角の大きさ(6)                              戻る

  四角形ABCDにおいて、∠ADC=100°で、

   BD=BC、AC=AD+AB、∠BAC=∠DAC

 のとき、∠BADの大きさを求めよ。





(参考:筑波大学附属駒場高校数学科学研究会編 「Cafe Bollweck No.Z」)

































(答) 余弦定理より、 BC2=(a+b)2+b2−2b(a+b)cosθ

           BD2=a2+b2−2abcos2θ

 条件より、BD=BC なので、a2+b2−2abcos2θ=(a+b)2+b2−2b(a+b)cosθ

 式を整理して、 4acos2θ-2(a+b)cosθ+b=0

  (2cosθ−1)(2acosθ−b)=0 より、 cosθ=1/2 、b/(2a)

 cosθ=1/2 のとき、θ=60°から、∠BAD=2θ=120° となる。

 cosθ=b/(2a) のとき、

  CD2=(a+b)2+a2−2a(a+b)cosθ=(a+b)2+a2−b(a+b)=2a2+ab

 ここで、 cos100°=(a2+CD2−(a+b)2)/(2a・CD)=(2a2−ab−b2)/(2a・CD)

 この式より、a、bの比例式が求まり、その結果として、cosθ=b/(2a)の値が定まり、θ

が確定するわけだが、θは具体的に記述できるのだろうか?


 上記の課題をらすかるさんが解決されました。らすかるさんに感謝します。
                                        (平成26年1月4日付け)

 cosθ=b/(2a)=t とおくと、CD2/a2=2+2t

 cos100°=(2−b/a−b2/a2)/(2CD/a)=(2−2t−4t2)/(2CD/a)

        =(1−t−2t2)/(CD/a)=(1−2t)(1+t)/(CD/a)

 ここで、cos100°<0 なので、1−2t<0 より、cosθ>1/2 となり、θ<60°…(*)

 また、 cos2100°=(1−2t)2(1+t)2/(CD2/a2)=(1−2t)2(1+t)2/(2+2t)

             =(1−2t)2(1+t)/2

より、 2cos2100°=(1−2t)2(1+t)=4t3−3t+1 なので、cos200°=4t3−3t

 ところで、4t3−3t=4cos3θ−3cosθ=cos3θ なので、cos3θ=cos200°

 (*)より、0°<θ<60°なので、 0°<3θ<180°

 この範囲で、 cos3θ=cos200°を解くと、 3θ=160°より、 θ=160°/3

 したがって、 ∠BAD=2θ=320°/3 となる。


(コメント) 途中計算で、2倍角の公式のみならず、3倍角の公式も登場して、圧倒されまし
      た。よく考えられた問題ということでしょうか...。