天国への階段
当HPがいつもお世話になっているHN「空舟」さんからの出題です。
(平成25年4月9日付け)
先日「天国への階段」というお酒を飲んでた時のこと、円錐型の容器に液体が入ってる時、
容器を傾けても水面の幅(楕円の短径)は一定になることに気づき、これはすごい!
私の証明もすでに用意していますが、まずはそれは書かずに、証明してみてくださいという
問題として投稿することにします。
(答) 当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんが考察されました。
(平成25年4月9日付け)
円錐の側面 az=√(x2+y2) を y=bで切って出来る曲線は az=√(x2+b2)で、この曲線と円
錐の側面を平面y=0に投影すると、曲線は az=√(x2+b2)、側面は az=|x| となる。
曲線上の点 (t,√(t2+b2)/a) における接線の式は、 z=(tx+b2)/{a√(t2+b2)} で、この接
線と az=|x| との2交点のx座標は、 x=t±√(t2+b2) なので、2点のx座標の差は 2√(t2+b2)
そして、その接線のz切片は b2/{a√(t2+b2)} だから、接線と az=|x|で囲まれる三角形の面
積は、{2√(t2+b2)}×{b2/{a√(t2+b2)}}÷2=b2/a となり、t によらず一定。
従って、底面の短径が一定となるように円錐を切ると、どこで切っても、長径×高さが一定
となるので、体積も一定になる。
空舟さんからのコメントです。(平成25年4月9日付け)
考察ありがとうございます。概要としては、だいたい考察された通りで、
・体積が(長軸を含む断面三角形の面積)×(短径)に比例する
・断面三角形の面積が一定になる時、短軸は双曲線を描く
・短径が一定になる時も、短軸は双曲線を描く
みたいなイメージだと思います。私が用意した証明を書いておきます。長軸の両端の位置を
変数にするとやりやすかった印象です。
xz空間の直線 kz=x をz軸周りに回転させた円錐で考える。すなわち、円錐の方程式は
(kz)2=x2+y2
である。楕円の長軸がxz平面に含まれるとする。
ベクトル(k,0,1)=A 、(-k,0,1)=B によって、長軸の両端の位置ベクトルを 2aA、2bB と
おく。このとき縦断面の面積は、abに比例する。
短軸は長軸の中点 M=aA+bB を貫く。点(x,0,z)を貫くy軸向きの直線と円錐の交点のy座
標は、y = ±√{(kz)2-x2} で得られる。M=aA+bB=((a-b)k, 0, a+b) を適用することで、短軸
の長さは√abに比例すると分かる。
楕円錘の面積は、カヴァリエリの原理により次のように計算できる。
楕円錘の面積=(底面=長径・短径・π)・(高さ=円錐の頂点と長軸の距離)・1/3
=(長径・長軸を底辺とみた断面三角形の高さ・1/2)・短径・2π/3
=(縦断面の面積)・短径・2π/3 (ab√(ab) に比例)
従って、楕円錘の面積が一定の時、abは一定である。よって、縦断面の面積も一定だし、
短軸の長さも一定である。(ついでに楕円の中心は双曲面を描くことも分かった!)