=(a−b+c)/2 、y=(a+b−c)/2 、z=(−a+b+c)/2

(2) 4個の数を、x 、y 、z 、w とおくと、2数の和は

   x+y 、y+z 、z+w 、w+x 、x+z 、y+w

  3(x+y+z+w)=5+7+8+10+11+13=54 より、 x+y+z+w=18

  このとき、

(イ) x+y=5 、z+w=13 、y+z=8 、w+x=10 、x+z=11 、y+w=7

(ロ) x+y=5 、z+w=13 、y+z=8 、w+x=10 、x+z=7 、y+w=11

(ハ) x+y=5 、z+w=13 、y+z=10 、w+x=8 、x+z=11 、y+w=7

(ニ) x+y=5 、z+w=13 、y+z=10 、w+x=8 、x+z=7 、y+w=11

(ホ) x+y=13 、z+w=5 、y+z=8 、w+x=10 、x+z=11 、y+w=7

(ヘ) x+y=13 、z+w=5 、y+z=8 、w+x=10 、x+z=7 、y+w=11

(ト) x+y=13 、z+w=5 、y+z=10 、w+x=8 、x+z=11 、y+w=7

(チ) x+y=13 、z+w=5 、y+z=10 、w+x=8 、x+z=7 、y+w=11

 (イ)について、 w=13−z=10−x=7−y より、

   x−y=3 、x+y=5 を解いて、 x=4 、y=1 、z=7 、w=6

 (ロ)について、 w=13−z=10−x=11−y より、

   x−y=−1 、x+y=5 を解いて、 x=2 、y=3 、z=5 、w=8

 (ハ)について、 w=13−z=8−x=7−y より、

   x−y=1 、x+y=5 を解いて、 x=3 、y=2 、z=8 、w=5

 (ニ)について、 w=13−z=8−x=11−y より、

   x−y=−3 、x+y=5 を解いて、 x=1 、y=4 、z=6 、w=7

 (ホ)について、 w=5−z=10−x=7−y より、

   x−y=3 、x+y=13 を解いて、 x=8 、y=5 、z=3 、w=2

 (ヘ)について、 w=5−z=10−x=11−y より、

   x−y=−1 、x+y=13 を解いて、 x=6 、y=7 、z=1 、w=4

 (ト)について、 w=5−z=8−x=7−y より、

   x−y=1 、x+y=13 を解いて、 x=7 、y=6 、z=4 、w=1

 (チ)について、 w=5−z=8−x=11−y より、

   x−y=−3 、x+y=13 を解いて、 x=5 、y=8 、z=2 、w=3

 以上から、求める4数は、次の2組存在する。

      (1,4,6,7) 、(2,3,5,8)

 多分、(1)も同様にできるのだろう。

 求める5数は、 (3,4,7,8,11) の1組のみ存在する。


 当HPがいつもお世話になっているHN「攻略法」さんが、(1)(2)の問題を考察された。
                                      (平成23年8月19日付け)

 (2)について、4個の数を x 、y 、z 、w とする。題意より

 x + y = 5 ←式1 、x + z = 7 ←式2 、x + w = 8 ←式3

 y + z = 10 ←式4 、y + w = 11 ←式5 、z + w = 13 ←式6

式1+式2+式3+式4+式5+式6 より、

 3(x + y + z + w) = 5 + 7 + 8 + 10 + 11 + 13 = 54  ∴ x + y + z + w = 18

式1+式2+式3より、2x + (x + y + z + w) = 5 + 7 + 8 = 20 なので、2x + 18 = 20 より、x = 1

これを、式1、式2、式3に戻して、y = 4、z = 6、w = 7

これらは、式4、式5、式6 を満たすので解となる。

 ここで、x≦y≦z≦w とすると、各式の右辺(和)は、式1≦式2≦式3、式4≦式5 となる。

また、w を基準に考えると、式3≦式5≦式6 となるので、式3は、

  最小値、2番目に小さい、2番目に大きい、最大値

を除いたものを考えればよい。これにより、式3は、8、10 が候補となる。

式3が 8 の場合は検証済みなので、式3が 10 の場合を検証すればよい。すなわち、

 x + y = 5 ←式1 、x + z = 7 ←式2 、x + w = 10 ←式3

 y + z = 8 ←式4 、y + w = 11 ←式5 、z + w = 13 ←式6

式1+式2+式3+式4+式5+式6 より、

 3(x + y + z + w) = 5 + 7 + 8 + 10 + 11 + 13 = 54  ∴ x + y + z + w = 18

式1+式2+式3より、2x + (x + y + z + w) = 5 + 7 + 10 = 22 なので、2x + 18 = 22 より、x = 2

これを、式1、式2、式3に戻して、y = 3、z = 5、w = 8

これらは、式4、式5、式6 を満たすので解となる。

 (1)について、5個の数を x 、y 、z 、w、u とする。題意より

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 11 ←式3 、x + u = 14 ←式4

  y + z = 11 ←式5 、 y + w = 12 ←式6 、 y + u = 15 ←式7

  z + w = 15 ←式8 、z + u = 18 ←式9 、 w + u = 19 ←式10

式1+式2+式3+式4+式5+式6+式7+式8+式9+式10 より、

 4(x + y + z + w + u) = 7 + 10 + 11 + 14 + 11 + 12 + 15 + 15 + 18 + 19 = 132

 よって、 x + y + z + w + u = 33

式1+式2+式3+式4 より、 3x + (x + y + z + w + u) = 7 + 10 + 11 + 14 = 42

この2式より、 3x + 33 = 42 なので、 x = 3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 4、z = 7、w = 8、u = 11

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たすので解となる。

※「これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たすので解となる。」としているが、「求
 めた x 、y 、z 、w、u から和を求めて、題意のものが生成されることを確認する」とすれ
 ば、式5〜式10の「和の並び」は気にしなくて良い。

 ここで、x≦y≦z≦w≦u とすると、各式の右辺(和)は、

   式1≦式2≦式3≦式4 、式5≦式6≦式7 、式8≦式9

となる。また、u を基準に考えると、式4≦式7≦式9≦式10 となるので、式3、式4は、

  最小値、2番目に小さい、3番目に大きい、2番目に大きい、最大値

を除いたものを考えればよい。

これにより、式3、式4は、11、11、12、14、15の中から2つを選んだものになる。

 並び (式1,式2,式3,式4) は、

  (7,10,11,11) 、(7,10,11,12) 、(7,10,11,14) 、(7,10,11,15)

  (7,10,12,14) 、(7,10,12,15) 、(7,10,14,15)

で検証すればよい。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,11,11) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 11 ←式3 、x + u = 11 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 11 + 11 = 39 なので、 x = 2

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 5、z = 8、w = 9、u = 9

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,11,12) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 11 ←式3 、x + u = 12 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 11 + 12 = 40 なので、 x = 7/3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 14/3、z = 23/3、w = 26/3、u = 29/3

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,11,15) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 11 ←式3 、x + u = 15 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 11 + 15 = 43 なので、 x = 10/3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 11/3、z = 20/3、w = 23/3、u = 35/3

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,12,14) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 12 ←式3 、x + u = 14 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 12 + 14 = 43 なので、 x = 10/3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 11/3、z = 20/3、w = 26/3、u = 32/3

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,12,15) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 12 ←式3 、x + u = 15 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 12 + 15 = 44 なので、 x = 11/3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 10/3、z = 19/3、w = 25/3、u = 34/3

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

(式1,式2,式3,式4)=(7,10,14,15) のとき、

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、x + w = 14 ←式3 、x + u = 15 ←式4

式1+式2+式3+式4 より、 3x + 33 = 7 + 10 + 14 + 15 = 46 なので、 x = 13/3

これを、式1、式2、式3、式4に戻して、 y = 8/3、z = 17/3、w = 29/3、u = 32/3

これらは、式5、式6、式7、式8、式9、式10 を満たさないので解でない。

以上から、求める解は、 (3,4,7,8,11) のみ。


 FNさんからのコメントです。(平成23年8月20日付け)

 正解です。

(1)は、下記の4式と10式すべての和から出ますね。

 x + y = 7  ←式1 、x + z = 10 ←式2 、z + u = 18 ←式9 、w + u = 19 ←式10

 もともと5個の数から作ったものなので、式は10個あっても自由度は5です。上記の4式

と、 x + y + z + w + u = 33 で確定します。もちろん解が残りの式を満たすことの確認は

必要ですが...。

(2)は、x + w と y + z の大小が確定しないことから解が2つでます。こちらの方が難しいか

なと思って、(2)にしました。

 そこで、新たな問題です。

(3) 6個の数がある。そのうちの2個を取って和をつくると、15通りの和ができる。
   (15通りの中に同じものがある可能性はある)

  15通りの和が、次の通りであったとき、6個の数を求めよ。

    15、17、20、21、22、25、25、26、27、28、30、31、32、35、36

 これは私は解けてません。もちろん、答えは知っています。自分で適当に6個の数を決め
て、2個ずつの和を書いたのですから。論理的に6個の数を復元することができてないとい
うことです。5個の場合と同様に、5個の式は出ます。もう1個ないといけません。それが何
なのかがわかりません。


 攻略法さんからの続報です。(平成23年8月21日付け)

(0)について、連立方程式 Ax=b より、 x=A-1b として求める。

 逆行列をもつ行列 A の候補について

個数が、3の場合 x≦y≦z とする。和を表すものは、32=3 通り

  x+y=S1 、x+z=S2 、y+z=S3

 上記の式の和から、 x+y+z=(ΣS)/(3−1) と、方程式が得られる。

係数を抜き出して行ベクトルで表すと、

   

 この4個の方程式から、3つを選んだ連立方程式を考える。連立方程式を解くために、逆
行列をもつ3行3列の行列が必要になる。

 実際に、その組み合わせは、43=4 通りの中で、

1,1,0  ←最小値
1,0,1  ←中央値
0,1,1  ←最大値
  1,1,0  ←最小値
1,0,1  ←中央値
1,1,1  ←和
  1,1,0  ←最小値
0,1,1  ←最大値
1,1,1  ←和
  1,0,1  ←中央値
0,1,1  ←最大値
1,1,1  ←和

が該当する。(括弧は省略、要素の分離にカンマを使う)

 同様に、個数が、4の場合

1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,1,1,0
  1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,1,0,1  ←2番目に大
  1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,0,1,1  ←最大値
  1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
 
1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
0,1,1,0
0,0,1,1  ←最大値
1,1,0,0  ←最小値
1,0,0,1
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
1,1,0,0  ←最小値
1,0,0,1
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
1,1,0,0  ←最小値
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
 
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,1,1,0
0,0,1,1  ←最大値
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
1,0,1,0  ←2番目に小
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
1,0,0,1
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
 
1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
1,1,1,1  ←和
1,1,0,0  ←最小値
1,0,1,0  ←2番目に小
0,1,1,0
1,1,1,1  ←和
1,1,0,0  ←最小値
1,0,0,1
0,1,0,1  ←2番目に大
1,1,1,1  ←和
1,1,0,0  ←最小値
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
1,1,1,1  ←和
 
1,0,1,0  ←2番目に小
1,0,0,1
0,0,1,1  ←最大値
1,1,1,1  ←和
1,0,1,0  ←2番目に小
0,1,1,0
0,0,1,1  ←最大値
1,1,1,1  ←和
1,0,0,1
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
1,1,1,1  ←和
0,1,1,0
0,1,0,1  ←2番目に大
0,0,1,1  ←最大値
1,1,1,1  ←和

 このように逆行列をもつ行列Aの候補はいくつかある。

 実際の問題の数値を適用して、「数」の個数 3、4、5、・・・を見通して選んだ一つの例

個数が、3の場合

 ←最小値
 ←2番目に小さい
 ← 和

個数が、4の場合

 ←最小値
 ←2番目に小さい
   8 または 10
 ←和

 これを解いて、他の式を満たすことを確認して、

    (x,y,z,w)=(1,4,6,7) 、(2,3,5,8)

個数が、5の場合

 ←最小値
 ←2番目に小さい
 ←2番目に大きい
 ←最大値
 ←和

 これを解いて、 (x,y,z,w,u)=(3,4,7,8,11)

個数が、6の場合

 ←最小値
 ←2番目に小さい
 20,21,22,25,26,27,28,30,31,32
 ←2番目に大きい
 ←最大値
 ←和

 これを解いて、 (x,y,z,w,u,v)=(5,10,12,15,16,20)


 FNさんからのコメントです。(平成23年8月21日付け)

 個数が、6の場合で、z は、3番目か4番目に大きいから、31か32しか可能性はないと
思います。そして、どちらからも解が出ますが、一方は適し、他方は適さないことをチェック
する必要があります。やむをえないのかもしれませんが...。

 もともとの問題は、次のようなものです。

n個の数からなる集合をAとする。Aから2個を取って作った和の全体をS(A)とする。
(S(A)は同じ数を含む可能性があるから集合とは言えない)

 A≠B かつ S(A)=S(B) となることがありうるか。


 n=2 のときはこれはいくらでもあります。

例えば、A={0,3} 、 B={1,2} とするとき、 S(A)=S(B)={3}

 n=4 のときも、(2)よりありえます。

 A={1,4,6,7} 、 B={2,3,5,8} とするとき、 S(A)=S(B)={5,7,8,10,11,13}

 n=3 のとき、ありえないことは(0)からわかります。

 n=5 のときありえないことは、(1)と同様に確認できます。

 n=6 のときありえないことも、(3)と同様なのでなんとかなりそうですが、(3)がすっきり解

けたとも言えないので、これを問題にします。

 n=8 のときは、n=2、4 と同じ状況になります。

(3A) n=6 のとき、A≠B かつ S(A)=S(B) はありえないことを証明せよ。

(4) n=8 のとき、A≠B かつ S(A)=S(B) をみたすA、Bを作れ。


 (3A)は私はできてません。(4)は、答は知っています。解はたくさんあります。
(なお、「n個の数」の数は整数、非負整数、自然数とかにしてもかまいません)

 (4)はともかく1個作ればいいので、数学というよりパズルに近いです。n=2、4 のときの
解を参考にしてつくればいいのですが、そのために、n=4のときの解をそれぞれから1引い
た形に変えておきます。

  A={0,3,5,6}、B={1,2,4,7} のとき、S(A)=S(B)={3,5,6,8,9,11}


 FNさんからの続報です。(平成23年8月28日付け)

(4) n=8 のとき、A≠B かつ S(A)=S(B) をみたすA、Bを作れ。

について、例えば、次が解になります。

  A={0,3,5,6,9,10,12,15} 、B={1,2,4,7,8,11,12,14}

 このとき、S(A)=S(B) を確認するのは面倒ですが、作り方からすれば容易にわかります。

 n=4 のときの A、B を元にして、次のように作りました。

  A={0,3,5,6}、B={1,2,4,7} に対して、

    A’=A∪(B+8)={0,3,5,6,9,10,12,15}

    B’=B∪(A+8)={1,2,4,7,8,11,12,14}

 このとき、

   Aから異なる2つを取った和とBから異なる2つを取った和は同じ

   B+8 から異なる2つを取った和と A+8 から異なる2つを取った和も同じ

   Aと B+8 から1個ずつ取った和とBと A+8 から1個ずつ取った和も同じ

 従って、A’とB’は条件を満たす。

 一般に、n個の場合のAとBからA’とB’を次のように作る。

  A’=A∪(B+m) 、B’=B∪(A+m)  (ただし、m は、A∪B の最大値より大きい数)

 但し書きは、A’やB’が集合になるようにしたもので、もっと弱くてもよい。

 このとき、A’とB’は、2nのときの解を与える。

 このことから、nが2の累乗のとき、A≠B かつ S(A)=S(B) をみたすA、Bが存在すること
がわかる。逆も成り立つらしいが、非常に難しいらしい。


 FNさんからの続報です。(平成23年8月31日付け)

(4) n=8 のとき、A≠B かつ S(A)=S(B) をみたすA、Bを作れ。

について、

  A={0,3,5,6,9,10,12,15} 、B={1,2,4,7,8,11,12,14}

以外にも解はいくらでもあります。しかし、上の解は、0 から 15 までの整数を2つの集合 A、
B にわけて、S(A)=S(B)が成り立つようにしたということで特別なものです。これを満たす A、
B は、(AとBをすべて入れ変えたものを除いて)1つしかありません。

 これは、次のように地道に調べていけば確認できます。

 0がAに入るとする。
 1がAに入ると、1+0=1がBで作れないから、1はB
 2がAに入ると、2+0=2がBで作れないから、2はB
 3がBに入ると、1+2=3がAで作れないから、3はA
 4がAに入ると、4+0=4がBで作れないから、4はB
 5がBに入ると、1+4=5がAで作れないから、5はA
 6がBに入ると、2+4=6がAで作れないから、6はA
 7がAに入ると、7+0=7がAで作れないから、7はB

この段階で、 A={0,3,5,6} 、B={1,2,4,7}

 8がAなら、Aで0+8=3+5=8、Bでは、1+7=8だけだから、8はB
 9がBなら、Bで1+8=2+7=9、Aでは、3+6=9だけだから、9はA
 10がBなら、Bで2+8=10、Aではなしだから、10はA
以下同様。

 これは、次の形に一般化できます。

自然数 k に対して、集合A、Bで次の条件を満たすものが一意的に存在する。

 (0) 0はAに属する
 (1) A∩B=φ
 (2) A∪B={0,1,2,・・・・,2k-1}
 (3) S(A)=S(B)  ただし、S(A)は、Aから異なる2つを取り出して作った和のすべて


 これを証明してください。存在は前に書いた要領でできます。あとは一意性です。

上のA、Bを2進法で書くと次のようになります。

    A={0,11,101,110,1001,1010,1100,1111}

    B={1,10,100,111,1000,1011,1101,1110}

即ち、Aは、2進法で書いたときに、1の個数が偶数であるものの全体であり、Bは、2進法で
書いたときに、1の個数が奇数であるものの全体です。

 一般の場合(0から2k-1までの場合)も成り立つことは作り方から直ぐわかります。もちろん
一意性が証明できたとしてですが...。



   以下、工事中