・四角形の内接楕円の面積               しろうま氏

 五十路の手習いで、図学と幾何学を勉強しているのですが、次のような疑問を持ちました。

 凧形および凸型の四角形に内接する楕円で面積が最大となるときの条件はどのようなも
のでしょうか?作図方法はあるのでしょうか?ご教示願えれば幸甚です。

 凸型の四角形とは180度を越える頂角を持たず四辺が全て等しくない図形(convex)を指
します。凧形も同様に矢じり型を除きます。楕円は焦点、軸長、周上点、共役接線など作図
に必要な要件がわかれば描けるものとします。

 エクセルの計算とCADによる作図から最大面積の近似値を求めてみましたが、次のような
ことしかわかりません。ただし素人考えなので間違っているかもしれません。

1) 最大楕円と外接図形との接点は:

 正方形・菱形・長方形・平行四辺形では、各辺の中点
 台形では、平行となる辺の中点
 凧形と凸型四角形では、辺の中点とならない
 限りなく二等辺三角形に近い凧形では、接点のひとつは長い方の辺の中点の限りなく近く
 にある

2) いずれの図形でも接点の軌跡は正体不明の曲線となる

3) 凧形と凸型では最大楕円の中心は幾何的重心とも物理的重心とも一致しない

 接点に注目したのは、わたしの作図法では接点を与えないと内接楕円が描けないからで
す。三角形にはシュタイナー楕円やガウス楕円があります。五角形以上では内接楕円は一
つしか描けませんので大小はありません。四角形の接楕円を研究した方はおられないので
しょうか?

 ご教示なにとぞよろしくお願いします


 DD++さんからのコメントです。(平成29年7月24日付け)

 少し探してみましたが、見当たらないので自分で考えてみています……が、なかなか大変。
とりあえず、四角形の場合は対角線がお互いを内分するときの内分比が鍵になるようです。
おそらく、「対角線が片方は 1:2、片方は 1:3 に内分される四角形だけ考える」などすると、
接点の位置について何か見えてくるのではないかと思います。

 (正方形、長方形、菱形を含めて)平行四辺形の場合、つまり、対角線の内分比が両方と
も 1:1 である場合に、各辺の中点が接点になることは、三角形のシュタイナー楕円の話と
全く同様に示せそうですが、台形(対角線の内分比が互いに等しい)、凧型(対角線の内分
比が片方は 1:1)、一般の凸四角形(対角線が互いに内分されることしか保証されていない)
の場合にどうなるかは手間取りそうです。

 私の手元で解決するか、あるいは諦めるかしたらまたは詳細を投稿します。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月24日付け)

 早々のコメントありがとうございます。思ったよりややこしい問題なのですね。対角線の内
分比というのは気づきませんでした。対角線と接点の関係について考察を続けてみます。


 らすかるさんからのコメントです。(平成29年7月24日付け)

 もし、「凧形に内接する最大の楕円は、中心が凧形の対称軸上にあり、楕円の軸は凧形
の対角線と平行」が成り立つのであれば、凧形については以下のように計算できます。

 凧形の4頂点を、(a,0)、(-b,0)、(0,1)、(0,-1) (a>b>0)とし、楕円を、
(x-p)^2/q+y^2/r=1(q>0,r>0)とおくと、楕円がy=(x-a)/aに接することから、xに関する二次
方程式 (x-p)^2/q+{(x-a)/a}^2/r=1 すなわち、(a^2r+q)x^2-2a(apr+q)x+a^2(p^2r+q-qr)=0 の
判別式が0
 ∴ D/4=a^2(apr+q)^2-(a^2r+q)a^2(p^2r+q-qr)=0
 整理して、p^2-2ap-q-a^2r+a^2=0 … (1)

 同様に、y=(x+b)/bに接することから、xに関する二次方程式 (x-p)^2/q+{(x+b)/b}^2/r=1
すなわち、(b^2r+q)x^2-2b(bpr-q)x+b^2(p^2r+q-qr)=0 の判別式も0
 ∴D/4=b^2(bpr-q)^2-(b^2r+q)b^2(p^2r+q-qr)=0
 整理して、p^2+2bp-q-b^2r+b^2=0 … (2)

 (1)-(2) から、r=1-2p/(a-b) … (3)

 (1)または(2)に代入して、r を消去して整理すると、 q=p^2+2abp/(a-b) … (4)

 楕円の面積は、S=π√(qr) なので、 {(a-b)S/π}^2=(a-b)^2qr=p{(a-b)p+2ab}{(a-b)-2p}

 f(p)=p{(a-b)p+2ab}{(a-b)-2p} とおくと、

f'(p)={(a-b)p+2ab}{(a-b)-2p}+(a-b)p{(a-b)-2p}-2p{(a-b)p+2ab}
  =-6(a-b)p^2+2(a^2-6ab+b^2)p+2ab(a-b)

 f'(p)=0 の解は、 p={(a^2-6ab+b^2)±√{(a^2-6ab+b^2)^2+12ab(a-b)^2}}/{6(a-b)}
            ={(a^2-6ab+b^2)±√(a^4+14a^2b^2+b^4)}/{6(a-b)}
            (={(a-b)^2-4ab±√((a^2-b^2)^2+(4ab)^2)}/{6(a-b)})

なので、 p={(a^2-6ab+b^2)+√(a^4+14a^2b^2+b^4)}/{6(a-b)} のときに、楕円の面積が最
大になる。q,rは、このpを(3)(4)に代入すればよい。

 接点は、 (a(a+b)p/{(a-b)(a-p)},±a{2p-(a-b)}/{(a-b)(a-p)}) と
       (-b(a+b)p/{(a-b)(b+p)},±b{2p-(a-b)}/{(a-b)(b+p)})

になります。

# pに{(a^2-6ab+b^2)+√(a^4+14a^2b^2+b^4)}/{6(a-b)}を代入すれば、a,bのみの式になりま
 すが、複雑になりますので、pは残しました。

 よって、一応「作図可能」ではありますが、簡単に作図できるかどうかはわからないですね。

 上記の1個目の接点のx座標は、b=ak(0<k<1)とおくと、

  a{(1-4k-k^2)+√(1+14k^2+k^4)}/{4(1-k)}

となり、k→0及びk→1のとき、a/2(中点)となります。つまり、菱形に近い時と二等辺三角形
に近い時は、ほぼ中点ということです。

 グラフを描いてみるとわかりますが、0<k<1のときは中点よりややy軸よりとなり、内分比
は、k=-=0.317837… のとき、最小値 (3-+-)/2=0.434173… となります。

# 関係あるかどうかわかりませんが、上記の最小値は、(1-tan7.5°)/2ですね。


 DD++さんからのコメントです。(平成29年7月25日付け)

 どうやら、最大の楕円どころか、「凧形に内接する"全ての"楕円は、中心が凧形の対称
軸上にあり、楕円の軸は凧形の対角線と平行」なようです。

 真円の場合は軸をそのように見なすということになりますが...。

 そこから先簡単な計算で出せないか考えていたのですが、そんなごっちゃりした式になる
なら無謀な挑戦でしたね……。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月25日付け)

 らすかるさん、詳細な解説をありがとうございます。取急ぎ、電卓で値を求めてノートの数
値と比べてみた瞬間、思わず「おお、合ってる!」と叫んでしまいました。ちゃんと式が書け
るのですね。すごいです。ただ予想通りと言うべきか、導出の過程はほとんど理解できてい
ません。面積を微分しているのかなとおぼろげにわかる程度です。申し訳ありません。今か
ら作図してみます。4次の項はズルして数値を使わないと描けないかもしれません。

 先ずは御礼まで。

 DD++さん、フォローありがとうございます。とても手に負えるような問題ではなかったという
ことがわかりました。一番無謀なのはこの私でありました。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月26日付け)

 らすかるさん、追加コメントありがとうございます。おかげさまで、凧形で最大楕円の作図
ができました。接点も認識されるのでCADの精度内では正しく描けているはずです。ただし
4次の項は単位長“1”を使っていますので、ギリシアの先生方には叱られるでしょう。

 作図の過程で、(1-tan7.5°)/2 と関係ありそうな傾きは今のところ見つかりません。でも
貴重なヒントです。今後は線分の傾きにも気をつけてみます。それにしても、らすかるさん
は三角関数表を全部覚えておられるのでしょうか?驚異です!

 凸型については未解決ですが、凧形だけでも最大楕円が描けることがわかり感激です。
ほんとうにありがとうございました。


 らすかるさんからのコメントです。(平成29年7月27日付け)

 見覚えがある値なので、以前作った↓で探しました。


 DD++さんからのコメントです。(平成29年7月26日付け)

 台形については、上底と下底の長さ比が脚の接点の内分比になると思います。上底と下
底は中点で。

 また、凸四角形のうち対角線の内分比が片方は1:1になっているものは、対角線が直交で
なくても辺の内分比は、らすかるさんの求めた凧型の値と同様になるはずです。

 一般の凸四角形は難しい……。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月27日付け)

 追加情報ありがとうございます。台形に関して、仮説は正しかったことがわかりました。凸
型四角形でも、対角線の片方が1:1内分の時は、らすかるさんの式が使えました。凧形で
さえあれほど複雑なのに、一般化がどれ程難しいか、私には創造もつきません。もし式が出
たとしても8次くらいになるのではと考えると恐ろしくなります。


 DD++さんからのコメントです。(平成29年7月26日付け)

 凧型に関して、ちょっと気づいたことがあったので...。

 BDを対称軸とする凧型ABCD があり、2*AB*AD=AC^2 を満たしています。この凧型ABCD
の内接楕円のうち面積が最大のものはどんな楕円でしょうか?

 らすかるさんの式から各軸の長さを求めることで証明はできるわけですが、幾何学的に、
この 2*AB*AD=AC^2 が一体何を意味する式なのか……。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月29日付け)

 DD++さん、追加コメントありがとうございます。2*AB*AD=AC^2の条件で内接する最大楕
円の共通の性質は何か、ということでしょうか?むずかしそうですが考えてみます。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年7月30日付け)

 凧形が2*AB*AD=AC^2を満たす図形のパターンは二つ考えられます。

I)ACを一定としてABとADの長さを変える
II)AB(またはAD)を一定としてACとAD(またはAB)の長さを変える

 他にもあるかもしれませんが思いつきません。

 I)とII)の場合において、

1) らすかるさんの計算式で求めた接点座標から作図すると内接楕円は全て円になる
2) CADの自動描画機能で内接円を描かせると接点の座標は計算値と一致する

 全然幾何的な検証になってませんが、2*AB*AD=AC^2とは、最大内接楕円が円になると
きの凧形のプロポーションということなのでしょうか?

 ところで、DD++さんはこの条件をどのような発想から思いつかれたのですか?


 DD++さんからのコメントです。(平成29年7月31日付け)

 2*AB*AD=AC^2とは、最大内接楕円が円になるときの凧形のプロポーションなの?

 どうもそのようです。幾何学的にも意味があるのではないかと思っているのですが、さっぱ
り……。

 DD++さんはこの条件をどのような発想から思いつかれたのですか?

 らすかるさんの式から、その楕円の両軸が等しくなる条件を作ってみたら思いのほか綺麗
な式になったのです。数学って、綺麗な式に落ち着いたときは何かしら背景があることが多
いのですが、さて何が潜んでいるのか……。


 らすかるさんからのコメントです。(平成29年7月31日付け)

 「2*AB*AD=AC^2」に潜んでいるものはよくわかりませんが、別の式で表すと、
「sin∠ABD・sin∠ADB=1/2」という式にはなりますね。

 ・・・ということは、AC=(△ABDの外接円の直径)でもありますので、(同じことの言い換えに
過ぎませんが)

 △ABDの(BDを底辺と見た)高さと外接円の半径が等しい

とか、

 △ABDで外心をO、AからBDに下した垂線の足をHとするとAO=AH

のようにも言えます。

# だから何?という感じですが。


 りらひいさんからのコメントです。(平成29年8月2日付け)

 2*AB*AD=AC^2 に、何が潜んでいるのか……。

 幾何学的な意味って難しいですね。とりあえず、次のように言い換えられるみたいだけれ
ど、幾何学的につなげられない……。

 2*AB*AD=AC^2 は、凧型四角形ABCDを、凧型を維持して対角線の内分比が一定かつ
面積が一定の条件のもとで変形させたとき、周長が最小となるための条件になる。…(※)

 (※)の証明を幾何学的にしようとしたけれど、うまくいきませんでした。微分でごりごり計算
すると、下みたいな感じです。

 BDを対称軸とする凧型四角形ABCDにおいて、ACとBDの交点をOとする。三角形ABCの
面積をS、三角形ADCの面積をTとおく。

 対角線の内分比が一定より、S/T = 一定、四角形ABCDの面積一定より、S+T = 一定

 よって、S,Tは定数。

 AO=CO=x とおくと、BO=S/x, DO=T/x となる。

  AB=BC=√(x^2+(S/x)^2) 、CD=DA=√(x^2+(T/x)^2)

 周長L=AB+BC+CD+DA をxで微分すると、dL/dx={2AO^2/(AB*AD)-1}*L/x となるので、
dL/dx=0となるのは、AB*AD=2AO^2 のときになる。


 (※)の続きの議論はだいたい次のような感じです。

 楕円が内接している凧型四角形がある。このとき、楕円の軸と凧型四角形の対角線は平
行または垂直となる。

 楕円の長径と短径の比をkとおく。この凧型四角形と内接楕円を、楕円の短軸方向へ√k
倍引き伸ばし、長軸方向は1/√kに縮める。(正確に言うなら座標変換を行う。)

 そうしてできた図形は(別の)凧型四角形とその内接円になる。このとき、凧型四角形の対
角線の内分比は変形前後で維持される。

 また、凧型四角形、楕円(円)ともに元の図形と面積は変わらない。

 よって、凧型四角形に内接している楕円の面積が知りたければ、変形した後の円の面積
がわかればよい。

 ところで、円が内接している多角形に関して、次の式が成り立つ。

  多角形の面積=多角形の周長×内接円の半径÷2

 内接円の面積を最大にするには内接円の半径を最大にすればよく、多角形の面積が一
定の場合には周長を最小にすればよい。

 よって、凧型四角形を対角線の内分比が一定、面積が一定の条件のもとで周長が最小と
なるように変形させ、その変形した凧型四角形の内接円を逆の変形を行って楕円にしたも
のが、もとの凧型四角形における面積最大の内接楕円になる。

 そして、もともとの凧型四角形がその対角線の内分比および面積において最小の周長と
なる図形だった場合は、面積最大の内接楕円は内接円と一致する。


 (※)を幾何学的に証明するアイディアが浮かびませんでした。このアプローチは失敗なの
か、わたしのひらめきが足りなかったのか……。


 DD++さんからのコメントです。(平成29年8月3日付け)

 後半、私と同じことを考えていますね。最大楕円が円になる条件を探し始めたのはまさに
これが理由です。一旦考えたことの共有として、私がここまでに考えたことを中途半端な状
態でもまとめて投稿しようかなあ。めちゃくちゃ長くなりそうですが。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年8月3日付け)

 わたしも辺AB,ADの長さを対角線AO,ADの長さで書き表すことまでは考えたのですが、
S/x, T/xが思いつかず挫けていました。今まで調べた凧形は面積の条件をつけていません
でした。3条件の揃う図形をどうやって描くかを模索してみます。

 DD++さん、おそまきながらコメントありがとうございました。


 しろうまさんからのコメントです。(平成29年8月8日付け)

 りらひいさんのアイデアにもとづき、任意の凧形を AC^2=2*AB*AD を満す凧形に変換す
る方法を試してみました。残念ながら作図法はまだ見つかりません。最大内接楕円が円に
なる凧形から任意の凧形と楕円への同積変換はたやすいのですが、逆は極めて困難です。

 ABとADを上の式に代入すると、

 4x^2= 2*√(x^2+(S/x)^2)*√(x^2+(T/x)^2) より、3x^8-x^4(S^2+T^2)-S^2*T^2=0 ・・・(1)

 X=x^4 とおいて、 3X^2-X(S^2+T^2)-S^2*T^2=0  ・・・(2)

 任意の凧形の頂点座標:A(0,1)、B(-1/2,0)、C(0,-1)、D(1,0) のとき、

 S=1/2 、T=1 、3X^2-(5/4)X-(1/4)=0  ・・・(3)

 (3)をWebの計算サイトに入れて得られた2つの解のうち正の実数解:X=0.564333… ・・・(4)
から、 x=X^(1/4)=0.866730… ・・・(5)

 この値で作図すると、面積、辺長とも条件を満たすらしい凧形が描けました。

 3X^2-(S^2+T^2)X-S^2*T^2=0 であれば2次の解の公式を使ってxを作図により求められ
そうです。しかし、らすかるさんの式を使って描くのとどちらが楽かは微妙なところです。


 りらひいさんからのコメントです。(平成30年6月9日付け)

 去年、計算途中で放置していたものを再び進めました。

※言葉の定義

 以下において、x+y≠0 のとき、「線分PQを x:y に分割する点」とは、位置ベクトルの原点
をOとしたとき、位置ベクトル OR = (y/(x+y))*OP + (x/(x+y))*OQ によって与えられる点R
ということにする。

 x*y>0 ならば線分PQの内分点、x*y<0 ならば線分PQの外分点、x*y=0 ならば点Pまたは
点Qになる。

 凸四角形AFBGの対角線AB、FGの交点をK、ABの中点をM、FGの中点をNとおく。
AK:KB = a:b、FK:KG = f:g (a、b、f、g>0) であるとする。四角形AFBGの面積をSとおく。
四角形AFBGの二組の対辺がともに平行でない場合、AFとBGの交点をI、AGとBFの交点を
Jとする。

 p = 4ab/(a+b)^2、q = 4fg/(f+g)^2 とおく。

 これは幾何平均と算術平均の比の値の二乗であるため、1以下の正の数になる。
(四角形AFBGが台形の場合は p=q が成り立つ。)

 h(t) = t(1-t)(p(1-t)+qt) とおく。

 凸四角形AFBGの各辺または各辺を延長した四直線に接する楕円と双曲線は、
t≠ 0、1、p/(p-q) を満たす t を決めると一つに定まり、そのときの楕円または双曲線をC[t]
とおくと以下の性質をもつ。

・h(t)>0 のとき楕円になり、h(t)<0 のとき双曲線になる。

・C[t]の中心は、線分MNを 1-t : t に分割する点

・C[t]と四角形AFBGの各辺(またはその延長直線)との接点は、以下の四点

  線分AFを (1-t)*(f+g)/(2f) : t*(a+b)/(2a) に分割する点
  線分BFを (1-t)*(f+g)/(2f) : t*(a+b)/(2b) に分割する点
  線分BGを (1-t)*(f+g)/(2g) : t*(a+b)/(2b) に分割する点
  線分AGを (1-t)*(f+g)/(2g) : t*(a+b)/(2a) に分割する点

・C[t]が楕円の場合、その面積は、 S*(π/2)*√{h(t)}

・tが 0<t<1 の範囲にあるとき、C[t]は四角形AFBGに内接する楕円になる。

 (d/dt){h(t)}=0 を解くと、

  p=qのとき   t=1/2

  p≠qのとき  t={2p-q±√(p^2-pq+q^2)}/{3(p-q)}

となる。

○[p=qの場合は t=1/2 でh(t)が最大となり、内接楕円の面積も最大となる。]

○[p≠qの場合は

 t={2p-q+√(p^2-pq+q^2)}/{3(p-q)} は 0〜1 の範囲外にあって、h(t)は極小となる。

 t={2p-q-√(p^2-pq+q^2)}/{3(p-q)} は 0<t<1 の範囲にあり、h(t)が極大となるため、内接楕
円の面積はこのとき最大になる。]

 この t の値を先ほどのC[t]の性質に代入すれば面積最大の内接楕円の中心や接点が求
まる。

蛇足(未証明なので私の推測です。)

 C[t→1]は直線AB、C[t→0]は直線FG

 p≠qのとき、C[t→p/(p-q)]は直線IJ

 p≠qのとき、C[t→+∞]およびC[t→-∞]は凸四角形AFBGの各辺を延長した四直線に接
する放物線にそれぞれ近づく。

・上で示したC[t]と四直線の中心の式に t=1、0、p/(p-q) を代入すると、線分AB、FG、IJの
 中点の位置を表す。また、C[t]と四直線の接点の式に t=1、0、p/(p-q) を代入すると、点
 A、B、F、G、I、Jの位置を表す。

・凸四角形AFBGの各辺を延長した四直線に接する放物線と四直線との接点は以下の四点

  辺AFを -(f+g)/(2f) : (a+b)/(2a) に分割する点
  辺BFを -(f+g)/(2f) : (a+b)/(2b) に分割する点
  辺BGを -(f+g)/(2g) : (a+b)/(2b) に分割する点
  辺AGを -(f+g)/(2g) : (a+b)/(2a) に分割する点


 導出の過程にまだ不完全な部分もありますが、いい感じの答えにたどり着いたので私はも
う満足です。今後、細かいところまで完全に詰めるつもりはありません。もし間違いがあった
ら指摘してください。適当な四角形を用意しての数値計算でもいいので、だれか検証してくれ
たらうれしいです。

 ちょっと関連していそうなページを見つけました。青い点を動かすと関連している部分も動
くので、常に法則が成り立っているのが視覚的にわかるのがおもしろいです。

 わたしも曲線の変化が見た目でわかりやすいようにちょっと作ってみました。(→ 参考

 画面上のスライダーで曲線が変化します。また、左上の灰色の○の下の再生ボタンで自動
で動きます。

 -1←T→+1 と動かせば、緑の曲線が1←t→0としたときの内接楕円となり、橙の曲線が
0←t→-∞、+∞←t→1としたときの円錐曲線となります。

 線を選択すれば接点も表示されます。(かなり処理が重くなります。) GeoGebraを初めて
触ったので、洗練されていませんがご容赦ください。



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