定積分の計算                              戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんからの出題です。
                                      (平成25年1月14日付け)

 ∫[0〜π/2]{cosx/(a・cosx+b・sinx)}dx を求めよ。(a、bは正の実数)







































(答) S(H)さんが考察されました。(平成25年1月14日付け)

 原始函数の一つが、 F(x)=(b・log(a・cosx+b・sinx)+ax)/(a2+b2) と見出されるので、
答は、F(π/2)−F(0) 。


 GAI さんが考察されました。(平成25年1月14日付け)

 {aπ-2b・log(a)+2b・log(b)}/{2(a2+b2)}={aπ+2b・log(b/a)}/{2(a2+b2)}

 もし、「∫[0〜π/2]{sinx/(a・cosx+b・sinx)}dx を求めよ。(a、bは正の実数)」なら、

 {bπ+2a・log(a)-2a・log(b)}/{2(a2+b2)}={bπ+2a・log(a/b)}/{2(a2+b2)}


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月14日付け)

 正解ですが、どのように求めましたか?


 GAI さんからの続報です。(平成25年1月14日付け)

 t=tan(x/2)と置くと、 sinx=2t/(t2+1) 、cosx=(1-t2)/(t2+1)

 ここで、 dt=1/2*sec2(x/2)dx から、 dx=2dt/(1+t2)

 求める積分の不定積分をFとおくと、 F=∫(2t2-2)/{(t2+1)(at2-2bt-a)}dt

 ここで、 (2t2-2)/{(t2+1)(at2-2bt-a)} を部分分数へ分解すると仮定して

 恒等式 (2t2-2)/{(t2+1)(at2-2bt-a)}=(At+B)/(t2+1)+(Ct+D)/(at2-2bt-a) から、

  A=-2bt/(a2+b2) 、B=2a/(a2+b2) 、C=2ab/(a2+b2) D=-2b2/(a2+b2)

 ここで、I=1/(a2+b2)*∫(2a-2bt)/(t2+1)dt 、J=1/(a2+b2)*∫(2abt-2b2)/(at2-2bt-a)dt

と置くと、 I=2a/(a2+b2)*∫1/(t2+1)*dt-b/(a2+b2)*∫2t/(t2+1)*dt

       =2a/(a2+b2)*tan-1t-b/(a2+b2)*∫1/s*ds   (s=t2+1と置換)

       =2a/(a2+b2)*tan-1t-b/(a2+b2)*log(s)

J=∫2b(at-b)/p*{dp/(2(a2+b2)(at-b))}=b/(a2+b2)*∫1/p*dp    (p=at2-2bt-a と置換)

 =b/(a2+b2)*log(p)

 F=I+J=2a/(a2+b2)*tan-1t-b/(a2+b2)*log(s)+b/(a2+b2)*log(p)

 s=t2+1 、p=at2-2bt-a 、t=tan(x/2) ですべてxの変数へ置き直していくと
(長くなるので少し省略します。)

  F(x)=(b・log(a・cosx+b・sinx)+ax)/(a2+b2)

これから、 F(π/2)-F(0)=[blog(b)+aπ/2]/(a2+b2)-[blog(a)]/(a2+b2)

                ={aπ+blog(b/a)}/{2(a2+b2)}


 らすかるさんからのコメントです。(平成25年1月14日付け)

 やはり、まともに解くと大変そうですね。私の解答は、

  I=∫[0〜π/2]cosx/(acosx+bsinx)dx 、J=∫[0〜π/2]sinx/(acosx+bsinx)dx

 とおけば、

  aI+bJ=∫[0〜π/2](acosx+bsinx)/(acosx+bsinx)dx=π/2

  bI-aJ=∫[0〜π/2](bcosx-asinx)/(acosx+bsinx)dx

     =[log|acosx+bsinx|][0〜π/2]=log(b/a)

 よって、 I={a(aI+bJ)+b(bI-aJ)}/(a2+b2)={(π/2)a+blog(b/a)}/(a2+b2)


 GAI さんからのコメントです。(平成25年1月14日付け)

 ワォ!!!あの長たらしい道のりは何だったのだろう。漫才や夫婦や阿吽などやはりコン
ビが大切なんだな〜。早速メモに収めておこう。


(コメント) らすかるさんの解答を見て、昔そんな風に解いたことを思い出しました!


 多分、S(H)さんからのコメントです。(平成25年1月15日付け)

 らすかるさんの問題提起を模倣し、「Cosh[x]/(a・Cosh[x] + b・Sinh[x])」の定積分を求めよ。
(下端、上端はお任せします)

(イ) 誰もが為す原始函数を求めて、「ただの引き算」の手法で解くと、大変そう...。

(ロ) Cosが在れば、Sin もと対にし、「見事に華麗に4行で解かれるた解答」に倣い...。

 双方の発想で、積分も色々。

  「∫[0〜π/2]{cosx/(acos(69*x)+bsin((1/6)*x))}dx を求めよ。」は問わないのと云う方在り。

世界の世間の常識は如何と、「Wolfram|Alpha」に依存する前に考え問うたところ、計算の如
く何とか正直に答えられ、想定の範囲内と云う方在り。受験場で、この手で正解を瞬時に為
し、残り時間の超大半を寝て、合格者が続々現われる時代到来。