楕円曲線と直線の交点                       戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                       (平成27年4月8日付け)

 楕円曲線 E:y2=x3+123456x-8496 上の点A(636,18324)、B(945,30993)の2点を結ぶ
直線Lが再びEと交わる点Cの座標は?

<経過説明もお願いします。>





































(答) らすかるさんが考察されました。(平成27年4月8日付け)

 2点を通る直線の傾きは、(30993-18324)/(945-636)=41 なので、

 直線L:y=41(x−636)+18324=41x-7752

 よって、(41x-7752)2=x3+123456x-8496 より、 x3ー1681x2+759120x-60102000=0

 点Cのx座標をαとおくと、 α+636+945=1681 より、 α=100

 また、点Cのy座標をβとおくと、 β=41×100-7752=-3652

 以上から、 C(100,-3652) である。


 GAI さんからのコメントです。(平成27年4月8日付け)

 何も知らない私は、Lの式を求め、Eと連立して出来た3次方程式は、(x-636)(x-945)で割り
切れる筈だとばかり、ひたすら割り算を(無茶苦茶ややこしい係数が出現)、やっとの思いで、
交点のxを手に入れていた。
(この問題の係数とは異なるがそれでも一時間近く計算していた。)

 解答を見た時、数行で処理してあるのに唖然とした。Lの方程式の傾きだけが解と係数で
の本質部分であり、y切片の値は全くいらない。(むしろじゃま)

 これに引っ掛かった私は復讐とばかり更に面倒な計算に引きずり込める楕円曲線の方程
式を求めて、探索を繰り返した。
(楕円曲線の場合なかなか格子点を3つ持つのが見つからず、範囲をいろいろ広げて探しま
わった。)

 遂に、出題の係数にたどり着いたのでした。

 ところが、上記の如く全てを見通したらすかるさんの何と2行にも満たない計算だけで本質
にたどり着けている!

 ついでに、寄り道で楕円曲線の性質についていろいろ読んでいたら不思議な曲線群のよう
ですね。たしかフェルマー大定理の証明にも楕円曲線の性質を駆使したとのこと。頭の中は
2次関数(放物線)から一歩も出ていないと実感しました。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年4月8日付け)

 2日前なら、「今日は4月6日なので・・・」なんて言いながらこんな問題も出せましたかね。

 y2=x3+374x+40 上の2点 (4,-40)、(6,50) を通る直線が再び同じ曲線と交わる点のx座
標は?

ついでに、もう1問、

 「楕円曲線の場合なかなか格子点を3つ持つのが見つからず、範囲をいろいろ広げて探し
まわった。」とありますが、この問題のための楕円曲線を用意するだけであれば実は簡単に
見つかります。簡単な数も複雑な数も(ある制約から外れない限り)自由自在。

 さて、私はどうやってこの「y2=x3+374x+40」を得たのでしょうか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年4月8日付け)

 「ある制約」とは、xの3解の和が平方数ということですかね。4+6+2015=2025=452 なので、
y2=(x-4)(x-6)(x-2015)+(45x-α)2 として、αは一次の項と定数項が小さくなるように適当に
定める。(この問題では220)ということでしょうか。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年4月8日付け)

 そういうことですね。展開は因数分解より容易い、というわけでこっち側から探せばGAIさん
もすぐに発見できたのではないかと思います。

 「計算が大変だと感じることは、本質を全く理解できていないことの証明である」というのが
私の持論です。私はこの掲示板でもしばしば手計算で答えを出すことにこだわっていますが、
計算機ソフトで一気に答えを出すとその解法が本質を捉えたのかどうかさっぱりわからない
のが困るんですよね。さすがに検算や電卓レベルの計算には計算ソフトも使いますけれど。


 S(H)さんからのコメントです。(平成27年4月9日付け)

 y2=x3+123456x-8496 、y=41(x−636)+18324 を「Wolfram|Alpha」に挿入の依存症。

 -60102000 + 759120 x - 1681 x2 + x3=(-945 + x) (-636 + x) (-100 + x) より、x=100