左図において、三角形は何個あるか? |
(答) 地道に数えると、 10+15+5+5=35(個)
(コメント) 計算式一発で求めることは可能だろうか?
らすかるさんからのコメントです。(令和元年7月7日付け)
正n角形の全対角線を引いて出来る三角形の個数は、「A006600」にありました。
3本以上の対角線が1点で交わらなければ、
nC3+nC4×4+nC5×5+nC6 (ただし、n<r のとき、nCr=0 とする)
で求められるようです。
nC3 は、正n角形の3頂点を選んで出来る三角形の個数
nC4×4 は、正n角形の2頂点と対角線の交点一つで出来る三角形の個数
(n頂点から4頂点A、B、C、Dを選んでACとBDの交点をOとすると、△OAB、△OBC、△OCD、
△ODAの4つの三角形が出来ます。)
nC5×5 は、正n角形の1頂点と対角線の交点二つで出来る三角形の個数
(n頂点から5頂点A、B、C、D、Eを選んでBDとCE、CEとDA、DAとEB、EBとAC、ACとBDの交
点を順にF、G、H、I、Jとすると、△AIH、△BJI、△CFJ、△DGF、△EHGの5つの三角形が出
来ます。)
nC6 は、正n角形の対角線の交点三つで出来る三角形の個数
(n頂点から6頂点A、B、C、D、E、Fを選ぶと、AD、BE、CFの3直線で三角形が出来ます。)
従って、正五角形の場合は、 5C3+5C4×4+5C5×5=35(個) となります。
正六角形ABCDEFの場合は、AD、BE、CFの3直線が1点で交わり、nC6で計算される三角
形が出来ませんので、
6C3+6C4×4+6C5×5=110(個) となります。
正方形では、 4C3+4C4×4=8(個)、正三角形では、3C3=1(個) です。
(コメント) 地道な計算を裏付ける計算式に感動しました!らすかるさんに感謝します。
GAI さんからのコメントです。(令和元年7月10日付け)
正n角形の全対角線を引いて出来る図形に対して、三角形の個数を探すのも面白いが、
「点の個数」、「線の個数」、「面の個数」も気になるテーマである。
実際作図して数を見てみると、n=6位までは何とか数えられそうで、
n=> 点の数: 線の数: 面の数
1=> 1: 0: 0
2=> 2: 1: 0
3=> 3: 3: 1
4=> 5: 8: 4
5=> 10: 20: 11
6=> 19: 42: 24
これ以上を、図形を作図することから数えることは困難を伴い、nが10を越えればもう絶望
的になる。
この先のそれぞれの数がどうなっていくかを知りたくて、「A006600」に貼られているリンク
先をいろいろ調べていたら、どうも次の様な手段と結果が出るようです。
3つの数列を作り出すのに共通の関数 del(m,n) として、
del(m,n)=if(Mod(n,m)==0,1,0) #nをmが割り切れば1にそれ以外なら0を返す関数
を定義しておく。すると、正n角形の全対角線を引いて出来る図形Fnでの点の総数Point(n)
は、
Point(n)=if(n<4,0,binomial(n,4)+n
-del(2,n)*(5*n^3-45*n^2+70*n-24)/24
-del(4,n)*(3*n/2)
-del(6,n)*n*(45*n-262)/6
+del(12,n)*(42*n)
+del(18,n)*(60*n)
+del(24,n)*(35*n)
-del(30,n)*(38*n)
-del(42,n)*(82*n)
-del(60,n)*(330*n)
-del(84,n)*(144*n)
-del(90,n)*(96*n)
-del(120,n)*(144*n)
-del(210,n)*(96*n))
同じく線分の総数Line(n)は、
Line(n)=if(n<4,n*(n-1)/2,n*(n-1)*(n^2-5*n+12)/12
-del(2,n)*n*(5*n^2-44*n+60)/16
-del(4,n)*(9*n/4)
-del(6,n)*n*(143*n-834)/12
+del(12,n)*(133*n/2)
+del(18,n)*(92*n)
+del(24,n)*(54*n)
-del(30,n)*(74*n)
-del(42,n)*(132*n)
-del(60,n)*(528*n)
-del(84,n)*(222*n)
-del(90,n)*(144*n)
-del(120,n)*(222*n)
-del(210,n)*(144*n))
同じく面の総数Region(n)は、
Region(n)=if(n<3,0,(n-2)*(n-1)*(n^2-3*n+12)/24
-del(2,n)*(n-2)*(5*n^2-32*n-24)/48
-del(4,n)*(3*n/4)
-del(6,n)*n*(53*n-310)/12
+del(12,n)*(49*n/2)
+del(18,n)*(32*n)
+del(24,n)*(19*n)
-del(30,n)*(36*n)
-del(42,n)*(50*n)
-del(60,n)*(198*n)
-del(84,n)*(78*n)
-del(90,n)*(48*n)
-del(120,n)*(78*n)
-del(210,n)*(48*n))
これらを、n=1〜20で走らせると、
n=> 点の総数: 線の総数: 面の総数
1=> 1: 0: 0
2=> 2: 1: 0
3=> 3: 3: 1
4=> 5: 8: 4
5=> 10: 20: 11
6=> 19: 42: 24
7=> 42: 91: 50
8=> 57: 136: 80
9=> 135: 288: 154
10=> 171: 390: 220
11=> 341: 715: 375
12=> 313: 756: 444
13=> 728: 1508: 781
14=> 771: 1722: 952
15=> 1380: 2835: 1456
16=> 1393: 3088: 1696
17=> 2397: 4896: 2500
18=> 1855: 4320: 2466
19=> 3895: 7923: 4029
20=> 3861: 8360: 4500
n=18では、減少していることが不思議で面白い。
もちろん、n=100、1000、10000でもそれなりの値が計算できるのがすごいです。
この3つが形式的に同じような(勿論それぞれには固有の式が微妙に違ってくるが・・・)も
ので導き出せることが興味を引く。
言わずもがなオイラーは、点 - 線 + 面に不変量が潜んでいることを見通していたことを
やはり改めて感心します。