角の大きさ(14)                              戻る

 △ABCにおいて、辺ABを2:1に内分する点をD、辺BCを3:1に内分する点をEとする。
線分AEとCDの交点をFとすると、AF=6で、また、AC=9である。

 ∠CAF=16°のとき、∠DAF=θは何度になるか。
                                    (灘中学校(2005年) 改題)

   


 上図のままだけでは、解決の糸口は全く見えないが、巧妙に補助線を引くことにより鮮や
かに解かれる。難しいが、とても味のある問題だと思う。


























(答) AEの延長上にAC=AGとなる点Gをとり、線分AGと平行に点Dより直線を引き、BG、
   BCとの交点をそれぞれH、I とおく。

   

 FG=3なので、AD:DB=AF:FG=2:1 より、DC‖BG

 また、DH‖FG より、四角形DHGFは平行四辺形となる。

 ここで、△BHI と△CFEにおいて、BI=CE、∠HBI=∠FCE、∠BIH=∠CEF なので、

 △BHI ≡△CFE となり、 BH=CF

 したがって、四角形BGCDは平行四辺形となり、 AB‖CG

 よって、 16°+2θ=180°より、 θ=82°  (終)


 カルピスさんからのコメントです。(令和元年6月20日付け)

 角度が「16度」しか与えられていない状態で、小学生が解けるということは、おそらく

(1) ∠Aが90度で、90−16=74度

または、

(2) 16度を頂点とする二等辺三角形が出来て、底角が82度

の、どちらかだなと容易に想像できる。

 ∠Aに用紙の角を当てると、用紙の角より大きいから、直角ではない。だから、答えは
82度と予想できる。

 答えだけ書いても点数もらえるかな?


(コメント) カルピスさんのお察しの通り、(2)を意識しての作問でした。最後の詰めは、2等
      辺三角形の底辺と辺ABが平行になるように、辺の長さや分点の比を与えること。
      これは結構苦労しました!


 DD++さんからのコメントです。(令和元年6月20日付け)

 メネラウスの定理より、CF:FD=1:2 というのを使ってよければ、CG:GA=1:2 となる内

分点Gを取ることで、FG//AB かつ AF=AG となるので、あとは容易ですね。

#灘中の問題ってどこまで使っていいんだろうなあ。


(コメント) なるほど!CF:FD=1:2 、CG:GA=1:2 となる内分点Gを取って、2等辺三角形
      を作った方が手っ取り早いですね。


 愛犬ケンさんからのコメントです。(令和元年6月21日付け)

 EAに平行な線分CGをとる。GはBAの延長線との交点とする。△ABE∽△GBC である。

また、△ADF∽△GDC で、相似比は、2:3 より、CG=9

△CAGは、頂角 C=16°の二等辺三角形なので、 θ=82°

#小学生はこう解くでしょう。


 PBさんからのコメントです。(令和元年6月21日付け)

 メネラウスの定理を用いなくても、この問題では、ABとBEの三等分点を順次結ぶことに
よって、CF:FD=1:2 が出せます。

 とはいっても、メネラウス→高校  三角形の相似→中学 の範囲 ということで...。
灘中の問題は小学生の解く問題ですよね。


 らすかるさんからのコメントです。(令和元年6月21日付け)

 いろいろな解答が出ているようなので私も参加します。きっとこのように解く人もいるでしょう。

 Dを通り、AEと平行な直線とBCの交点をGとすると、BG:GE:EC=1:2:1 となるので、

  AE=3DG=9FE から、 AE=(9/8)AF=27/4

(使って良ければメネラウスの定理からAF/FE=(AD/DB)(BC/CE)=8としてもよい)

 Eを通り、ABと平行な直線とACの交点をHとすると、 AH=(3/4)AC=27/4

 よって、AE=AH なので、θ=∠AEH=(180°-16°)/2=82°


(コメント) 辺AC上に、AB//HE なる点Hをとると、△AEHが2等辺三角形になるという視座
      は新発見です!らすかるさんに感謝します。