・ 掛け算で気が付いた事 S.H氏
別の課題に取り組んでいるとき、2桁の数と1桁の数の積について調べることになり、そ
の過程で、今まで私自身気が付かなかったことに気づかされた。
たとえば、3つの数 4、7、9 を組み合わせて、2桁の数と1桁の数の積を作るとき、そ
の答が最大になる組合せは、74×9 であって、決して 94×7 ではない。
いま、3つの数を a 、b 、c ( 1≦a <b <c≦9 )とし、これらを全て用いて、2桁の数
と1桁の数の積を作るとき、その答が最大になるものは、
ba × c
という場合である。
証明は、易しい。
数の特徴から、 ca × b 、 cb × a 、 bc × a 、 ba ×
c について、大小を調べ
れば十分である。
ca × b と cb × a の比較
(10 c + a ) × b − (10 c + b ) × a = 10 c (
b − a )> 0 より、
ca × b > cb × a
ca × b と bc × a の比較
(10 c + a ) × b − (10 b + c ) × a = 10 b (
c − a ) + a ( b − c )
> 10 a (
c − a ) + a ( a − c )
= 9 a ( c
− a )> 0 より、
ca × b > bc × a
(この不等式は、cb × a > bc × a から自明ですね!)
ca × b と ba × c の比較
(10 c + a ) × b − (10 b + a ) × c = a ( b
− c )< 0 より、
ca × b < ba × c
以上の計算から、ba × c という組合せが、最大の答を与えることが分かる。