覆水盆に返そう                              戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんからの出題です。
                                       (平成26年6月12日付け)

 皆さんに解いてもらおうと、ノートに計算を書き付け、ある3つの整数解を持つ3次方程式
を立て、さらに、その解を全て含む4次方程式が完成したところで一息入れようと、ミルクを
温めてお盆に入れて運んでいたら、足元にいた猫に蹴躓き、テーブルに置いていたノートの
上にミルクが散乱してしまい、折角完成していた問題が汚れてしまって、一部を残して見え
なくなってしまった。それが、

3次方程式 x3+5x2/////////////=0 、4次方程式 x4+11x3−4x2///////=0

 ”It is no use crying over spilit milk.”と言わず復元してみよう。































(答) DD++さんからのコメントです。(平成26年6月12日付け)

 x3+5x2−5x2−x=0 の解は、x=−1、0、1で、これらは、4次方程式
4+11x3−4x2−11x3+3x2=0 を満たす.....ダメですか?


 GAI さんからのコメントです。(平成26年6月12日付け)

 面白い!でも、できたら4次方程式は異なる4つの根にしてみて下さい。


 DD++さんからのコメントです。(平成26年6月12日付け)

それなら、 x4+11x3−4x2−9x3+3x2−2x=0 とかすればいいですかね。真面目に解答
すると以下だと思いますが、意外と解くのがめんどくさいですね、これ。

 x3+5x2−34x−80=(x+2)(x−5)(x+8)=0

 x4+11x3−4x2−284x−480=(x+2)(x−5)(x+8)(x+6)=0

 x3+5x2−34x−k が、3つの整数根を持てばいいわけですが、簡単な判断方法はありまし
たか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成26年6月12日付け)

 三次方程式を、x3+5x2+ax+b=0 、三次方程式の解でない四次方程式の解を t とす
ると、
    (x3+5x2+ax+b)(x−t)=x4+(5−t)x3+(a−5t)x2+(b−at)x−bt

 四次方程式と係数比較すると、 5−t=11、a−5t=−4 なので、 t=−6 、a=−34

f(x)=x3+5x2−34x+b=0 とすると、f’(x)=3x2+10xー34となり、f’(x)=0 の2解は、

x=(−5±√127)/3 なので、三次方程式の真ん中の解cは、 -5≦c≦2

 f(x)=(x−c){x2+(c+5)x+(c2+5c−34)} となり、x2+(c+5)x+(c2+5c−34)b を解くと、

 x=(−c−5±√(−3c2−10c+161))/2 なので、−3c2−10c+161 が平方数にならなけ

ればいけない。−3c2−10c+161=−3(c+5/3)2+169+1/3 となり、−5≦c≦2 の範囲

では、c=−5/3 のとき、最大値 169+1/3 、c=2 のとき、最小値129をとるので、

−3c2−10c+161 が平方数ならば、

  −3c2−10c+161=144 または −3c2−10c+161=169

前者の解は、c=(−5±√76)/3、後者の解は、c=-2、t=-4/3 なので、c=−2 と決まる。

 f(c)=0 から、b=−c3−5c2+34c=−80 なので、三次方程式は、

  x3+5x2−34x−80=0 すなわち (x−5)(x+2)(x+8)=0

四次方程式は、(x+6)(x−5)(x+2)(x+8)=0 すなわち、x4+11x3−4x2−284x−480=0


 DD++さんより補足のコメントを頂きました。(平成26年6月14日付け)

 大元の問題の私の解法(真面目にやった方)も出しておきます。適用できる数字が限られ
る拙い解答ですが、らすかるさんのより計算量は少ないはず。

 三次の解を、a、b、c とし、四次の解を、a、b、c、d とすると、解と係数の関係より、

 a+b+c=-5 、a+b+c+d=-11 、ab+bc+ca+d(a+b+c)=-4

 上の2つから、d=-6 で、これと1番目を3番目に代入して、ab+bc+ca=-34

 このとき、 a2+b2+c2=(-5)2-2*(-34)=93

 93≡5 (mod 8)より、a、b、c は奇数と単偶数と複偶数1つずつの組み合わせである。

  複偶数を±8とすると、二平方和が29なので奇数は±5、単偶数は±2
  複偶数を±4とすると、二平方和が77だがそんなことはありえない
  複偶数を0とすると、二平方和が93だがそんなことはありえない

よって、a+b+c=-5 と ab+bc+ca=-34 も考慮して、

 三次方程式の解は、-2、5、-8 で、四次方程式の解は、-2、5、-8、-6

すなわち、元の方程式は、

 x3+5x2-34x-80=(x+2)(x-5)(x+8)=0 、x4+11x3-4x2-284 x-480=(x+2)(x-5)(x+8)(x+6)=0


 S(H)さんからのコメントです。(平成26年6月14日付け)

 a+b+c+d=-11 、a+b+c=-5 から、 d=-6 なので、 ab+bc+ca-6(a+b+c)=-4

また、 a+b+c-6=-11 より、 a+b+c=-5

 これらから c を消去し、楕円の方程式 -34+5a+a2+5b+ab+b2=0 を得る。この方程式を満
たす格子点は有限個で、

  (-8,-2)、(-2,-8)、(-8,5)、(-2,5)、(5,-8)、(5,-2)

 この各々から c が定まる。


 DD++さんからのコメントです。(平成26年6月14日付け)

 なるほど、一文字消去すれば広く適用できますね。私はこういう式で対称性を放棄するの
に抵抗がある人間でして、思いついても実行には踏み切れませんでした。