賭け事
当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
(平成25年1月20日付け)
伸るか反るか(1)?
6個のサイコロを振るとき、現れる目の種類は1種のときもあれば、6種すべてが出るこ
ともある。胴元から、出た目の種類がちょうど4種であるときは、あなたの勝ちとし掛け金
の2倍を払い戻し、またそれ以外は負けとなり掛け金はすべて没収されるというルールを
提案された。
さて、あなたはひと勝負掛け金1万円で挑戦するか、尻込みするか?
伸るか反るか(2)?
1から6のうちのどれか一つの数字に賭ける。それから3つのサイコロを同時に振る。そ
のとき、賭けた数字の目が一つも出なかったら、賭けた掛金は取られてしまう。一つだけ
出れば、掛金は戻り、さらに掛金分の金額がもらえる。二つ出れば、上と同じで、さらに掛
金の2倍がもらえる。三つ出れば、掛金の3倍もらえる。
さて、あなたはひと勝負掛け金1万円で挑戦するか、尻込みするか?
(答) らすかるさんが考察されました。(平成25年1月20日付け)
(1) 出目がちょうど4種類になる確率は、
{6C3+(6C2・4C2)/2}・6P4/66=0.501543…
なので、挑戦します。
(2) 一つも出ない確率は、53/63なので掛け金が戻る期待値は、1-53/63
追加分の期待値は、一つあたりの期待値は1/6なので三つで、3/6=1/2
よって、全体の期待値は、 1-53/63+1/2=0.921296… なので、尻込みします。
(追記) 平成25年1月21日付け
上記の「伸るか反るか(1)?」と同趣旨の問題が平成25年度の大学入試センター試験
の数学T・Aの【順列・組合せ・確率】分野の第4問で出題された。
今年の問題は、非常に易しかった昨年度の反動からか、とても現役の受験生を翻弄する
にたる難しさとなった。そんな中で唯一易しいと思われる問題であったが、その解き方が大
いに参考になる。
(1) 1から4までの数字を、重複を許して並べてできる4桁の自然数は全部で何個あるか。
(答え:44=256個)
(2) 1から4までの数字を、重複なく並べてできる4桁の自然数は全部で何個あるか。
(答え:4!=24個)
(3) 1331のように、異なる二つの数字を2回ずつ使って並べてできる4桁の自然数の個
数を、次の考え方に従って求める。
(イ) 1から4までの数字から異なる二つを選ぶ選び方は何通りか。
(答え:4C2=6通り)
(ロ) (イ)で選んだ数字のうち小さい方を、一、十、百、千の位のうち、どの2箇所に置く
かを決める。その決め方は何通りか。
(答え:4C2=6通り)
(ハ) (イ)(ロ)より、求める個数は何個であるか。
(答え:6×6=36個)
(4)は省略
この入試センター試験での解法を用いて、らすかるさんが与えた式とは違う形で結論を導
いた。計算のポイントは、
(数字4種類の選び方)×(同じものを含む順列)×(同種類の数字のパターン)
(6C4・6!/3!・4C1+6C4・6!/2!2!・4C2)/66
=(7200+16200)/46656=325/648=0.501543209・・・
これは、らすかるさんの結果と一致する。
(追記) 平成25年3月3日付け
上記の「伸るか反るか(1)?」と同じ設定の問題が平成25年度の東京工業大学 前期
試験で出題された。
6個のさいころを同時に投げるとき、ちょうど4種類の目が出る確率を既約分数で表せ。
もちろん解答は、上記と同じで、
(6C4・6!/3!・4C1+6C4・6!/2!2!・4C2)/66=325/648
により求められる。これに対して、ある予備校の解答では、
(6C3・6・5P3+6C2・6C2・4C2・4P2)/66=325/648
となっていた。何か難しく考えているような...そんな雰囲気!
それにしても、今年のセンター試験といい、東工大の問題といい、大学の先生は、この手
の問題が好きなんですね。確かに、確率の問題としては、組合せの考えや同じものを含む
順列の考え、そして和の法則などが確かめられる手頃な良問とは言えますが...。