角の2等分線の性質
∠A=40°の△ABCにおいて、∠B、∠Cの2等分線が辺AC、ABとそれぞれM、Nで交
わるとする。BM=CNのとき、∠B、∠Cの大きさをそれぞれ求めよ。
(答) ∠B=∠C=70°
(コメント) 有名問題らしいです...。
DD++さんからのコメントです。(平成27年11月21日付け)
手間はかかりますが、さほど難しい問題というわけでもないですね。40°が特別意味を持
つわけでもないので、三角比と因数分解の面倒な計算を処理する練習といった印象。
BC=a、CA=b、AB=c とします。△ABCの面積を考えて、
(1/2) (a+c) BM sin(B/2) = (1/2) (a+b) CN sin(C/2)
両辺を BM=CN で割り、2乗して8倍すると、
(a+c)2・2sin2 (B/2) = (a+b)2・2sin2 (C/2)
半角の公式を用いて、 (a+c)2(1-cosB) = (a+b)2(1-cosC)
余弦定理を用いて、両辺に 2abc をかけると、
b (a+c)2(2ac-a2-c2+b2) = c (a+b)2(2ab-a2-b2+c2)
これが b と c について交代的であることと、形式的に a=b+c のとき明らかに両辺 0 になる
ことに注意すると、交代式の性質と因数定理を用いて、この五次方程式は容易に以下のよう
に変形できます。
(b-c) (a-b-c) {a3+a2(b+c)+3abc+bc(b+c)} = 0
これは、a>0、b>0、c>0、a<b+c という条件では、b=c 以外に解はありません。
よって、これは頂角40°の二等辺三角形であることが示されたので、 B=C=70° です。
(コメント) DD++さん、ありがとうございます。今日(11月21日)、筑波大学附属駒場高校
で、確率の授業を聞きながら、次の事実の証明を考えていました。
△ABCにおいて、∠B、∠Cの2等分線が辺AC、ABとそれぞれM、Nで交わり、
BM=CNのとき、△ABCは、AB=ACの2等辺三角形である。
幾何学的な証明が出来ないものかと考えていましたが、難しいですね!結局、次のような
証明をでっち上げてみました。どうなんでしょうか?
左図のように、点Pを四角形BMPNが平行四辺形になるよ うにとる。 題意より、NC=NP で、α+γ=β+δ が成り立つ。 今、β>α と仮定すると、BN=MP>CM より、δ>γ このとき、α+γ=β+δ より、 α>β で、矛盾。 β<α としても同様に矛盾が示される。 |
以上から、α=βが成り立ち、△ABCはAB=ACの2等辺三角形である。
(コメント) 何となくスッキリしない証明です。もっとスカッとする証明はないでしょうか?
上記の証明でスッキリしない部分は、「β>α と仮定すると、BN>CM」という推論である。
この論点に関して、次のように証明され推論が正しいことが確認される。自己解決で、ちょ
っとスッキリかな!
(証明) △BCNを裏返して、△BCNに下図のように重ねる。
β>α とする。∠NBMの2等分線がCNと交わる点をSとおく。
このとき、△BMS≡△BNS なので、SM=SN となり、△SMNは2等辺三角形である。
よって、 ∠MNC=∠NMS<∠NMC より、 CM<BN (証終)
DD++さんのように余弦定理を用いて計算してみました。
AM=bc/(c+a)、AN=bc/(a+b) なので、
BM2=c2+(bc/(c+a))2−2c・(bc/(c+a))cos40°
CN2=b2+(bc/(a+b))2−2b・(bc/(a+b))cos40°
ここで、BM=CN で、cos40°=(b2+c2−a2)/(2bc) を代入して整理すると、
(b−c)(a5+2a4(b+c)+a3(b2+5bc+c2)+4a2bc(b+c)+abc(b+c)2)=0
よって、b=c から、△ABCはAB=ACの2等辺三角形である。