ヤコビ和
当HPがいつもお世話になっているHN「空舟」さんからの出題です。
(平成25年9月18日付け)
最近知ったことの紹介です。
pを3以上の自然数、qをpで割って1余る素数とする。1の原始p乗根をwとおくと、
wの適当な整数係数多項式によって、絶対値が√q となるような複素数を作ること
ができる。
問題 w=e2πi/5=cos(2π/5)+i・sin(2π/5) とおく。
このとき、複素数 z=1+2w−2w2 の絶対値を求めよ。
(答) S(H)さんからのコメントです。(平成25年9月19日付け)
√11 でいい(11)のかな?
(コメント) w5=1 より、 1+w+w2+w3+w4=0 に注意して、
|z|2=z・=(1+2w−2w2)(1+2w4−2w3)
=1+2w4−2w3+2w+4−4w4−2w2−4w+4
=9−2(w+w2+w3+w4)
=11
よって、 |z|=√11
空舟さんからのコメントです。(平成25年9月19日付け)
√11で正解です。q=11 は 5N+1型素数なのでそのように構成可能でした。
それでは、次の5N+1型素数 31 = q を採用すれば、w = e2πi/5 の整数係数多項式で、絶
対値が√31になるような複素数を作ることができるはずです。
ヤコビ和というものを利用すると、具体的に、そのような複素数構成できるらしいです。具
体的な計算は、以下のようにできます。それで構成できることの説明は私には難しかったで
す。
mod q における原始根rをとる。χ(a)を次のように定義する:
a≡0 (mod q) の時、χ(a)=0
そうでないとき、a≡rb (mod q) となるbを使って、χ(a) = e2πi・b/p と設定する (※)
ヤコビ和は、 Σχ(a)χ(1-a) [a∈mod q の剰余類] で定義されます。この絶対値が√q
になります。
(※) bは(q-1)大きくしたり小さくしたりできますが、qはpで割って1余る設定なので、bをpで割
った余りは一意的になり、χ(a) = e2πi・b/p はbの取り方によらず一意的に定まります。
S(H)さんからのコメントです。(平成25年9月20日付け)
(1++i・(-2√[5/8-
/8]+2√[5/8+
/8]))(1+
-i・(-2√[5/8-
/8]+2√[5/8+
/8]))
を計算すると _________。 (計算せずとも分かる慧眼の方、世界に数多おられるかも...)