・恒等式の構成                       GAI 氏

 恒等式での問題で、

x5+2x4+3x3+4x2+5x+6=(x-2)5+a(x-2)4+b(x-2)3+c(x-2)2+d(x-2)+e のとき、a、b、c、d、e は?

に対し、係数比較法や数値代入法、または、s=x-2 として、

 (s+2)5+2(s+2)4+3(s+2)3+4(s+2)2+5(s+2)+6

の展開式を計算するなどの解法を目にする。何れもややめんどくさい計算になるが、次のパ
スカルの三角形風に計算をすることで、容易く結論を得られる。

 三角形形成では、次のルールで進める。

  a  b
   c(=2a+b)

実例(右端にxの多項式の係数を用いる。)

        1
              1   2
            1   4   3
          1   6   11  4
        1   8   23  26  5
      1   10  39  72  57  6
    1   12  59  150 201 120

 これより、

 x5+2x4+3x3+4x2+5x+6=(x-2)5+12(x-2)4+59(x-2)3+150(x-2)2+201(x-2)+120

 逆に、

 (x-3)5+2(x-3)4+3(x-3)3+4(x-3)2+5(x-3)+6=x5+Ax4+Bx3+Cx2+Dx+E を満たすA、B、C、
D、E は?


に対しては、

  a  b
   c(=b-3a)

での規則で
         1
        1    2
              1   -1   3
            1  -4    6   4
          1  -7   18  -14  5
        1  -10  39  -68  47  6
      1  -13  69 -185  251 -135

から、

 (x-3)5+2(x-3)4+3(x-3)3+4(x-3)2+5(x-3)+6=x5-13x4+69x3-185x2+251x-135

が成立する。


 らすかるさんからのコメントです。(平成30年4月20日付け)

 手計算向きではないですが、x5+2x4+3x3+4x2+5x+6 のxに1002を代入すると、

  1012059150201120 → 下から3桁ずつに分けて、 1 012 059 150 201 120

よって、 x5+2x4+3x3+4x2+5x+6=(x-2)5+12(x-2)4+59(x-2)3+150(x-2)2+201(x-2)+120

 x5+2x4+3x3+4x2+5x+6 のxに997を代入すると、

  987068815250865 → 下から3桁ずつに分けて、  987 068 815 250 865

 値が500以上のものを補数と考え、1000引いて負にして上位桁に1を加えれば、

  1 -13 69 -185 251 -135

よって、 (x-3)5+2(x-3)4+3(x-3)3+4(x-3)2+5(x-3)+6=x5-13x4+69x3-185x2+251x-135

# 結果の桁数が多くなる場合は、1002を10002や100002などにすれば求まります。


(コメント) なるほど!計算は大変ですが、1002を代入するのは面白いアイデアですね。


 DD++さんからのコメントです。(平成30年4月20日付け)

 左辺を x-2 で割って商と余りを求め、その商を  x-2 で割って商と余りを求め、
その商を  x-2 で割って商と余りを求め、その商を  x-2 で割って商と余りを求め、
その商を  x-2 で割って商と余りを求めると、余りとして e から順に得られますね。

 組立除法でやれば、計算も手早く終わります。

というか、まあ、GAI さんがやってる方法と本質は同じなんですけれども。


(コメント) 私もこの手の問題に対しては、DD++さんのように組立除法を愛用しています。



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