A : 9人の人が、1から10までの数字の一つをランダムに口にした。
B : 10人の人が、1から9までの数字の一つをランダムに口にした。
このとき、どちらの数字の和の期待値が大きいか?
(コメント) 就活の面接でいきなり「あなたの自宅から学校まで何歩で行けますか?」などと
いう質問をされたら、真面目な学生だったらどう答えようか真剣に悩んでしまいま
すよね。このような「つかみどころのない調べるのも大変そうな数量を、即座に論
理的に概算する」ことをフェルミ推定というらしいです。
質問した人は、正しい数値を求めているわけではなく、一つの課題に対してどのような
思考をたどり結論を導いたのかを聞きたいわけで、この趣旨を生かして面接で答えれば
いいのでしょう。
私だったら、例えば、
・自宅から学校までだいたい30分くらいかかる
・人間はだいたい1分間に80m歩く
・歩幅はだいたい60cmである
ということを踏まえて、30×80×100÷60=4000(歩) と答えるのかな?
「フェルミ推定には正解はない」と理解すれば、特に恐れることはないですね!ただ、大
切なことは、問題に直面したときに、どのような推論を経て結論を導いているのかを見て
いるので、それなりの柔軟な思考力と推論を組み立てる機知が必要とされますね。
サイトを検索すると、
・日本中で、郵便ポストは何本あるか?
・日本中で、1日に食べられるピザは何枚か?
・日本中で、1日に使われる割り箸の本数は何本か?
・日本中で、今トイレに入っている人は何人か?
など面白そうなフェルミ推定の問題がたくさんありますね。
さて、冒頭の問題のフェルミ推定はどうなるのだろう?
Aの方は、和が、9〜90の間、Bの方は、和が、10〜90の間をとり、分布の仕方は同じ
だと考えられるので、範囲が若干小さい方に寄っているAの方の期待値(平均)がBに比
べて小さいと判断できる。よって、Bの方が数字の和の期待値は大きい。
果たして、このフェルミ推定で面接官の評価は如何に?
試しに、数の少ない次の場合について計算してみた。
A : 2人の人が、1から3までの数字の一つをランダムに口にした。
B : 3人の人が、1から2までの数字の一つをランダムに口にした。
このとき、どちらの数字の和の期待値が大きいか?
(解) Aの場合、数字の和の起こり得る場合は、2、3、4、5、6で、その確率は、それぞれ
1/9、2/9、3/9、2/9、1/9 なので、期待値は、
2×1/9+3×2/9+4×3/9+5×2/9+6×1/9=36/9=4
Bの場合、数字の和の起こり得る場合は、3、4、5、6で、その確率は、それぞれ
1/8、3/8、3/8、1/8 なので、期待値は、
3×1/8+4×3/8+5×3/8+6×1/8=36/8=4.5
以上から、Bの方が数字の和の期待値は大きい。
とあるAKBファン(だった)さんからのコメントです。(平成28年9月16日付け)
これ、推定するまでもなく、各々が口にする数の平均を合計すれば一発で計算できる話じゃ
ないんでしょうか……。
(コメント) なるほど!そうですね。上の例だと、Aは、平均2の2倍で、4、Bは、平均1.5の
3倍で、4.5。よって、Bの方が数字の和の期待値は大きいと言ってもいいんです
ね。
冒頭の問題だと、
Aは、平均5.5の9倍で、49.5、Bは、平均5の10倍で、50。
よって、Bの方が数字の和の期待値は大きい。