・内心の性質                            GAI 氏

 円の中心をOとする任意の半径の円周上に2点A、Bをとり、そこでの接線が交わる点をC

とする。線分ABの中点をMとし、Mを通る任意の直線(線分AB、OC以外)が円Oと交わる点

をA’、B’と置くと、△A’B’Cの内心は円Oと直線OCの交点である。


 DD++さんからのコメントです。(平成28年8月30日付け)

 円と直線OCの交点を、Cに近い側をD、遠い側をEとします。

∠CAD=∠DEA=∠DBA=∠DAM (順に、接弦定理、円周角の定理、図形の対称性)より、

点Dは△AMCにおける∠Aの内角の二等分線と直線MCとの交点。

 さらに、AD⊥AE より、点E は△AMCにおける∠Aの外角の二等分線と直線MCとの交点。

つまり、MD:DC=MA:AC=ME:ECなので、この円は二点MとCに対するアポロニウスの円です。

したがって、この円上の(DとE以外の)任意の点Pについて、MP:PC=MD:DCが成り立ち、

線分PDは、∠MPCの二等分線となっています。

 つまり、円上に(DとE以外の)A’とB’をとり線分A’B’が点Mを通るようにすると、

△A’B’Cのうち内角∠A’と内角∠B’のどちらの二等分線も点Dを通るので、点Dはこの三

角形の内心ということになります。

 ところで、逆に、Cを通り円と2点で交わる直線を引き、その2交点とMを結ぶ三角形を作る

と、Dはその三角形の傍心になるようですね。


 tetsuさんからのコメントです。(平成28年8月30日付け)

 なるほど、です。アポロニウスの円が鍵ですね。私はこんな説明を考えてみました。

 単位円で言えれば十分なので、円Oを座標平面上の原点を中心とする半径1の円として、

円周上の点A、Bの座標を、A(x1,y1)、B(x1,-y1) とする。(x1、y1>0 としてよい)

これで、M(x1,0)、また、△AMOと△CAOの相似比から、C(1/x1,0) が得られる。

ここで、D(1,0)、E(-1,0)について、

 DM:DC=(1-x1):(1/x1-1)=x1:1 、EM:EC=(x1+1):(1/x1+1)=x1:1

が得られ、円Oがアポロニウスの円(M、Cからの距離の比がx1:1である点の軌跡)と判る。

 弧AD上に点A’を取り、点Mを通る弦A’B’を取り,B’Cと円Oの交点をA”とすれば、

  B’M:B’C=DM:DC により、∠DB’M=∠DB’C で、弧A’D=弧A”D

したがって、2点A’とA”は、x軸に関して対称な位置にあり、CDは△A’B’Cの∠Cの二等分

線、すなわち、Dは、△A’B’Cの内心である。

 また、点Mを通る弦A”B”を考えると、△A”B”Cは、△A’B’Cとx軸に関して対称な三角形

で、同じくDが内心であり内接円も同一。

 よって、この内接円はMA’、MA”、A”Cに接するので、Dは、△B’A”Mの傍心である。



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