面積の計算4
次の問題は、発想がとても面白い問題である。
直径の両端を A、Bとする半径1の半円Oがある。半円の弧AB上を点Aより点Bまで点P
が移動する。
さらに、線分APに関して中心Oの反対側に、△APQが正三角形になるように点Qを取る。
このとき、線分AQが通過する領域の面積を求めよ。
(答) この問題を、次のように解いてしまったら大人げないだろう。
ABを始線、Aを極とする極座標で考える。
点Q( r ,θ )とすると、点P( r ,θ−π/3 )なので、
r=2cos(θ−π/3) 、 π/3≦θ≦π/2+π/3
このとき、求める面積 S は、
である。
実は、求める面積は、半円Oの面積に等しい。このことに気がつけば、積分を用いなく
ても答えは暗算で求められることだろう。
このことは、当HPがいつもお世話になっているHN「FN」さんも指摘されている。
(平成22年11月27日付け)
ABを直径とする半円(内部を含む)をSとし、線分AQ全体がつくる図形をTとすれば、
TはSをAのまわりに60°回転した図形である。・・・・・(*)
従って、Tの面積はSの面積と同じで、π/2である。
(*)は証明すべきかもしれませんが、ほとんど明らかとも言えます。
(コメント) FNさん、ありがとうございます。
上記の(*)については、証明を考えました。
r=2cos(θ−π/3)=cosθ+sinθ より
r2=r・cosθ+r・sinθ すなわち、 x2+y2=x+y
よって、 (x−1/2)2+(y−/2)2=1 より、点Qは、中心(1/2 ,/2)、半径1
の半円上を動くことが分かる。
(コメント) 上記の(*)の証明ですが、ここはもっと軽妙に、
2点P、Qは常に、AP=AQ、 ∠PAQ=60°である。よって、点Qの描く軌跡は
点Pの描く軌跡と合同である
ことからも察することが出来ると思います。