半径1の円Oに内接している四角形ABCDは対角線が直交しているとする。
今、3つのベクトル OA、OB、OC について、3*OA + 4*OB + 2*OC = 0 の関係が成立
しているとき、四角形ABCDの面積は何か?
また、これを一般化して、円Oの半径をRとし、a、b、c>0 なる定数で、
a*OA + b*OB + c*OC = 0
である場合の四角形ABCDの面積Sを求める公式を導き出して下さい。
(ただし四角形の対角線は直交するものとする。)
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月26日付け)
3*OA + 4*OB + 2*OC = 0 から、 3*OA + 2*OC = - 4*OB
両辺の大きさの平方を計算して整理することにより、 OA・OC = 1/4
よって、 |AC|2 = 2 - 2OA・OC = 3/2
また、同様に、 OA・OB = -7/8 、OC・OB = -11/16
さらに、四角形ABCDの対角線が直交しているので、
(OA+OC)・(OB+OD) = (OA-OC)・(OB-OD) = 0
このことから、 OD・OA = 11/16 、OD・OC = 7/8 なので、
OD・OB = -(3/4)OD・OA - (1/2)OD・OC = -61/64
よって、 |BD|2 = 2 - 2OD・OB = 125/32
したがって、 S = (1/2)|AC||BD| = 5√15/16
#一般的にもこれと同じようにやればできるでしょうが……手計算だとちょっと面倒ですね。
GAI さんからのコメントです。(平成29年11月26日付け)
内積計算を巧みに組み合わせられて求められた方法に感激です。
線分AOCが四角形ABCDの面積を2分することに気づくと、△OAB、△OBCを求めれば、
S=2*(△OAB + △OBC) より公式を構成することはできなくもないです。
りらひいさんからのコメントです。(平成29年11月26日付け)
純粋なベクトルの問題なのに、直交する成分に分解して(すなわち座標の感覚で)解いてし
まいました。すごく負けた気がする!!
(私が計算ミスしていなければ、)半径Rの円に内接し、対角線が直交し、外接円の中心か
ら各頂点へのベクトルが、a*OA + b*OB + c*OC + d*OD = 0 を満たす四角形ABCDの
面積Sは、
S = R2 * |a+c||b+d| * √{(-a+b+c+d)(a-b+c+d)(a+b-c+d)(a+b+c-d)} / {2(ab+cd)(ad+bc)}
となります。よって、GAIさんの問題の答えはこの式にd=0を代入すれば求まります。
ためしに 、a=3, b=4, c=2, d=0, R=1 を代入してみると、
S = 1^2 * |3+2||4+0| * √{(-3+4+2+0)(3-4+2+0)(3+4-2+0)(3+4+2-0)} / {2(3*4+2*0)(3*0+4*2)}
= 1*5*4*√{3*1*5*9}/{2*12*8} = 5√15/16
となります。
#上記で、わたしが出した式は開平の仕方がおかしい気がする。上記の式のもとの形は次
の形です。
p = (b+d)^2*(a-b+c+d)(a+b+c-d)/{4(ab+cd)(ad+bc)}
q = (a+c)^2*(-a+b+c+d)(a+b-c+d)/{4(ab+cd)(ad+bc)} が、0≦p≦1, 0≦q≦1 を満たしてい
るとき、
S = 2*R^2*√p*√q
符号とか気を付けてみてください。
moonlightさんからのコメントです。(平成29年11月28日付け)
面白いので、TeX とMetaPostで図を描いて遊んでます。a、b、c の条件で、作図してみて思っ
たのですが、a、b、c を3辺とする三角形が出来ることが必要なのですね。
そうすると、先ずその三角形を作図してから辺を移動する事で正確な図が描ける事が判り、
それって何か関連があるかなぁと遊んでいるところです。
この条件に関しては何か意図や意味があるのでしょうか。つまり、a、b、cが正の数という事
ですけど。
GAI さんからのコメントです。(平成29年11月28日付け)
公式を導きだす場合、根号外へ出す必要があるときに絶対値を付けずに済むように、の意
味で条件に付けくわえておりました。従って、それを厭わないならどんな定数でもあり得るわけ
です。
moonlightさんからのコメントです。(平成29年11月28日付け)
つまり、3*OA + 6*OB + 2*OC = 0 をみたすようなABCがあり得ると...?
DD++さんからのコメントです。(平成29年11月28日付け)
a*OA、b*OB、c*OC の3つのベクトルは、和が0なので三角形を閉じることができます。
つまり辺の長さが a、b、c の三角形ができるわけですね。
a、b、c が三角形の3辺となりえない数の場合は、a*OA+b*OB+c*OC=0 となる円周上
の3点は存在しませんので、今回の問題では考えなくてよいことになります。
負の数も考慮に入れる場合でも、3数の絶対値について同様のことが言えますね。
moonlightさんからのコメントです。(平成29年11月29日付け)
矢張り、そのように考えてよさげですよね。作図してみて、a、b、c を三辺とする三角形の
面積Tを元に、容易に求積できることが判り楽しかった。
例えば、△OABの面積は、T×1/3×1/4 となりますね。