2つの内接正方形
当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
(平成27年4月15日付け)
Cを直角とする直角三角形ABCに内接する2つの正方形で、Cを一つの角とする正方形を
S、斜辺AB上に一辺をもつ正方形をTとする。
このとき、S、Tの面積が441、440なら、直角三角形のAC+CBの長さは?
(答え) りらひいさんが考察されました。(平成27年4月15日付け)
とりあえず、真面目に計算してみました。
a=BC、b=CA、c=AB とおく。正方形S、Tの一辺の長さをそれぞれ p、q とおく。また、
u=a+b、v=ab とおく。
Sを配置した時、三角形ABCと相似な三角形が2つできるので、 c = pc/b+pc/a = pcu/v
より、 v=pu
Tを配置した時、三角形ABCと相似な三角形が3つできるので、
c = qa/b+q+qb/a = q(u2/v-1) = q(u/p-1)
また、三平方の定理から、 c2 = a2+b2 = u2-2v = u2-2pu
よって、u2-2pu=c2 =q2(u/p-1)2=(q/p)2(u-p)2 より、(1-(q/p)2)(u-p)2=(u-p)2-(u2-2pu)=p2
なので、 (u-p)2=p4/(p2-q2) これを解いて、 u=p(1±p/√(p2-q2))
u>0 なので、 u=p(1+p/√(p2-q2))
条件より、 p2=441、q2=440 なので、p=21、p2-q2=1 を代入すると、 AC+CB=u=462
GAI さんからのコメントです。(平成27年4月15日付け)
とてもきれいな解答ですね。7文字設定は最初からやられました?私は、なるだけ少ない
変数で進んでいたので、途中4次方程式なるものが出現して(しかも係数がでかい。)、これ
を因数分解するのに骨が折れました。
らすかるさんからのコメントです。(平成27年4月15日付け)
三角関数を使えば比較的簡単に計算できますね。
∠ABC=θとして、sinθcosθ=t とおくことにします。正方形Sから、
AB=21(1/sinθ+1/cosθ)=21(sinθ+cosθ)/(sinθcosθ)なので、 AB2=441(1+2t)/t2
正方形Tから、AB=(√440)(1/tanθ+tanθ+1)=(√440){(1+sinθcosθ)/(sinθcosθ)}なので、
AB2=440(1+t)2/t2
よって、 441(1+2t)=440(1+t)2 より、 (20t-1)(22t+1)=0
0<θ<π/2 から t>0 なので、 t=1/20
従って、 AC+BC=AB(sinθ+cosθ)=21(sinθ+cosθ)2/(sinθcosθ)=21(1+2t)/t=462
りらひいさんからのコメントです。(平成27年4月15日付け)
最初は座標平面に載せていたんですが、計算が煩雑になりそうだったので方針転換しまし
た。せっかく対称性を意識した設問になっていたので、対称性を維持したまま解いていこうと
思い、a、bの対称式にして進めました。c、u、vと未知数が3つあって、式も3つ簡単に立てら
れたので、あとは解くだけと思ったら、そのうちの一つの式から勝手にcが消えたので、あと
は流れるままにって感じでした。
(コメント) りらひいさんの解答、らすかるさんの解答、ともに味があっていいですね!