賞品の選択                        戻る

 いま、忘年会たけなわである。我が職場でも、先日忘年会があり、恒例のビンゴゲームで
3等(図書券3000円分)をゲットしてきた。今日は、そんな話題から...。

 ゲームの賞品として、A、B、C、D の4つの品物があり、次のことが分かっている。

 2つの品物について差額を計算する。その差額は全て異なり、次の何れかであった。

    1000円、2000円、3000円、4000円、5000円、6000円

 最も値段が安い品物の値段を、1000円とする。上記の条件を満たすように賞品を揃える
とき、賞品の購入予算はいくらになるであろうか?






























(答) 1000円、3000円、6000円、7000円 で、計 17000円になる。


 平成22年5月29日付けで、当HPがいつもお世話になっているFNさんから、問題の条件
を満たす場合は上記以外にもあり、

    1000円、2000円、5000円、7000円 で、計 15000円

も解になることを、ご教示いただいた。しかも、解は、この2通りのみとのことである。

 さらに、FNさんは、次のような類題を提起された。

問 題  n 個の整数 A1、A2、・・・、A から2つを取った差がすべて異なり、
     1、2、・・・、n(n−1)/2 のどれかである。このような n 個の整数
     が存在するのは、n がどのような値のときであるか。


 この問題に対して、当HPがいつもお世話になっているHN「らすかる」さんから解答を頂い
た。(平成22年5月30日付け)

(解) n は“大きい数”とし、 m=n(n−1)/2 、A1=0 とする。

 差 m が存在するので、 A=m とする。

 差 m−1 が存在するためには、1 または m−1 が必要であるが、どちらでも同じな
ので、A2=1 とする。

 差 m−2 が存在するためには、m−2 または m−1 または 2 が必要であるが、
m−2 以外は差 1 が2つ出来てしまうので不適。よって、 An-1=m−2 とする。

 この状態で、既に差 m−3 は存在している。

同様に、差 m−4 が存在するためには、4が必要である。すなわち、 A3=4 とする。

ここで、差 m−5 が存在するためには、 m−5 または m−4 または 5 が必要であ

るが、何れも不適である。よって、n が大きい時は不可能である。

可能となるためには、この状態で、差 m−5 が既に出来ていなければならない。

しかし、現在存在する差は、

  1、2、3、4、m−6、m−4、m−3、m−2、m−1、m

である。

 ここで、 4<m−6 とすると、m−5 はできないので不適

       m−6≦4 とすると、差が重複してしまい不適

したがって、整数の組 「0、1、4、m−2、m」は起こり得ない。

 よって、整数の組を、最後に追加した4を取り除いて、「0、1、m−2、m」とすると、存

在する差は、 1、2、m−3、m−2、m−1、m  となる。

 ここで、 2<m−4 とすると、m−4 はできないので、 m−4≦2 すなわち、 m≦6

 m=6 のとき、 n(n−1)/2=6 から、n=4 で、求める整数の組は、 0、1、4、6

 m=5 のとき、 n(n−1)/2=5 を満たす自然数解はない。

 m=4 のとき、 n(n−1)/2=4 を満たす自然数解はない。

 m=3 のとき、 n(n−1)/2=3 から、n=3 で、求める整数の組は、 0、1、3

 m=2 のとき、 n(n−1)/2=2 を満たす自然数解はない。

 m=1 のとき、 n(n−1)/2=1 から、n=2 で、求める整数の組は、 0、1

 以上から、求める n の値は、 n=2、3、4 の場合に限る。 (終)

(コメント) らすかるさん、ありがとうございます。とても分かり易い解法ですね!

 また、らすかるさんやFNさんからの情報によれば、この話題に関連することが下記のHP
に詳しく書かれているとのことである。

 http://www.research.att.com/~njas/sequences/A003022
 http://en.wikipedia.org/wiki/Golomb_ruler
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%83%AD%E3%83%A0%E5%AE%9A%E8%A6%8F

(コメント) そうか、完全ゴロム定規を求めていたわけですか...。