円形の紙                                  戻る

 当HPがいつもお世話になっているHN「DD++」さんからの出題です。
                                      (平成27年5月13日付け)

 「中心のわからない円が与えられたとき、その中心を作図で求める方法は?」という問題は
有名です。円周上の2点を結び、その線分の垂直二等分線を引くことを2回繰り返して、その
交点というのが答えです。あるいは、そのような垂直二等分線を1本引いて、それと円との交
点の中点を取っても中心は求まるでしょう。

 では、それを踏まえて、問題です。

 中心のわからない円形の紙が与えられたとき、その中心を作図で求める方法は?

 すなわち、円の外部に線は引けませんし、円の周上や外部にコンパスの針を刺すこともで
きません。ですから、円周上に2点をとって、それを結ぶことまではできてもその垂直二等分
線が引けません。さあ、あなたならどのようにしますか?
(なお、折ったり貼ったりするのは作図に含まれません)




























(答) らすかるさんが考察されました。(平成27年5月13日付け)

 円内の適当なところに点を打ち、その点を中心として円を少しはみ出る円を描いて、元の
円との2交点を結べば、最初に打った点はその弦の垂直二等分線上にありますので、打っ
た点から弦に垂線を下ろせば垂直二等分線が引けます。これを二回やれば交点が中心に
なりますね。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年5月13日付け)

 らすかるさん、正解です。他にも方法はいろいろありますので、みなさんぜひ考えてみてく
ださい。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年5月13日付け)

 方法はたくさんありますね。最初に書いたのを(方法1)として

(方法2) 適当な弦ABを引き、ABの近くに平行線を引いて、その平行線上に短い間隔で、

    CD=DEとなるC、D、Eをとる。ACとBEの交点をFとすると、FDとABの交点はABの中点

    なので、それを元に垂直二等分線が引ける。これを2回行えば中心が求まる。

(方法3) 円の内部に小さい長方形ABCDを描く。ただし、Bが最も円周に近い点とする。AB

    を延長して円との交点をEとし、DCの延長上にCF=BEとなるように点Fをとる。すると、

    EF⊥AE となる。BAの延長側も同じことを行うと、円に内接する長方形が作図できて、

    対角線の交点が円の中心。


(コメント) 面白そうだったので作図してみました。らすかるさんの示された方法の何れとも
      異なる(方法4)になると思います。

  円内に任意に点Pをとる。点Pを通る線分ABを任意に

 描く。点Pを通る垂線CDは作図可能。PC=PEとなる点

 E、PE=PFとなる点Fをとる。点Fを通る垂線は作図可

 能で、PF=FG=FHとなる点G、Hをとる。直線CHと円

 との交点をIとおくと、線分DI上は円の中心Oを通る。

 点Pを通る線分で上記の線分ABとは異なるものを描く。上記の手順を繰り返すことにより、

 円の中心Oを通る線分で、線分DIと異なるものが作図できる。

  この2つの線分の交点として、円の中心Oが作図できる。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年5月13日付け)

 おお、らすかるさんの(方法3)は内接長方形ですか。それは想像していませんでした。私が
一番面白いと思っている手順はこれです。



 円内部に適当に点Pを取る。点Pを中心として紙の縁に交わる孤を2つ描く。4交点をX字
になるように結び、その交点Qと点Pを通る直線を引く。この直線は円の中心Oを通る。

 別の点Bについて同様に行うと、交点が紙の中心Oとなる。

 意外にも平行線も垂線も使わなくて済むんですよ。


 らすかるさんからのコメントです。(平成27年5月14日付け)

 内接等脚台形の垂直二等分線ということですか。うまい方法ですね。「円周上にコンパス
の針を刺せない」のに「円周上の点を通る直線が引ける」ことに、ちょっと引っかかっている
のですが、これもダメとしたらどうしようもないですよね?


 DD++さんからのコメントです。(平成27年5月14日付け)

 より厳密には、紙の縁を中心とした円を描けない、と言うべきだったでしょうか。紙から相
対的に見て、円を描いてる最中に中心がずれない保証がないので。しかし、静的な動作な
ら「それをしている間にずれる」ということはないので、紙の端を目印にして定規を置いたり
コンパスを開いたりは正確にできるだろうと思います。

 それらも封じられるとなると、さすがに無理だと思います。


 DD++さんからのコメントです。(平成27年5月15日付け)

 非常にシンプルな解答を思いつきましたので、投稿しておきます。

 円の中心と外周の中間くらいに適当な点Pを取る。点Pを中心として円周の2/3くらいが紙
に収まる小円を描き、紙の縁との交点をA,Bとする。小円の直径ACとBDを引く。直線AD、
BCを引き、紙の縁との交点をE、Fとする。線分AFとBEの交点が紙の中心。

#全部で線7本。もっと少なくできるでしょうか?あと、管理人さんの方法は、最初のABを本
 当に任意に引いてしまうと、場合によっては点Hが紙からはみ出ますね。もちろん、おおよ
 その全体像を想像してから描き始めればまず大丈夫でしょうけれど。