不定方程式の解2                            戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「よおすけ」さんからの出題です。
                                     (平成25年11月30日付け)

 3つの自然数 x、y、z は、2つの方程式 3x+4y−2z=0、7x2−3y2−z2=0 を満た
します。

 この3数の最小公倍数が150のとき、 x、y、z の値を求めなさい。




































(答) 当HPがいつもお世話になっているHN「GAI」さんが考察されました。
                                     (平成25年11月30日付け)

 x=30(=2*3*5)、y=15(=3*5)、z=75(=3*52) が満たしました。

 大体の大きさの目安を付けながら、2、3、5の組合せで2、3度実験したら偶然一致でき
ました。同じ式で、「3数の最小公倍数が150」を、「最小公倍数が1000」と変更したら、
x、y、z の値は何でしょう?


 S(H)さんからの補充問題です。(平成25年11月30日付け)

 「最小公倍数が1940」とか「19480」に変更したら、x、y、z の値は何でしょう?


 GAI さんからのコメントです。(平成25年11月30日付け)

 「最小公倍数が1940」と変更したら、

    x=388(=22*97)、y=194(=2*97)、z=970(=2*5*97)

 「最小公倍数が19480」と変更したら、

    x=3896(=23*487)、y=1948(=22*487)、z=9740(=22*5*487)

で上手く一致できました。


 S(H)さんからのコメントです。(平成25年11月30日付け)

 正解です!


 当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんが考察されました。
                                     (平成25年11月30日付け)

 150=2*3*52 なので、x、y、z のうち少なくとも一つは偶数で、また、3x+4y-2z=0 から、
3x=2(-2y+z) で、x は偶数となる。かつ、最小公倍数の因数2のべきが1なので、x は4で割
り切れない。

 x=2X (Xは奇数) とおいて代入整理すると、2y=z-3X で、左辺は偶数、3Xは奇数なので、
z は奇数となる。

 従って、x は、2、6、10、30、50、150 のいずれか、z は、1、3、5、15、25、75 のいずれか。

 4y=2z-3x なので、2z(=2、6、10、30、50、150)と3x(=6、18、30、90、150、450) について

 y>0 より、2z>3x なので、2z=10、30、50、150 及び 3x=6、18、30、90 に限定される。

 もし、y が、52の倍数なら、4yは、100の倍数にならなければいけないが、2z-3x は100の
倍数にならない。

 よって、x、y は52の倍数ではないので、z が52の倍数となる。

 従って、2z=50、150 、3x=6、18、30、90 に絞られる。

 y=(50-6)/4=11、 y=(50-18)/4=8、y= (150-6)/4=36、y= (150-18)/4=33 は、いずれも150の
約数ではなく不適なので、あり得る組合せは、2z>3x に注意して、

   (2z,3x)=(50,30)、(150,30)、(150,90)

 それぞれに対して、x、y、z を計算すると、 (x,y,z)=(10,5,25)、(10,30,75)、(30,15,75)

 このうち、(10,5,25)は素因数 3 がないので不適。従って、第1式と「最小公倍数が150」だ

けで、 (x,y,z)=(10,30,75)、(30,15,75) の2つに絞られる。

 第2式から、 7x2=3y2+z2=3y2+752=3(y2+25*75) なので、x は、3 の倍数。

 従って、(x,y,z)=(30,15,75) となり、これは第2式を満たす。


 また、「最小公倍数が1000」と変更した場合について、

 最小公倍数が150のときの解が、(x,y,z)=(30,15,75)だから、最小公倍数が50ならば、
解は、(x,y,z)=(10,5,25)

 よって、最小公倍数が1000ならば、解は、この20倍で、(x,y,z)=(200,100,500) と簡単
に済みそうですが、他に解があるかも知れないで、きちんと解いてみます。

 1000=23*53 で、3x+4y-2z=0 から、x、y、z はすべて 5 の倍数か、あるいは、x、y、z の
うち一つだけが、53 の倍数。

 もし、一つだけ 53 の倍数とすると、残りの2つは、8 以下となり、3x+4y-2z=0 が成り立た
ないから、x、y、z はすべて5の倍数となる。

 よって、全部を5で割り、問題の最小公倍数を、200=23*52に変えて考える。

 再度同様に考えると、x、y、z はすべて 5 の倍数か、あるいは、x、y、z のうち一つだけが、
52 の倍数。

 もし、一つだけ 52 の倍数とすると、残りの2つは、8 以下となる。x または y が 52 の倍数
だと大小関係で成り立たないので、52 の倍数の可能性があるのは、z のみ。このとき、
3x+4y≦3・8+4・8=56 なので、z=25 に絞られるが、x、y=2p(p≦3)、3x+4y=50 となる組合せ
は存在しないので、結局「一つだけ、52 の倍数」は不適。

 従って、再び、x、y、z はすべて 5 の倍数なので、全部を5で割って、問題の最小公倍数を
40=23*5に変えて考える。

 もし、全部が5の倍数ならば、再度全部を5で割れば、x、y、z は、1、2、4、8 のうちのどれ
か(しかもうち一つは8)となり、3x+4y=2z を満たすのは、(x,y,z)=(4,1,8) のみとなる。し
かし、これは、7x2-3y2-z2=0 を満たさない。

 よって、5 の倍数は一つだけ。

 x、y、z のうち、5の倍数でないものは、1、2、4、8 だけなので、もし、x が5の倍数とすると、
2z-4y が15の倍数。しかし、そのような組合せは存在しない。

 もし、y が5の倍数とすると、2z-3x が20の倍数。しかしそのような組合せは存在しない。

 もし、z が5の倍数とすると、3x+4y が10の倍数。これを満たすのは、

  (3x,4y)=(6,4)、(12,8)、(24,16)

 z も計算すると、 (x,y,z)=(2,1,5)、(4,2,10)、(8,4,20)

 このうち、23 を含むのは、 (x,y,z)=(8,4,20) のみ。

 従って、元の問題の答えは、これを52倍して、 (x,y,z)=(200,100,500)