・どちらが長い?                         S.H 氏

 飯高先生のWebサイト「数の不思議世界」(平成30年1月9日付け)で、HN「壊れた扉」さ
んが提起された問題:

 長方形の周の長さは、それと等しい面積の円の円周より必ず長くなることを示せ。

が面白そうだったので考えてみた。

 例えば、半径2の円の面積は、4π(≒12.566) で、円周の長さは、4π(≒12.566)



 面積が12.566の長方形をいくつか考えてみると、それらの周の長さは、

 左より、 2×(5.712+2.2)=15.824
       2×(2.856+4.4)=14.512
       2×(3.545+3.545)=14.18

となって、いずれも円周の長さより長い。しかも、正方形に近い形ほど周の長さが最小っぽく
なり、円周の長さに近づくようだ。

 上記では、3つの場合を調べたが、この事実は、いつも言えることらしい。

(証明) 面積が一定のとき、周の長さが最小になるのは正方形のときである。

 そこで、円の半径を r とし、正方形の一辺の長さを x とおくと、題意より、 x2=πr2

すなわち、 x=(√π)r である。このとき、正方形の周の長さは、 4(√π)r で、

円周の長さは、 2πr なので、 4(√π)r−2πr=2(√π)r(2−(√π)) において、

 22−(√π)2=4−π>0 より、 2−(√π)>0

 よって、 4(√π)r>2πr となり、長方形の周の長さは、円周より長くなる。  (証終)


(コメント) (√π)の近似値が気になったので調べてみたら、(√π)≒1.77245385・・・

 4(√π)r−2πr≒(0.80663・・・)r なので、長さを議論するほどには競ってないかな?



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