・扁平なコイン                          GAI 氏

 公平に表裏が出るとは限らないそれぞれ扁平した3枚のコインがある。この3枚のコインを
同時に投げたとき、ちょうどr枚だけ表が出る確率Q(r)を、食い入るような観察の結果

 Q(0)=1/10 、Q(1)=5/12 、Q(2)=23/60 、Q(3)=1/10

であることを突き止めた。

 さてこの時、それぞれのコインが表になる確率はどのようなものか?

 また、 Q(0)=1/5 、Q(1)=1/2 、Q(2)=4/15 、Q(3)=1/30

である場合はどの様なコインであるか?


 DD++さんからのコメントです。(平成28年9月8日付け)

 3枚のコインそれぞれの表が出る確率を A、B、C、裏が出る確率を a、b、c とします。
もちろん A+a=B+b=C+c=1 です。条件より、

ABC=1/10 …… (1)
ABc+AbC+aBC=23/60 …… (2)
Abc+aBc+abC=5/12 …… (3)
abc=1/10 …… (4)

(1)×3+(2) より、 AB+AC+BC=41/60 …… (5)
(2)+(3) より、 Ab+Bc+aC=4/5 …… (6)
(5)+(6) より、 A+B+C=89/60 …… (7)

 (1)(5)(7) より、A、B、C は方程式 60x3-89x2+41x-6=0 の3つの解で、これは、

  (3x-1)(4x-3)(5x-2)=0

と変形できるので、各コインが表になる確率は 1/3、3/4、2/5

#2問目もほとんど同じはずなので略。


(コメント) 2問目の解は、方程式 30x3-34x2+11x-1=0 の3つの解で、因数分解して、
      (3x-1)(10x2-8x+1)=0 を解けばよい。


 GAI さんからのコメントです。(平成28年9月9日付け)

 3枚の理想的コイン(表裏が1/2の割合で出現する)を同時に投げるとき、表になる枚数が
0〜3枚である確率分布は、

表の枚数: 0  1   2   3
 確率  :1/8  3/8   3/8   1/8

であるのに倣って、3枚とも異なる扁平なコイン(各表が出る確率を1/9〜8/9までの分母が
一桁の有理数で1/2を除くと仮定)で、3枚同時にトスしたとき、

 表になる枚数が0枚と3枚が同じ確率になり、しかも1枚と2枚になる確率もほとんど僅差

となるような3枚の扁平コインの組合せ(表が出るそれぞれの確率)を見つけてほしい。

 今、表が出る確率を分母が一桁に絞っていますが、これを拡張して、

 表になる枚数が0枚と3枚が同じ確率になり、しかも1枚、2枚になる確率も同じ

となるようなものが作れるのか知りたいです。


 らすかるさんからのコメントです。(平成28年9月9日付け)

 後半部分について、3枚とも扁平では無理ですね。直感的に、1枚は、1/2でなければいけ

ないように思えましたが、実際に計算してもそうなりました。

 0枚と3枚の確率を s とすると、1枚と2枚の確率は、1/2-s となり、これをDD++さんの手順
にそのまま当てはめて三次方程式を作ると、

  2x3-3x2+(4s+1)x-2s=0

という式になって、これは、(2x-1)(x2-x+2s)=0 と変形できますので、3枚の確率は、

  x=1/2、{1±√(1-8s)}/2

となります。


 GAI さんからのコメントです。(平成28年9月9日付け)

 なるほど、こちらで攻めると起こり得ないことが判明するのですね。(あの条件が揃うのは
1/2のコインのみ!)

 ちなみに、3枚の扁平コインが、 3/7、4/9、5/8 (それぞれ表が出る確率)の場合が、

表の枚数: 0      1       2        3
 確率  :5/12  193/504  191/504    5/12

になったので、もしかしてと思った次第でした。



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