・階乗に現れる数字                      S.H 氏

 1!=1、2!=2、3!=6、4!=24、5!=120、6!=720、7!=5040、
 8!=40320、9!=362880、10!=3628800、11!=39916800、・・・

と取り留めのない計算を続けていくと、100!を計算したときに、そこに現れる数字の分布
がどうなるか大いに気になるところである。そこで調査したところ、

100!=93,326,215,443,944,152,681,699,238,856,266,700,490,715,968,264,381,621,468,592,
      963,895,217,599,993,229,915,608,941,463,976,156,518,286,253,697,920,827,223,758,
      251,185,210,916,864,000,000,000,000,000,000,000,000

から、次のような結果を得た。

数字
出現回数 30 15 19 10 10 14 19 14 20

 この調査から、100!は、158桁の数であることも分かる。

 また、100÷5=20、100÷25=4 から、100!は末尾に「0」が24個続く数で、それ
以外で残り6個が途中に出現することも分かる。

 ところで、100桁絡みの問題が、京都大学前期文系(2017)で出題された。問題レベルは
「やや難」とのことである。


京都大学前期文系(2017)

 次の問に答えよ。ただし、0.3010<log10 2<0.3011 であることは用いてよい。

(1) 100桁以下の自然数で、2以外の素因数を持たないものの個数を求めよ。

(2) 100桁の自然数で、2と5以外の素因数を持たないものの個数を求めよ。



 以下では、「1=20」と考えて、1も問題の条件を満たすものと考えるのでしょうね!

(解)(1) 条件を満たす数は、2 (nは0以上の整数)の形で、 1≦2<10100 を満た
     すものの個数を求めればよい。

 両辺の常用対数をとって、 0≦n・log10 2<100

 0.3010<log10 2<0.3011 より、

   100/0.3011<100/log10 2<100/0.3010

 100/0.3011=332.11557・・・ 、100/0.3010=332.2591・・・ なので、

  0≦n≦332 となり、求める個数は、 333個 である。

(2) 条件を満たす数は、2 (n、mは0以上の整数)の形で、 1≦2<10100
  を満たすものの個数を求めればよい。

  まず、(1)と同様にして、1≦5<10100 を満たすものの個数を求める。

 両辺の常用対数をとって、 0≦m・log10 5<100

 ここで、log10 5=1−log10 2 より、 0.6989<log10 5<0.6990 なので、

   100/0.6989<100/log10 2<100/0.6990

 100/0.6989=143.08198・・・ 、100/0.6990=143.06151・・・ なので、

  0≦m≦143 となり、100桁以下の自然数で5以外の素因数を持たないものの個数は、
144個 である。

 2 (n、mは0以上の整数)の形の数は、2または5で括ることにより、100桁以下
の自然数で、2または5以外の素因数を持たないようにできる。

 よって、求める個数は、 333+144−1=476(個) である。  (終)



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