方べきの定理の応用                         戻る

 次は、平成31年度神奈川県高校入試数学の問題です。面白そうな問題だと思うので、皆
さん挑戦してみてください。

 下図のように、△ABCは円Oに内接し、AB=7、BC=5、CA=8とする。円Oの周上の点
Pを、AC⊥BPであるようにとり、ACとBPの交点をQとする。

    

このとき、線分BPの長さを求めよ。

























(答) とりあえずの解答です。もっと簡単な解答があったらご教示ください。

 (5+7+8)/2=10 より、ヘロンの公式を用いて、 △ABC=10

 よって、 8・BQ/2=10 より、 BQ=(5/2)

 このとき、 AQ=11/2 、 QC=5/2

 方べきの定理より、 (11/2)×(5/2)=(5/2)×PQ より、 PQ=(11/6)

 以上から、 BP=(5/2)+(11/6)=(13/3)  (終)


(コメント) 上記では、△ABCの面積をヘロンの公式を用いたが、中学生的には次のように
      求めるのが標準でしょう。

 AからBCに垂線を下ろし、その垂線の足をHとおく。BH=x とおくと、

 49−x2=64−(5−x)2 から、 x=1 で、 AH=4

 したがって、 △ABC=5×4/2=10


 巷間の噂によると、今年度(平成31年度)の数学は昨年度に比べ、大幅に難化したとの
ことで、確かに、中学生には少し厳しすぎる受験テクニックを要求しているような気がする。


 PBさんから別解をいただきました。(平成31年2月19日付け)

 三平方の定理を用いた、次のような解答もあるかと思いメールしました。

 CQ=x、BQ=y とおく。

 △ABQについて、 (8−x)^2+y^2=7^2 …(1)

 △BQCについて、 x^2+y^2=5^2 …(2)

 (1)(2)を解いて、 x=5/2、y=(5√3)/2

 したがって、円周角の定理により、相似な二つの直角三角形△APQと△BCQの辺の比
は、ともに、 1 : 2 : √3

 AQ=8−5/2=11/2 より、 PQ=(11√3)/6

 よって、 BP=BQ+PQ=(13√3)/2


(コメント) なるほど!方べきの定理を持ち出さなくても辺の比で、PQの長さが求められる
      のですね。PBさんに感謝します。


 ハンニバル・フォーチュンさんからのコメントです。(平成31年2月19日付け)

 上記の通り、QB=(5/2)√(3)、QA=11/2、QC=5/2 までが求まったところで、

比例式 QA : QB=QP : QC にほうりこめば、QPが求められると思います。

 上の比例式は、2つの三角形の相似 △QAB∽△QPC からきています。これが成立する
わけを書きます。

 弧BC上の円周角なので、 ∠BAC = ∠BPC

 弧AP上の円周角なので、 ∠ABP = ∠ACP

従って、2角相等で、 △QAB ∽ △QPC