チラッと見て、解いてみようかなと思わせる問題をいくつか置いておきます。
(1) 等式 (1+1/a)(1+1/b)=2 を満たす自然数の組(a,b)をすべて求めよ。
(2) △ABCの辺BC、CA、ABの中点をそれぞれD、E、Fとする。∠AFC=110°、
∠ADC=70°で、∠CAD=20°のとき、∠ABEの大きさを求めよ。
(3) a、b は実数で、0<a<b 、a+b=2 のとき、0<a<1<b<2 であることを示せ。
(4) 任意の自然数mに対して、(m2)! は、(m!)m+1 の倍数であることを示せ。
(例) m=2 のとき、(m2)!=4!=24 は、(m!)m+1=23=8 の倍数である。
m=3 のとき、(m2)!=9!=362880 は、(m!)m+1=64=1296 の倍数である。
実際に、362880÷1296=280 で割り切れる。
(5) 凸5角形があり、任意の対角線は、その対角線に交わらない辺に必ず平行とする。
このとき、その辺と対角線の比は常に一定になる。比の値を求めよ。
(6) 2以上の自然数nの約数を小さい順に、 x1(=1)、x2、x3、・・・、xk-1、xk(=n) とする。
このとき、 x1x2+x2x3+・・・+dk-1xk<n2 であることを示せ。
(例) n=6 のとき、約数は、1、2、3、6 なので、1・2+2・3+3・6=26<62
(解)(1) 等式より、(a+1)(b+1)=2ab なので、 (a−1)(b−1)=2
よって、 (a−1,b−1)=(2,1)、(1,2) より、(a,b)=(3,2)、(2,3)
(2) 中点連結定理より、ACとFDは平行なので、∠FDG=30°
∠ADB=110°なので、4点B、D、G、Fは同一円周上にある。
よって、 ∠ABE=∠FDG=30°
(3) a=2−b>0 より、b<2 である。ab=k とおくと、a、bは、2次方程式
F(x)=x2−2x+k=0 の2つの実数解である。
よって、F(x)=(x−1)2+k−1 より、軸の式は、x=1
したがって、 0<a<1<b<2 である。
(4) m2人をm人ずつm組に分ける方法の数は、
m2Cm・m2-mCm・・・・・2mCm÷m!=(m2)!/((m!)m+1)
右辺は整数なので、(m2)! は、(m!)m+1 の倍数である。 (終)
(5) 四角形EFDGが平行四辺形となるように点Gをとる。
BC=x、CD=y とおく。BDとAEは平行なので、BD : AE=1 : r (r>0) とすると、
AF=rx 、EF=ry である。BF : AF=CG : EG より、 y : rx=(r+1)y : x なので、
1 : r+1= r : 1 となるので、r2+r−1=0 これを解いて、r=(−1)/2
このとき、 BC : AD=x : (r+1)x=2 : +1
CD : BE=y : (r+1)y=2 : +1
DE : CA={1/(1+r)}x : {r/(1+r)}x +rx=1 : r2+2r
ここで、r2=1−r なので、DE : CA=1 : 1+r=2 : +1
同様にして、 EA : BD=AF : FD=rx : x=r : 1=1 : 1/r
ここで、r2=1−r より、 1+r=1/r なので、EA : BD=1 : 1+r=2 : +1
AB : CE=BF : CG=y : (r+1)y=1 : 1+r=2 : +1
以上から、辺と対角線の比は常に一定で、2 : +1 となる。
(6) 題意より、 x1xk=n、x2xk-1=n、x3xk-2=n、・・・ なので、
x1x2+x2x3+・・・+dk-1xk
=(n/xk)(n/xk-1)+(n/xk-1)(n/xk-2)+・・・+(n/x2)(n/x1)
ここで、 x1≧1、x2≧2、x3≧3、・・・、xk-1≧k−1、xk≧k であるので、
≦n2(1/k(k−1)+1/(k−1)(k−2)+・・・+1/(2・1))
=n2(1/(k−1)−1/k+1/(k−2)−1/(k−1)+・・・+1−1/2)
=n2(1−1/k)<n2