解と係数の関係
当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
(令和5年3月11日付け)
次の問いに答えよ。
1. a は実数で、x の3次方程式 x3+x2−x+a=0 は、cosθ+i・sinθ (0<θ<π/2)
なる虚根をもつという。このとき、次の各問に答えよ。
(1) θの値はいくらか。
(2) a の値を求め、またこの3次方程式を解け。
(出典) 九州大学前期文系(1964) ※虚根とは、虚数解のこと。
2. p、q を実数、q≠0 とする。p+qi ( i=√-1 は虚数単位) が方程式 x3+px+10=0
の解であるとき、p と q の値を求めよ。
(出典) 大阪大学前期文系(2000)
(答)1.(1) 題意より、cosθ+i・sinθが解ならば、cosθ−i・sinθも解である。残りの実数
解をαとおく。解と係数の関係より、
α+(cosθ+i・sinθ)+(cosθ−i・sinθ)=−1 すなわち、 α+2cosθ=−1
また、α(cosθ+i・sinθ)+(cosθ+i・sinθ)(cosθ−i・sinθ)+α(cosθ−i・sinθ)=−1
すなわち、 2αcosθ=−2 より、 αcosθ=−1 である。
この式に、α=−2cosθ−1 を代入して整理すると、 2cos2θ+cosθ−1=0
因数分解して、(2cosθ−1)(cosθ+1)=0
ここで、0<θ<π/2 なので、cosθ+1≠0 から、 cosθ=1/2 よって、θ=π/3
(2) α=−2 で、解と係数の関係から、α(cosθ+i・sinθ)(cosθ−i・sinθ)=−a
すなわち、α=−a なので、 a=−α=2 となる。
以上から、3次方程式の解は、
−2 、cos(π/3)+i・sin(π/3) 、cos(π/3)−i・sin(π/3)
すなわち、 −2 、1/2+i・(/2) 、1/2−i・(
/2)
2. 題意より、p+qi が解ならば、p−qi も解である。残りの実数解をαとおく。
解と係数の関係より、 α+(p+qi )+(p−qi)=0 すなわち、 α=−2p
また、α(p+qi )+(p+qi )(p−qi)+α(p−qi )=p すなわち、 2αp+p2+q2=p
α=−2p を代入して整理すると、 q2=3p2+p
また、 α(p+qi )(p−qi)=−10 すなわち、 α(p2+q2)=−10
α=−2p を代入して整理すると、 p(p2+q2)=5
この式に、q2=3p2+p を代入して整理すると、 4p3+p2−5=0
因数分解して、 (p−1)(4p2+5p+5)=0
pは実数より、 4p2+5p+5≠0 なので、 p=1
このとき、 q2=4 より、 q=±2 (終)
以下、工事中!