面積迷路                                    戻る

 数学セミナー ’16 12月号(日本評論社)にパズル作家の稲葉直貴さんが作られた「面
積迷路」の問題に興味を持ち、類題を作ってみました。(平成28年12月22日付け)

 小学校低学年の算数教育用として考案されたそうで、いかに工夫して整数の範囲で問題
を解くかが知恵の出しどころです。

 下図の黄色い部分の面積は如何?ただし、図は必ずしも正確に描かれていませんが、何
れも長方形の集まりです。

 (1)は平易ですが、(2)(3)とだんだん難しくなっていきます。

(1) (2)
             
(3)
       


















(答) (1) 60cm2  (2) 3cm2  (3) 36cm2


 よおすけさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

(1)の解: 四角形の8cm2、7cm2を合わせると15cm2で、一辺の長さが5cmなので、もう一

辺の長さは、15÷5=3cm

 四角形の21cm2は、7cm2の3倍なので、一辺の長さは、3の2乗の9cm。21cm2、?cm2

合わせると、9×9=81cm2で、黄色い部分は、81-21=60cm2


(コメント) よおすけさん、正解です。


 りらひいさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 ものすごくどうでもいいかもしれませんが、ちょっと気になったので投稿してみます。

 「一辺の長さは、3の2乗の9cm。」という書き方について。

 数値計算を進めていく上では確かに「3の2乗」と同じ計算なのですが、実際には、「3cmの
3倍が9cm」なのであって、(長さ次元の量)×(比の値[無次元数])=(長さ次元の量) とい
う式構成となっています。「3の2乗」という表記にわずかながら違和感を感じるのは、わたし
が物理系の人間だからでしょうか。途中式とみれば間違ったことを言っているわけではない
ので、そこまで気にするような話でもないのですけど。みなさんはどうですか?

(そもそも累乗を習っていないということを置いておいても、小学生はこんなことは考えない気
もしますが!)


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 私も違和感を感じていました。3cmの3倍なので、3×3と書かないと気持ち悪いです。

# 「飴4粒入りの小袋が3袋入っている箱が2箱セットで売られているとき、1セットの中に飴は
 何個か」という問題で、4!=24個と答えるのと同じような気持ち悪さです。


 よおすけさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 当初は、「一辺の長さは、3の2乗の9cm。」の部分は、「3の3倍」と書いていましたが、「これ
でいいのだろうか」と思って悩んでしまい、「3の2乗」に書き換えました。昨日の朝に、初めて
問題を見たときは、与えられた辺の長さが2ヶ所しかなくて意味が分からず、解法が思いつく
まで1日かかりました。


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 三輪みわ 著 「面積パズル」 (日本文芸社) にも同様の問題が載っています。

   (コメント) 表紙の問題の解: 左上は、9cm、右下は、38cm2 かな?問題レベルと
         しては、このページの問題(1)程度でしょう、多分。

 問題(1)〜(3)の全て解けますけど、(2)(3)は「分数」を使ってしまいました。本来なら
「整数」だけを使って、迷路を辿っていき「面積」を求めるというのが「面積迷路」だと思って
いたので、私の解き方の知恵が足りなかったのでしょうか?

 上記の本は、確か「整数だけ」で解ける問題だったと思います。何年も前のことなので、
記憶が、あやふやですが・・・・・。作者によって異なるのかな?稲葉さんと三輪さんとでは。

 作者・三輪さんの「面積迷路」は「分数を使わない・整数だけを使って求める」なので、私は、
「整数」だけを使って面積を求めるというのが、本来の「面積迷路」というパズルの姿だと思っ
ていたのですが・・・・・。ルールがハッキリと分からないので、何とも言えませんが・・・・・。


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 整数だけで解けますね。

(2) 8cmを2cmと6cmに分ければ、6cmの下は、7cm2+空白部分になるから、2cmの下は
  5cm2。よって、4cmでは10cm2だから、黄色の部分は、10-7=3cm2

(3) 8cm2を水平線で上下二つに分ければ4cm2が二つになって、9cmが3cmずつ、つまり、
  8cm2の縦が6cm、4cm2の縦が3cm。?cm2の四角形の右側の辺を上に伸ばして27cm2
  を二つに分けると、左側が4cm×6cm=24cm2になるから、右側は、3cm2
   従って、その3cm2と8cm2を合わせると下の11cm2と同じになるから、下の11cm2も高
  さは6cm。
   よって、?cm2の四角形の高さは、3+6=9cmだから、面積は、4×9=36cm2


(コメント) らすかるさん、(2)(3)ともに正解です。黄色部分の長方形の高さが実は「9cm」
      ということをアクロバット的に導く(3)が一番好きで魅了されます!22日午後出張
      で電車に乗っている間、ずっとこの問題をいじっていてようやく完成しました。


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月23日付け)

 大変失礼いたしました。よく読んだら、「整数」だけを使ってと書いてありましたね。らすかる
さん 有難うございます。自分の間違いに気づき、急いで投稿しましたが、既に遅かりし・・・。
(らすかるさんと同じ14時41分台に投稿...。)


 よおすけさんからのコメントです。(平成28年12月24日付け)

(2) まず、以下は言えるかと思われます。

 7cm2+?cm2は、12cm2+空白の半分で、7cm2+空白と12cm2+?cm2は等しい。「整

数の範囲で」ということなので、?も整数として、上の2つが両方あてはまるまで書きます。

 ?=0cm2のとき、空白は2cm2。このとき、7cm2+空白は12cm2+?cm2より小さいので、
?は0ではない。

 ?=1cm2のとき、空白は4cm2。7cm2+空白は12cm2+?cm2より小さいので、?は1で
もない。

 ?=2cm2のとき、空白は6cm2。7cm2+空白は12cm2+?cm2より小さいので、?は2で
もない。

 ?=3cm2のとき、空白は8cm2。7cm2+空白と12cm2+?cm2は等しくなるので成り立つ。

 ?=4cm2のとき、空白は10cm2

 ?=5cm2のとき、空白は12cm2

 ・・・・・・

 これ以後は、7cm2+空白が12cm2+?cm2より大きいので成り立たない。

 よって、黄色い部分は、3cm2


(コメント) よおすけさん、正解です。いろいろな考え方が可能で、「面積迷路」問題は、素敵
      ですね!


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月25日付け)

 稲葉さんの「算数パズルの部屋」の「お試し版」が4問あって全て解けるのですが、3番目
だけ、どうしても分数を使わないと私は解けないで泣いています。どうやったら「整数」だけで
解けますか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年12月25日付け)

 7cm×12cm=84cm2=26cm2+58cm2 により、58cm2の四角形を左端までずらすと、26cm2
の四角形とちょうど同じ幅で合う。よって、7cm。


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月26日付け)

 ひぇ〜、やっぱり、らすかるさんは大天才!!!これは思いつかなかったです。有難うござ
いました。


(コメント) 「お試し版」の解答が載っていないようなので私も解いてみました。

 (1) 16cm2  (2) 22cm2  (3) 7cm  (4) 51cm2

 「面積迷路」は頭の体操になりますね!今度、稲葉さんの本を買おうと思いました。


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月26日付け)

 「面積迷路」は、図を「わざと不正確」にしているのかなぁ〜。例えば、「8cm」よりも「4cm」
の方が、はるかに長かったり・・・・・。見た目で、直感が働かないよーにしているのかな?


 ksさんからのコメントです。(平成28年12月28日付け)

 こんなのがありました。小、大、中の順で、三つの正方形が接して並んでいます。小の正方
形から8p足すと、大の高さになります。中の正方形から3cm足すと大の正方形になります。
下の並んだ長さが25cmです。大、中、小のそれぞれの面積を求めなさい。
(・・・小4レベルだそうです。)


 カルピスさんからのコメントです。(平成28年12月28日付け)

 小・大・中 の順に、16cm2・144cm2・81cm2 です。


 ksさんからのコメントです。(平成28年12月29日付け)

 カルピスさん、正解です。数学には、論理と直感が必要とのことですが、算数は直観的で、
数学は論理的ということでしょうか。年の瀬を迎え、以前の内容で十分に伝えきれない部分
がありました。「数学のすばらしさ」についてです。公理主義の限界とか。ガリレオの「自然は
数学の言葉で書かれている」がすべてなのか。5次以上の方程式が、すべては解けないこ
とが心に引っかかっています。超越数の表現の問題かもしれませんが。言葉に限界がある
ように、数学にも限界があるのではないかという趣旨です。あくまでも個人的な意見です。悪
しからず。


(コメント) 私は、方程式を立式して、小・大・中の正方形の一辺の長さが4cm・12cm・9
      cmであることを求めましたが、小4レベルで解くとすれば次のように解くのでしょ
      うか?

        25+8+3=36(cm)は、大の正方形の一辺の長さ3個分なので、小・大・中
      の正方形の一辺の長さは、4cm・12cm・9cmとなる。よって、面積は、小・大・中
      の順に、16cm2・144cm2・81cm2 となる。