小倉百人一首                    戻る

 比較的ノーマルな国語教育をしている学校では、2学期末から3学期にかけて小倉百人一首
で校内に歓声が響く。個人戦もあれば、団体戦もある。老若男女を問わず、知的な遊びというこ
とで、その人気は根強い。このページで小倉百人一首の特訓をして、来るべき大会に備えよう。
 与えられた上の句から下の句を思い出してください。それでは、全百問、検討を祈ります。

1.秋の田の かりほの庵の 苫(トマ)をあらみ
                              わが衣手(コロモデ)は 露にぬれつつ
2.春すぎて 夏きにけらし 白妙の
                              衣ほすてふ 天(アマ)のかぐ山
3.あし引きの 山鳥の尾の しだり尾の
                              ながながし夜を ひとりかもねむ
4.田子の浦に うち出でて見れば 白妙の
                              富士の高嶺に 雪はふりつつ
5.奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の
                              声きく時ぞ 秋はかなしき
6.かささぎの わたせる橋に 置く霜の
                              白きを見れば 夜ぞ更けにける
7.天の原 ふりさけ見れば 春日なる
                              三笠の山に 出でし月かも
8.わが庵は 都の辰巳 しかぞすむ
                              世をうぢ山と 人はいふなり
9.花の色は うつりにけりな いたづらに
                              我が身世にふる ながめせしまに
10.これやこの ゆくも帰るも 別れては
                              知るもしらぬも 逢坂(アフサカ)の関
11.わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと
                              人には告げよ 海人(アマ)の釣舟
12.天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ
                              をとめの姿 しばしとどめむ
13.筑波嶺の 峰より落つる みなの川
                              恋いぞつもりて 淵となりぬる
14.陸奥(ミチノク)の しのぶもぢずり 誰ゆゑに
                              乱れそめにし 我ならなくに
15.君がため 春の野に出でて 若菜つむ
                              我が衣手に 雪はふりつつ
16.立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる
                              まつとしきかば 今かへり来む
17.ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
                              から紅(クレナヰ)に 水くくるとは
18.住(スミ)の江の 岸に寄る波 よるさへや
                              夢のかよひぢ 人めよくらむ
19.難波潟 短き蘆(アシ)の ふしの間も
                              逢はでこの世を 過ぐしてよとや
20.わびぬれば 今はた同じ 難波なる
                              みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
21.今来むと いひしばかりに 長月の
                              有明の月を 待ち出でつるかな
22.吹くからに 秋の草木の しをるれば
                              むべ山風を あらしといふらむ
23.月見れば 千々に物こそ かなしけれ
                              わが身ひとつの 秋にはあらねど
24.このたびは ぬさもとりあへず 手向(タムケ)山
                              もみぢの錦 神のまにまに
25.名にしおはば 逢坂山の さねかづら
                              人にしられで くるよしもがな
26.小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
                              今一度(ヒトタビ)の みゆきまたなむ
27.みかの原 わきて流るる いづみ川
                              いつ見きとてか 恋しかるらむ
28.山里は 冬ぞさびしさ まさりける
                              人めも草も かれぬとおもへば
29.心あてに 折らばや折らむ 初霜の
                              置きまどはせる 白菊の花
30.有明の つれなく見えし 別れより
                              暁ばかり うきものはなし
31.朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
                              吉野の里に ふれる白雪
32.山川に 風のかけたる しがらみは
                              流れもあへぬ 紅葉なりけり
33.久かたの 光のどけき 春の日に
                              しづ心なく 花の散るらむ
34.誰をかも 知る人にせむ 高砂の
                              松も昔の 友ならなくに
35.人はいさ 心も知らず ふるさとは
                              花ぞ昔の 香に匂ひける
36.夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを
                              雲のいづこに 月宿るらむ
37.白露に 風の吹きしく 秋の野は
                              つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
38.わすらるる 身をば思はず 誓ひてし
                              人の命の 惜しくもあるかな
39.浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど
                              あまりてなどか 人の恋しき
40.忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は
                              物や思ふと 人のとふまで
41.恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
                              人知れずこそ 思ひそめしか
42.契りきな かたみに袖を しぼりつつ
                              末の松山 波こさじとは
43.あひみての 後の心に くらぶれば
                              昔は物を 思はざりけり
44.あふ事の 絶えてしなくば なかなかに
                              人をも身をも 恨みざらまし
45.あはれとも いふべき人は おもほえで
                              身のいたづらに なりぬべきかな
46.由良のとを わたる舟人 かぢをたえ
                              ゆくへもしらぬ 恋の道かな
47.八重むぐら しげれる宿の さびしきに
                              人こそ見えね 秋は来にけり
48.風をいたみ 岩うつ浪の おのれのみ
                              くだけて物を 思ふころかな
49.みかき守 衛士の焚く火の 夜はもえ
                              昼は消えつつ 物をこそ思へ
50.君がため 惜しからざりし 命さへ
                              長くもがなと 思ひけるかな
51.かくとだに えやはいぶきの さしも草
                              さしも知らじな 燃ゆる思ひを
52.明けぬれば くるるものとは 知りながら
                              なほ恨めしき 朝ぼらけかな
53.嘆きつつ 独りぬる夜の 明くる間は
                              いかに久しき ものとかはしる
54.わすれじの 行末までは かたければ
                              今日(ケフ)を限りの 命ともがな
55.滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
                              名こそ流れて なほ聞えけれ
56.あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
                              今ひとたびの あふこともがな
57.めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に
                              雲がくれにし 夜半(ヨハ)の月かな
58.有馬山 猪名の笹原 風ふけば
                              いでそよ人を 忘れやはする
59.やすらはで 寝なましものを 小夜更けて
                              傾(カタブ)くまでの 月を見しかな
60.大江山 いく野の道の 遠ければ
                              まだふみも見ず 天の橋立
61.いにしへの 奈良の都の 八重桜
                              けふ九重に 匂ひぬるかな
62.夜をこめて 鳥のそらねは はかるとも
                              よに逢坂の 関はゆるさじ
63.今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを
                              人づてならで いふよしもがな
64.朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
                              あらはれわたる 瀬々の網代木
65.恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
                              恋に朽ちなむ 名こそをしけれ
66.もろともに あはれと思へ 山桜
                              花よりほかに 知る人もなし
67.春の夜の 夢ばかりなる 手枕(タマクラ)に
                              かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
68.心にも あらでうき世に ながらへば
                              恋しかるべき 夜半の月かな
69.嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は
                              竜田の川の 錦なりけり
70.寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば
                              いづくも同じ 秋の夕暮
71.夕されば 門田の稲葉 おとづれて
                              蘆の丸屋(マロヤ)に 秋風ぞふく
72.音にきく 高師の浜の あだ浪は
                              かけじや袖の 濡れもこそすれ
73.高砂の 尾上(ヲノエ)の桜 咲きにけり
                              外山の霞 たたずもあらなむ
74.うかりける 人を初瀬の 山おろし
                              はげしかれとは 祈らぬものを
75.契りおきし させもが露を 命にて
                              あはれ今年の 秋もいぬめり
76.わたの原 こぎ出でて見れば 久方の
                              雲井にまがふ 沖つ白波
77.瀬を早み 岩にせかるる 滝川の
                              われても末に あはむとぞ思ふ
78.淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に
                              幾夜ねざめぬ 須磨の関守
79.秋風に たなびく雲の 絶え間より
                              もれ出づる月の 影のさやけさ
80.ながからむ 心もしらず 黒髪の
                              乱れて今朝は 物をこそ思へ
81.ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
                              ただ有明の 月ぞのこれる
82.おもひ侘び さても命は あるものを
                              憂きにたへぬは 涙なりけり
83.世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
                              山の奥にも 鹿ぞなくなる
84.ながらへば またこのごろや しのばれむ
                              憂しと見し世ぞ 今は恋しき
85.夜もすがら もの思ふころは 明けやらで
                              閨(ネヤ)の隙さへ つれなかりけり
86.なげけとて 月やは物を 思はする
                              かこち顔なる わが涙かな
87.村雨の 露もまだ干ぬ 真木の葉に
                              霧立ちのぼる 秋の夕ぐれ
88.難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ
                              みをつくしてや 恋ひわたるべき
89.玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
                              忍ぶることの 弱りもぞする
90.見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
                              濡れにぞぬれし 色はかはらず
91.きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
                              衣かたしき ひとりかもねむ
92.わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
                              人こそ知らね かわく間もなし
93.世の中は 常にもがもな 渚こぐ
                              あまの小舟の 綱手かなしも
94.み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて
                              ふる里寒く 衣うつなり
95.おほけなく うき世の民に おほふかな
                              我がたつ杣(ソマ)に 墨染の袖
96.花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
                              ふりゆくものは 我が身なりけり
97.来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
                              やくや藻塩の 身もこがれつつ
98.風そよぐ ならの小川の 夕ぐれは
                              みそぎぞ夏の しるしなりける
99.人もをし 人も恨めし あぢきなく
                              世を思ふゆゑに もの思ふ身は
100.百敷(モモシキ)や 古き軒端の しのぶにも
                              なほあまりある 昔なりけり