円の集合
当HPがいつもお世話になっているHN「at」さんからの出題です。
(平成24年5月21日付け)
平面図形に関する問題です。気が向いたら解いてみてください。
[問題] 以下の2つの条件を同時に満たすような無限集合Sが存在することを証明せよ。
(1) Sの元はすべて平面上の円である。
(2) 平面上の任意の点Pについて、Pを通過するようなSの元がちょうど1988個だ
けある。
(答) 空舟さんからのコメントです。(平成24年5月22日付け)
まず、x軸上に並んだ直径1の円の列を考えました。すなわち、集合
A={ (x-a)2+(y-b)2=1/4|x は任意の実数で、b=0 }
を考えると、Aの元のうち、-1/2<y<1/2 の範囲の各点を通る円は2つずつあり、y=±1/2
のときは通る円が1つあります。ということは、それを積み重ねて、集合
B={ (x-a)2+(y-b)2=1/4|x は任意の実数で、b は任意の整数 }
を考えれば、任意の点を通る円が2つずつあることになります。
それを適当に(1/994刻み等とずらして)994個を重ね合わせて、集合
S={ (x-a)2+(y+k-b)2=1/4|x は任意の実数で、b は任意の整数、
k=0、1/994、2/994、・・・、993/994
}
を考えれば、任意の点について通る円が1988個ずつあることになります。
双対的な発想で、次の問題を考えてみました。
円たちを元とする無限集合Sで、平面上の任意の直線Lに対してそれに接するSの元
がちょうど1988個あるような集合Sを構成してください。
at さんからのコメントです。(平成24年5月23日付け)
今回も空舟さんに鮮やかに解かれてしまいましたね。この問題はトーナメント・オブ・タウン
ズで出題された問題です。他に興味深い問題もあります。気が向いた人がいたら、挑戦して
みてください。