・cotの和の計算                       at 氏

[問題] nを正整数とするとき、

    和 Σk=1〜n (cot(kπ/(2n+1)))6

を n の式で表すとどうなるか?

 参考までに、WolframAlphaにやらせてみると、全く変化なしでした。


 らすかるさんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 多分、 n(2n-1)(32n^4+112n^3+8n^2-252n+135)/945 になると思います。


 at さんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 はい、確かにそのようになります。そのようになることを証明することも可能です。


 GAI さんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 at さんの問題を

 nを正整数とするとき、和 Σk=1〜n (sin(kπ/(2n+1)))6 を n の式で表すとどうなるか?

に変更したとすれば、n=1 => 27/64

             n≧2 =>(10*n+5)/32

でよいでしょうか?


 at さんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 そうですね。多分良いのではないでしょうか。これは証明できるんでしょうか?


 DD++さんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 f(x) = (-i/2)*(√x+i)^(2n+1) + (i/2)*(√x-i)^(2n+1) とおきます。

 変な関数に見えますが、第1項と第2項は互いに複素共役なので、その和は実数です。しか
も √x を含む項は必ず虚数項なので和をとった時に消滅します。つまり、f(x) は変な関数に
見えるだけで、実際は普通の実数係数n次多項式です。そして、f(x)のm次係数は

(-i/2)*C(2n+1,2m)*i^(2n-2m+1) + (i/2)*C(2n+1,2m)*(-i)^(2n-2m+1) = C(2n+1,2m)*(-1)^(n-m)

です。さて、ここで 1≦k≦n として、x=cot^2(kπ/(2n+1)) を代入します。すると、

f(cot^2(kπ/(2n+1)))
= (-i/2)*(√cot^2(kπ/(2n+1))+i)^(2n+1) + (i/2)*(cot^2(kπ/(2n+1))-i)^(2n+1)
= (-i/2)*(cot(kπ/(2n+1))+i)^(2n+1) + (i/2)*(cot(kπ/(2n+1))-i)^(2n+1)
= (-i/2)*(cos(kπ/(2n+1))+i*sin(kπ/(2n+1)))^(2n+1)/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1))
          + (i/2)*(cos(kπ/(2n+1))-i*sin(kπ/(2n+1)))^(2n+1)/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1))
= (-i/2)*(cos(kπ)+i*sin(kπ))/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1))
                        + (i/2)*(cos(kπ)-i*sin(kπ))/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1))
= (-i/2)*1/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1)) + (i/2)*1/sin^(2n+1)(kπ/(2n+1))
= 0

となります。

# なぜか cos(kπ)=1 にしちゃっていますが、当然-1の場合もありますね。前後とも符合が逆になるので、結
  局、和は0なんですが、一応訂正。(平成29年4月27日付け)


 cot^2(kπ/(2n+1)) は 1≦k≦n のn通り全て異なる値になるので、このn個の値がn次方
程式 f(x)=0 の全ての解となります。

 これらn個の値のm次基本対称式をS[m]、m乗和をT[m] とすると、解と係数の関係より

S[1] = C(2n+1,2(n-1))/C(2n+1,2n) = (2n)(2n-1)/3!

S[2] = C(2n+1,2(n-2))/C(2n+1,2n) = (2n)(2n-1)(2n-2)(2n-3)/5!

S[3] = C(2n+1,2(n-3))/C(2n+1,2n) = (2n)(2n-1)(2n-2)(2n-3)(2n-4)(2n-5)/7!

 よって、ニュートン多項式より、

T[1] = S[1] =  (2n)(2n-1)/3!

T[2] = S[1]T[1] - 2*S[2] = {(2n)(2n-1)/3!}^2 - 2*(2n)(2n-1)(2n-2)(2n-3)/5!

T[3] = S[1]T[2] - S[2]T[1] + 3*S[3] = 略

 この T[3] が求める和なので、あとはこれを頑張って整理すれば答えになります。
(手計算だと手間がかかりすぎるので実行はしませんでしたが、ちゃんとなるはず……)


 at さんからのコメントです。(平成29年4月26日付け)

 DD++さんからの、素晴らしい証明がありました。いやはや。証明は相当な難問だと思って
いましたが、見事に解いてありますね。


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