・連立方程式                       GAI 氏

 連立方程式 2*x+y+z=1 、x+2*y+z=1 、x+y+2*z=1 の解は、 (x,y,z)=(1/4,1/4,1/4)

 では、 x^2+y+z=1 、x+y^2+z=1 、x+y+z^2=1 の解はどうなるでしょうか?


 らすかるさんからのコメントです。(平成30年3月29日付け)

 第1式から第2式を引いて整理すると、 x(x-1)=y(y-1)

 対称性から、 x(x-1)=y(y-1)=z(z-1)

 x(x-1)=y(y-1)=z(z-1)=k とおくと、 x、y、z は、t(t-1)=k の解なので、x、y、z のうち少なくと
も二つは同じ値となる。

 x=y とすると、 x^2+x+z=1 、2x+z^2=1

 4x^2+4x+4z=4 に、2x=1-z^2 を代入して、 (1-z^2)^2+2(1-z^2)+4z=4

 すなわち、 (1-z^2)^2+2(1-z^2)-4(1-z)=0 より、 (1-z){(1+z)(1-z^2)+2(1+z)-4}=0 で、

 (1-z){(1+z)(1-z^2)-2(1-z)}=0 となり、 (1-z)^2(z^2+2z-1)=0

 よって、 z=1、-1±

 z=1 のとき、 x=y=0 、z=-1± のとき、 x=y=z=-1±

 従って、対称性を考慮して、解は、

 (1,0,0)、(0,1,0)、(0,0,1)、(-1±,-1±,-1±) (複号同順) の5組。


 S(H)さんからのコメントです。(平成30年3月29日付け)

 (-1+x)^2 x^2 (-1+2 x+x^2)=0 を解き、対称性を考えればよい。

 GAI さんの問題を模倣して、 n*x+y+z=1 、x+n*y+z=1 、x+y+n*z=1 の解は?


(コメント) 3式を辺々加えて、 (n+2)(x+y+z)=3 より、 x+y+z=3/(n+2)

     よって、 (n−1)x=1−3/(n+2)=(n−1)/(n+2) より、 x=1/(n+2)

     同様に、 y=z=1/(n+2)


 S(H)さんからのコメントです。(平成30年3月30日付け)

 「GAI さんの問題を模倣して、n*x+y+z=1 、x+n*y+z=1 、x+y+n*z=1 の解は?」ではなく、

 「改竄が蔓延るので、模倣犯になり、n*x+y+z=1 、x+n*y+z=1 、x+y+n*z=1 の解は容易
に獲られる。そして、GAI様の模倣問題を(提示し) お願い致します。」


 GAI さんからのコメントです。(平成30年3月30日付け)

 こんな見事な解決方法ができるんですね。たまたまグレブナー基底について勉強していた
ら、3変数多項式環Q[x,y,z]のイデアルの基底で、都合のよい性質を有する(辞書式順序が
成立)ものとしてグレブナー基底を構築し、これを元に解決するというテクニックに出会った。

 一応その道具で進めた経緯を記しておきます。

 イデアル I={x^2+y+z-1,x+y^2+z-1,x+y+z^2-1}⊂Q[x,y,z] からグレブナー基底を求める。

 この作業は手作業でもやれないことはないが、プログラム化させ計算機にかける手段をと
る。フリーソフトでGAPという数式処理システムを使う。

gap>Q:=Rationals;;
gap>x:=Indeterminate(Q,"x");;
gap>y:=Indeterminate(Q,"y");;
gap>z:=Indeterminate(Q,"z");;
gap>ideal:=[x^2+y+z-1,x+y^2+z-1,x+y+z^2-1];;
gap>lex:=MonomialLexOrdering(x,y,z);;
gap>G:=ReducedGroebnerBasis(ideal,lex);;
gap>Display(G);

より、 [z^6-4*z^4+4*z^3-z^2,1/2*z^4+y*z^2-1/2*z^2,y^2-z^2-y+z,z^2+x+y-1]

が返される。そこで、この第1成分=0 より、z^2*(z-1)^2*(z^2+2*z-1)=0 を解いて、

 z=0、1、-1±√2

 z=0 の時、第3成分=0 から y=0、1

  (y,z)=(0,0) なら、第4成分=0 から x=1 、(y,z)=(1,0) なら、x=0

 z=1の時、第2成分=0 から y=0、第4成分=0 から x=0

 z=-1+√2 の時、第2成分=0 から y=-1+√2、第4成分=0 から x=-1+√2

 z=-1-√2 の時、同様に、x=y=-1-√2

 以上から、(x,y,z)=(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1),(-1±√2,-1±√2,-1±√2)

 この手があれば、連立方程式 x^2+y+z=1、x+y^2+z=3、x+y+z^2=7 や x^2+y+z=2、
x+y^2+z=4、x+y+z^2=8 の様な対称性が壊れたものでも、整数解なら求まるかもしれないが
他の実数解(あるいは複素数解)を求めることは不可能ではないかと思われるものまで近似
値を出せることになりそうです。


 S(H)さんからのコメントです。(平成30年3月30日付け)

 {x^2+y+z-2,x+y^2+z-4,x+y+z^2-8} の 方について、

1 -2+x^2+z 0
0 1 -2+x^2+z
1 0 -4+x+z

---Det-->-4 + x + z + (-2 + x^2 + z)^2 (●ワイを消去した顛末)

1 -2+x^2+z
1 -8+x+z^2
---Det-->-6 + x - x^2 - z + z^2
 (●ワイを消去した顛末)

-------------------------------------------
1 -3+2 x^2 x-4 x^2+x^4 0
0 1 -3+2 x^2 x-4 x^2+x^4
1 -1 -6+x-x^2 0
0 1 -1 -6+x-x^2

---Det-->x (4 + 26 x - 8 x^2 - 3 x^3 + 4 x^4 - 8 x^5 + x^7) (■ zを消去した顛末)

  ( >の様な対称性が壊れたものでも、整数解なら求まるかもしれないが他の実数解(ある
 いは複素数解)を求めることは不可能ではないかと思われるものまで近似値を出せること
 になりそうです、の具現)から、

{0, -3.011003754373254913840543794074375963078015272562755725499670072\
88497, -1.\
32153739393124280531925890781820277518726308514102035054319325885097, \
-0.1476077606184579658566468986476465256553131103683486778003325021770\
49, 1.3910456673404601158810814647614817722497544623333883862217565501\
6072, 2.59952973202376833389445551122341304687245064393832106782752613\
322412, 0.\
244786754779363617620456312277665222399193180900207649896956575264073 \
- 1.350332686847257773670031109042797286778286896521197469593204283588\
374 I, 0.2447867547793636176204563122776652223991931809002076498969565\
75264073 +
  1.350332686847257773670031109042797286778286896521197469593204283588\
374 I}

(参考) 石井大海 氏 「代数幾何ゼミ」(早稲田大学 基幹理工学部)


 GAI さんからのコメントです。(平成30年3月30日付け)

 必要以上に桁数の多い数字を羅列されても何をされているのかさっぱり分かりません。
もし、x=0の場合の解は、(x,y,z)=(0,-1,3)の整数解になるのではないでしょうか?
(これのみが整数解で、他は実数解が5組、複素数解が2組では?)



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