・自閉症の三角形                        GAI 氏

 △ABCの内部の任意の点をPとし、各頂点からPを通る直線を引き、対辺と交わる点をそ
れぞれ A’、B’、C’とする。

 このとき、△ABC、△A’B’C’の面積をS、S’とすると、S : S’=abc : (a1b1c1+a2b2c2)

が成立することを示して下さい。

 ただし、a=BC、b=CA、c=AB、a1=BA’、b1=CB’、c1=AC’、a2=A’C、b2=B’A、c2=C’B
であるものとする。

 更に、S’≦S/4 であることを示して下さい。また、等号が成立するのはどのような時か?


 DD++さんからのコメントです。(平成28年9月13日付け)

 S’/S
=(S - △AB’C’ - △A’BC’ - △A’B’C)/S
=1 - △AB’C’/S - △A’BC’/S - △A’B’C/S
=1 - (AB’/AB)(AC’/AC) - (A’B/AB)(BC’/BC) - (A’C/AC)(B’C/BC)
=( AB AC BC - AB’ AC’ BC - A’B AC BC’ - AB A’C B’C ) / AB AC BC
={ (AC’+BC’) (AB’+B’C) (A’B+A’C) - AB’ AC’ (A’B+A’C)
                 - A’B (AB’+B’C) BC’ - (AC’+BC’) A’C B’C } / AB AC BC
=( A’B AC’ B’C + AB’ A’C BC’ ) / AB AC BC

  更に、チェバの定理より、A’B AC’ B’C=AB’ A’C BC’ なので、相加平均と相乗平均
の大小関係より、

 S’/S
=( A’B AC’ B’C + AB’ A’C BC’ ) / AB AC BC
=2√( A’B AC’ B’C AB’ A’C BC’ ) / AB AC BC
≦2{(A’B+A’C)/2} {(AB’+B’C)/2} {(AC’+BC’)/2} / AB AC BC=1/4

 等号成立は、A’、B’、C’ が各辺の中点であるとき、すなわち、P が三角形の重心である
とき。


 GAI さんからのコメントです。(平成28年9月14日付け)

 1点の無駄もない見事な証明すばらしいです。特に、

(AC’+BC’) (AB’+B’C) (A’B+A’C) - AB’ AC’ (A’B+A’C)
                 - A’B (AB’+B’C) BC’ - (AC’+BC’) A’C B’C
= A’B AC’ B’C + AB’ A’C BC’


の部分が、こんなにも整ったものに出くわすとは想像にもつきませんでした。

 また、「等号が成立するのはどのような時か?」では、

 チェバの定理より、A’B AC’ B’C=AB’ A’C BC’

なので、相加平均と相乗平均の大小関係より巧に結論を導かれるセンスに感心しました。


 DD++さんからのコメントです。(平成28年9月14日付け)

 GAIさんは全く別の方針でこの式を証明しているわけですよね。どのようなものだったので
しょう。いくつか方針がありそうでいて、しかし私にはこの1つしかゴールにたどり着かなかっ
たもので……。


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