例えば、3冊のファイルが本棚にランダムに並んでいる時、適当なファイルを左端に移動
する方法を繰り返して、元の順番になるまでの最短の手順を考える。
ABC :0回
ACB->BAC->ABC :2回
BAC->ABC :1回
BCA->ABC :1回
CAB->BCA->ABC :2回
CBA->BCA->ABC :2回
以上より、すべての順列では、0+2+1+1+2+2=8回の移動が対応し、任意の配列では、
8/3!=4/3回の手順で元の順番に戻せることが期待できる。
では、5冊のファイルがランダムに並んでいるとした場合、上記の方法で元に順番に並ば
せるための手順はいくつになるでしょうか?また、10冊ではどうか?
らすかるさんからのコメントです。(平成30年6月15日付け)
5冊で、394/5!=197/60 、10冊で、30052699/10!=30052699/3628800 で合ってますか?
合っていれば、式は、 n+1-[en!]/n! になると思います。
GAI さんからのコメントです。(平成30年6月16日付け)
1:0
2:1
3:8
4:55
5:394
6:3083
7:26620
8:253279
9:2642390
10:30052699
11:370496488
12:4924959455
13:70251493714
14:1070699203195
15:17368162415924
・・・・・・・・・・・・
で、ピタリあっています。
50個位までの期待枚数を出していたら、小数以下の数字が一致していき、何かしら数学
定数が関与していそうだとは思っていましたが、こんな一般式になるとは気づきませんでし
た。eは色んな現象の陰に隠れているものなのですね。
らすかるさんからのコメントです。(平成30年6月16日付け)
合っていたようなので計算を書きます。
n冊のファイルの並べ方で、最終的に右端に来るべきk冊が、左→右の順(間に他のファ
イルが入ってよい)になっているのは、n!/k!通りなので、右端のちょうどk冊が左→右の順に
なっているのは、n!/k!-n!/(k+1)!通り
右端のちょうどk冊が左→右の順になっているとき、
最短の手順は、n-k回なので、最短の手順の合計は、
Σ[k=1〜n-1]{n!/k!-n!/(k+1)!}(n-k)
=(n!/1!-n!/2!)(n-1)
+(n!/2!-n!/3!)(n-2)
+(n!/3!-n!/4!)(n-3)
+…
+(n!/(n-1)!-n!/n!)(n-(n-1))
=(n!/1!)(n-1)-n!/2!-n!/3!-n!/4!-…-n!/(n-1)!-(n!/n!)(n-(n-1))
=(n!)(n+1)-n!/0!-n!/1!-n!/2!-n!/3!-n!/4!-…-n!/(n-1)!-n!/n!
=(n+1)!-n!Σ[k=0〜n]1/k!
=(n+1)!-n!{[en!]/n!}
=(n+1)!-[en!]
よって、回数の期待値は、 {(n+1)!-[en!]}/n!=n+1-[en!]/n!