・ニュートンの凄さ                       GAI 氏

 ニュートンはロンドンでペストが大流行しているとき、大疫から逃れるため、故郷のグラン
サムに戻っていた時、世紀の大発見、万有引力の法則を確立させる大功績を成し遂げる
合間に、円周率を

 π=3*√3/4+24*∫0 1/4 √(x-x2)dx

の計算を利用して小数第16位まで求めた、との記事を見る。

 どんな計算なのか興味が湧いたので、コンピュータで計算の経緯を調べてみた。

I(x)=∫√(x-x2)dx=1/4*(2*x-1)√(x-x2)-1/8*arcsin(1-2*x)
    =2/3*x^(3/2)-1/5*x^(5/2)-1/28*x^(7/2)-1/72*x^(9/2)-5/704*x^(11/2)-7/1664*x^(13/2)-・・・

から、

π=3*√3/4+24*(I(1/4)-I(0))
  =3*√3/4+24*(1/12-1/(5*2^5)-1/(28*2^7)-1/(72*2^9)-5/(704*2^11)-7/(1664*2^13)-・・・
 =3*√3/4+2-24*(1/(5*2^5)+1/(28*2^7)+1/(72*2^9)+5/(704*2^11)+7/(1664*2^13)+・・・)
  =3*√3/4+2-3*2^5/2^2*(1/(5*2^5)+1/(28*2^7)+1/(72*2^9)+5/(704*2^11)+7/(1664*2^13)+・・・)
  =3*√3/4+2-3/4*(1/5+1/(28*2^2)+1/(72*2^4)+5/(704*2^6)+7/(1664*2^8)+・・・)
  =3*√3/4+2-3/4*(1/5+1/((7*2^2)*2^2)+1/((9*2^3)*2^4)+5/((11*2^6)*2^6)+7/((13*2^7)*2^8)+・・・)
  =3*√3/4+2-3/4*(1/5+1/(7*2^4)+1/(9*2^7)+5/(11*2^12)+7/(13*2^15)+・・・)
  =3*√3/4+2-3/4*Σ[k=0,∞]binomial(2*k,k)/(16^k*(k+1)*(2*k+5))
 (*この部分の変形はとてもじゃないが思いつかない。ニュートンはこのΣ部分の22項分を利用したという。

k=0,21(22項分の和)で計算してみたら、

π=3*√3/4+2-3/4*
  (1/5
  +1/112
  +1/1152
  +5/45056
  +7/425984
  +7/2621440
  +33/71303168
  +429/5100273664
  +715/45097156608
  +2431/790273982464
  +4199/6871947673600
  +29393/237494511599616
  +52003/2040693581152256
  +185725/34902897112121344
  +111435/99079191802150912
  +1938969/8070450532247928832
  +17678835/341264765363626704896
  +21607465/1918461383665793368064
  +119409675/48404256449413863440384
  +883631595/1624494070107157953511424
  +109402007/906694364710971881029632
  +6116566755/227278054087550284844761088)
 = 3.1415926535897932 6448824048224

一方、 gp > Pi = 3.1415926535897932 3846264338328  と、確かに小数以下16位まで
一致させられる。

即ち、上記の計算を計算機無しで、引力についての考察をしながら間違いなく、まるで遊び
のようにやり遂げる能力に驚愕です。



                         投稿一覧に戻る