平成28年10月2日朝日新聞朝刊教育コラム「花まる先生」で、神奈川県栄光学園中学
校の井本陽久さんの授業が紹介されていた。授業では教科書を使わないそうで、生徒の解
答が「教科書」になるという。まさに今流行のアクティブラーニングで、大変興味深く記事を
読ませていただいた。
生徒が食いつく仕掛けを作って初めて、生徒同士の議論も活発になるという考え方は、多
くの授業教材を開発し発表している筑波大学附属駒場高校にも相通じるものがある。いくつ
かその教材を眺めてみよう。
問題 △ABCにおいて、B、Cより対辺CA、ABにそれぞれ垂線を下ろし、交点をそれぞれ
D、Eとおく。
BCとDEが平行であるとき、AB=ACが成り立つことを証明せよ。
(解) 題意より、4点B、C、D、Eは同一円周上にある。よって、∠BCE=∠BDE
また、BCとDEが平行なので、∠BDE=∠CBD より、 ∠BCE=∠CBD
このとき、∠BCD=∠CBE となり、△ABCは2等辺三角形。
よって、 AB=ACが成り立つ。 (終)
問題 正四面体A-BCDの頂点および各辺の中点の計10個の点から3点を選んで結ぶ。
このとき、合同でない2等辺三角形は何種類できるか?
(解) 6種類 (終)