円に内接?
当HPがいつもお世話になっているHN「KS」さんからの出題です。(平成26年12月2日付け)
三角形は必ず円に内接する。四角形は、一般には内接しない。五角形もそのまま、相似
な形では、円に内接できない。内角を反時計合わりにA,B、C、D、Eとするとき、変形する
ことを許して、この順序で、角が並ぶような五角形を円に内接することができるでしょうか?
(答) 五角形ABCDEの3頂点CDEを通る円に辺BC、AEの何れかが交わるように出来れば
一つの内角は移せそうだが、最後の内角は、円周角の定理から無理っぽいような...
予感!
らすかるさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
「五角形もそのまま」とはどういう意味ですか?「相似な形では、円に内接できない」とはど
ういう意味ですか?例えば、正五角形に相似な形は円に内接します。
「変形することを許して」とはどんな変形のことでしょうか?例えば、任意の変形ならば、正
五角形に変形すれば円に内接します。
KSさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
正五角形以外の凸な形の一般の五角形を、角の大きさの順序を保ちながら、円に内設さ
せることができるかどうかです。
らすかるさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
五角形ABCDEの∠A、∠B、∠C、∠D、∠Eの大小関係だけ変えなければ、辺の長さや角
度は変えて良いということですか?
KSさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
角の大きさは変えずに、角度が並んだ順序も変えずにです。ただ辺の長さは変えてもいい
です。
らすかるさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
それならば、隣接でない2角の合計が180°以下だと内接できません。
例えば、∠A=90°、∠B=120°、∠C=90°、∠D=120°、∠E=120°
KSさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
らすかるさん、いつもありがとうございます。
∠A=90°+x°、∠E=120°−x°、0°<x°<30°で微調整すると、可能ですね。
すると、隣り合わない角の和が180°より大きければ可能である十分条件なのでしょうか?
検討中です。
らすかるさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
隣り合わない角の和が180°より大きければ、可能である十分条件になります。
「隣り合わない角の和が180°より大きい」⇔「内接可能」
なので必要十分条件です。
円を描いて中心角360°を
2(∠A+∠C)-360°、2(∠B+∠D)-360°、2(∠C+∠E)-360°
2(∠D+∠A)-360°、2(∠E+∠B)-360°
ずつにこの順に分けて円周上に点を打って結べば、目的の五角形になります。
隣り合わない角の和が180°以下のとき、上の5個の中心角のうち、どれかが0°以下に
なってしまって作図できません。従って、必要十分条件になるということです。
(コメント) 2(∠A+∠C)-360°、2(∠B+∠D)-360°、2(∠C+∠E)-360°、2(∠D+∠A)-360°
2(∠E+∠B)-360°を全部足すと、本当に 360°になるんですね!驚きです。後は
2(∠A+∠C)-360°>0などから、∠A+∠C>180°などが保証されれば確かに五
角形は角の大きさを保存し、順序も維持したまま作図できますね。
KSさんからのコメントです。(平成26年12月3日付け)
すごい結果ですね!五角形の内接のための、必要十分条件が得られました。六角形以上
にも使えそうですね。とりあえず、必要条件であると思いますが。「円への埋め込み」=「角の
大きさを変えずに、角の並びの順序を変えずに、辺の長さを適当に変えることによって、円に
内接すること」を、五角星形図形に適用すると可能であることがわかりました。
各角の二倍で中心角を切り取っていくやり方です。もとは星形図形から発想したことです。
KSさんから上記話題をまとめたものをメールで頂いた。(平成26年12月4日付け)
<内接(多角形の埋め込み)について>
中学の教科書に、星形図形の角の総和を求める問題があります。「外角は内対角の和に
等しい」という定理の利用で解決するのですが、頂点が円周上にあるときは、円周角でも解
決できる。
そこで、一般の図形(多角形または星形)について、
「円への埋め込み」=「角の大きさと角の並び順が不変、ただし、辺の長さは可変」
が可能かを考えました。
必要条件として、円周上の頂点から中心を結び、その中心角を分けていく。
五角形の場合、
a+b+c=A、b+c+d=B、c+d+e=C、d+e+a=D、e+a+b=E
を解けばよい。
a=2(D+A)−2π、b=2(B+E)−2π、c=2(A+C)−2π、・・・
のように、中心角を区切って行けばよい。今回、らすかるさんにより、
隣り合わない角の和が180°より大きいこと
が「円に埋め込む」ための5角形の必要十分条件であることがわかった。
因みに、四角形の場合の必要十分条件は、 A+C=B+D=180°
六角形の場合の必要十分条件は、 A+C+E=B+D+F=360°
である。だいたい、星形図形は埋め込み可能です。
りらひいさんからのコメントです。(平成26年12月4日付け)
面白いですね!これは、nが奇数の場合のn角形に自然に拡張できそうですね。
nを3以上の奇数とする。n角形の各頂点の角度を順番に∠A1、・・・、∠An とおく。
以下の式で、n+1≦i≦2n のときに、∠Ai は∠Ai-n を表すことにする。
円に内接するn角形を作るには、次式に、p=1、・・・、n を代入した角度で円の中心角360°
を順番に分けたときの円周上の点を結べばよい。
2(Σi=0〜(n-1)/2-1 ∠Ap+2i)-(n-3)*180°
「頂点の角度を一つ飛ばしに(n-1)/2個足した合計(全n通りある)が(n-3)*90°より大きい」
⇔ 「辺の長さを調節して内接可能」
であってるのかな?
偶数の場合はどうなるのかと思って調べたらこちらが見つかりました。
奇数の場合の作り方から、(条件を満たすように)角度を決めたn(奇数)角形を円に内接す
るように辺の長さを調整すると形がひとつに定まってしまう(すべて相似形になる)ということ
が言えそうな気がします。(ちょっと自信がないですけど・・・。)
nが偶数の場合は、角度を決めて内接させても形はさまざまにできますよね。(例:長方形)
これのの特殊な場合はこちらにあります。