角の大きさ(7)
四角形ABCDの内部に点Pがあり、
∠PAB=∠PBA=∠PCB=20°、∠DAP=∠DPA=70°、∠BPC=130°
を満たすとき、∠DCPの大きさを求めよ。
(参考:筑波大学附属駒場高校数学科学研究会編 「Cafe Bollweck No.Z」)
(答) ∠DCP=80°となる。
上図のように、△BPCを辺BCに関して対称移動させた△BQCを辺BCに沿って貼り合わ
せる。
このとき、PQ⊥BCで、△CPQは底角が70°の2等辺三角形となる。
よって、 △DAP≡△CPQ より、PC=PD で、△PCDは2等辺三角形となる。
∠APB=140°なので、∠CPD=20°
したがって、 θ=(180°−20°)/2=80°
(追記) 平成26年1月26日付け
上記の解答で用いられた手法は、受験数学ではお馴染みのものだろう。2013年度入試
東京大学前期理系 第4問に次のような問題が出題された。
△ABCにおいて、∠BAC=90°、|AB|=1、|AC|= とする。△ABCの内部
の点が、PA/|PA|+PB/|PB|+PC/|PC|=0 を満たすとする。
(1) ∠APB、∠APC を求めよ。
(2) |PA|、|PB|、|PC| を求めよ。
(答え) (1) 何れも 120°(2) |PA|=1/、|PB|=2/、|PC|=4/
(1)について、a=PA/|PA|、b=PB/|PB|、c=PC/|PC| とおけば、これらは
単位ベクトルとなり、また、条件より、a+b+c=0 が成り立つ。これらの条件で、a と b、
a と c のなす角を求める問題は教科書の例題レベルで、受験生にとっては必ず完答すべき
問題だろう。
(2)について、丁寧に正弦定理、余弦定理、三角関数の相互関係、加法定理を適用すれ
ば解けることは解けるが、それほど容易いとは思われない。これに対し、上記の解答の手
法(合同な図形を線対称移動))を用いれば、それほど仰々しい計算をしなくても容易に解
かれることに気づかされる。ただ、このアイデアを受験場で生みだすのは厳しいかも...。
左図において、△RBE、△CDE、△SDQが正三
角形になることは明らかだろう。
直ちに、z+2x=2x+2y=y+z すなわち、
y=2x 、 z=2y=4x が得られる。
余弦定理から、 x2+y2+xy=1
y2+z2+yz=4 、 z2+x2+zx=3
なので、y=2x、z=4x を代入すれば、答えはすぐ
求められる。
(コメント) 正三角形を用いる方法以外に、△ABP∽△BCPを用いてもよい。上図より、
相似比が 1:2 なので、y=2x、z=2y=4x は直ちに得られる。こちらの方が
より簡明かもしれない。