角の大きさ
下図の四角形において、角θは何度であろうか?
(1)
(2)
(答) 10° (この問題は、ハンドルネーム tappon さんという方から頂きました。)
解答を得るために、次の等式を示す。
この等式は、
から明らかであろう。
ところで、図(1)において、
tan 20°=DH/AH 、tan 30°=CH/DH 、tan
40°=BH/CH
なので、
tan 20°tan 30°tan 40°=BH/AH=tan θ
が成り立つ。
ところで、等式において、θ=10°とおくと、
tan 10°=tan 20°tan 40°tan 30°=tan
20°tan 30°tan 40°
が成り立つ。
したがって、 tan θ=tan 10°より、θ=10° となる。( ・・・・・ (1)の解 )
(2)も同様に出来る。
図(2)において、
tan 10°=BH/AH 、tan 20°=CH/DH 、tan
60°=CH/BH
で、さらに、
tan θ=DH/AH
なので、
tan θ tan 20°=(DH/AH)(CH/DH)=CH/AH
tan 10°tan 60°=(BH/AH)(CH/BH)=CH/AH
よって、
tan θ tan 20°=tan 10°tan 60°
ところで、等式において、θ=20°とおくと、
tan 20°=tan 10°tan 50°tan 60°
なので、
tan θ =1/tan 50°=tan (90°−50°)=tan
40°
が成り立つ。
したがって、 θ=40° となる。( ・・・・・ (2)の解 )
(コメント: この問題を初等的に解くことはできるのだろうか?)
(平成16年11月20日追記) ハンドルネーム tappon さんという方から、初等的な解法を
ご教示いただいた。
(1) | |
点Aより辺DCに平行線を引き、辺CBの 延長線との交点をE、線分EDと対角線AC の交点をFとおく。 このとき、四角形AECDは等脚台形なの で、△AEF、△DCFは正三角形である。 よって、△BDC≡△BDF より、 ∠BFD=∠CBF=100° となる。 このとき、△EBFは二等辺三角形で、 EB=EF=EA が成り立つ。 よって、3点A、F、Bは、点Eを中心とす る同一円周上にある。 したがって、 2θ=∠BEF=20° より、θ=10° |
(コメント:等脚台形を作るという発想に感動しました!補助線一発、まさに、幾何の醍醐味
が味わえますね。)
(2) | |
対角線BD上に、△BCEが正三角形となるよう に、点Eをとる。また、線分AE上に、BE=BFと なるように、点Fをとる。 このとき、△ABEは二等辺三角形で、 ∠BEF=∠BFE=80° となる。 よって、△ABFと△DBCにおいて、 BF=BC、∠ABF=∠DBC=60°、 ∠AFB=∠DCB=100° より、△ABF≡△DBC。 ゆえに、AB=DB したがって、△BADは二等辺三角形なので、 θ+10°=∠BDA=50°から、θ=40° |
(コメント:AB=DB という事実には気がつきませんでした!)